日本を滅ぼす研究腐敗――不正が不正でなくなるとき(14) 2章 「O教授の“丸写し“発覚する」3
自分の書いた文章をすべて暗記することは私にはできない。しかし、他人の文章のなかに自分が書いたものがあれば気がつく。文章を書くという作業は考える作業だから、思考の過程を喚起するのかもしれない。私は、過去に自分が書いた記事のスクラップを調べてみた。やはりそうだ。O教授が引用した「講演レジメ」は、2012年4月発行の雑誌『選択』に私が無署名で書いた次の記事と瓜二つだった。
あえて違いを探すなら、『選択』記事の「へ消えている」がO教授の講演要旨では「に行く」となっている。それくらいで、あとは完全に一致している。「盗用・剽窃」を否定する証拠どころではない。「証拠」にもまた別の「盗用・剽窃」があるではないか。
O教授の回答には、盗用・剽窃を否定する根拠として、別の「証拠」も示されていた。私との共著『日本の奨学金はこれでいいのか』の大内氏執筆部分(1章)の引用だ。
これも先の「講演レジメ」とほぼ同じ内容である。すぐにO教授が引用している『日本の奨学金はこれでいいのか!』の該当箇所を、その前後を含めて読んでみた。
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