日本を滅ぼす研究腐敗――不正が不正でなくなるとき(24) 4章 「奨学金問題対策全国会議」を訴える 3

 津地裁四日市支部で審理されたゴルフクラブ入会拒否事件は、原告が敗訴して、名古屋高裁で控訴審が続いていた。性同一性障害を理由に入会拒否をしたことの違法性を認めた判決と判断が別れた。
 判決を読み比べると団体の性格の評価がちがうことに気がついた。前者の例は、開かれた運営をしている団体だと認定している。それに対して後者は、比較的閉鎖的な運営だと認定している。
 ゴルフ場に比べれば「全国会議」ははるかに開かれているんじゃないか。わたしは思った。
 奨学金問題対策全国会議を相手どった裁判を起こしたことで、わずかずつだが新しい事実が判明した。I事務局長が「入会を認めるべきではない」という意見をつけて、私から入会希望があったことを事務局メーリングリストに投稿していたという事実もそのひとつだ。
 入会不承認は規約に定める事務局会議で決定したといいながら、それを招集する立場のものが「入会させるべきではない」との意見を述べている。最初から拒否する意思がありありだったことがはっきりした。
 また出席者の数の確認や裁決もなされた形跡がないことも明白になった。
 2022年6月19日11時、東京地裁で口頭弁論が開かれた。
 折しも大東建託の取材で岡山の実家に滞在中で、朝3時に起きてじゃがいもを掘ってから始発の新幹線で東京にもどった。3時間も寝ていない。
 弁論に先立ち、書面を書いて送っていた。入会不承認を決めた事務局会議の記録(メーリングリストの記録)を法廷にだすよう文書提出命令も申したてた。
 裁判官に響くだろうとの予想に反して、はたして反応はすこぶる鈍かった。まず文書提出命令について。

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