日本を滅ぼす研究腐敗――不正が不正でなくなるとき(26) 4章 「奨学金問題対策全国会議」を訴える 5
団体の性格について反論を――裁判官の訴訟指揮に対し、奨学金問題対策全国会議(大内裕和代表)から書面がきた。一読してあきれた。「開かれた団体ではない」「社会性のある団体ではない」ということを懸命に主張している。
会員が100人、全国に及び、属性は弁護士、大学教授、ジャーナリスト、奨学金利用者が含まれ、設立から本件入会拒否までの6年で承認が得られなかったものはない。「入会申込書を収録した出版物を発行し、新聞等の発言や政策提言を公然と行っている」は認める。「知名度が高い」は、奨学金問題に相当の関心を有する者に限れば争わない。
――私が指摘したこれらの事実を認めた上で次のように述べている。
〈判例のゴルフ場が1500人の会員を有するのに対して、全国会議は100人しかいない。ゴルフクラブの入会は入会資格が特にないのに対し、全国会議は目的に賛同する必要がある。ゴルフ会員権は市場で一般に売買されているのに対し、全国会議は会員権自体がないといった大きな差異がある。〉
言っていることがよくわからなかった。ゴルフクラブの入会は、会員権を購入する必要があり、また紹介者がいる。クラブの規約等を遵守する義務もある。かたや全国会議は手ぶらで入会できる。面談の類もない。どうしてゴルフクラブ入会より社会性がないことになるのか。いくら訴訟に勝つためとはいえ、「社会性を持たない団体」であると強調するのは存在意義を自ら否定しているようなものだ。むなしくならないのだろうかと疑問を覚えた。
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