mita3_lab

大学教員。日々の出会いの中で、口に出して言う程度にないと自分が感じて言わなかったこと等を書き留めておこうと思って始めました。何かの参考になれば。

mita3_lab

大学教員。日々の出会いの中で、口に出して言う程度にないと自分が感じて言わなかったこと等を書き留めておこうと思って始めました。何かの参考になれば。

最近の記事

第10回 大卒資格が無価値に映るとき

大学あるある話(エピソード) 前回は大卒資格をプライスレスにするかどうかが「自分で考えて行動できるようになるかどうか」にかかっていることを指摘した。その後、読み直してみて、これだけでは余りにも無責任だろうと感じた。なぜなら、一部の成功例を紹介しただけであり、何をしてはいけないのかを明確にしていないため、自分に置き換えた際にどうすれば良いのかを考えるヒントとして十分でないからである。  したがって今回は、これまでの教え子・受講生をふりかえり「この学生にとって大卒資格は魅力を感

    • 第9回 大卒資格はプライスレス

      大学あるある話(エピソード) 皆さんが4年間の学びを終えたとき、ある友人は所属学部が示す将来像のとおりの就職や進学を実現しているかもしれないが、そういう友人ばかりではないはずである。例えば、法学部を卒業したのに銀行員になっているとか、文学部を卒業したのに起業しているとか、あるいは教育学部を卒業したのに総合商社に就職しているとか。実に様々な次のステージへと巣立っていくことが少なくない。何故、こんなことが起こってしまうのか。  今回は教育学部を卒業したのに自衛官となったRくん、理

      • 第8回 成績評価とGPAについて

        大学あるある話(エピソード) 一つの学期を終えて束の間の休息を取り、新しい学期を迎えるなと気づく頃に大抵の場合は前の学期の成績結果が手元に届く。基本的に単位を取得していさえすれば進級条件であろうと卒業要件であろうと支障はない。しかしながら、一部の大学においては単位修得と卒業要件の基準を別建てしている。例えば「単位修得は可でも構わないが、卒業するためには通算のGPAが2.0以上でなければならない」というようにである。  一方、成績評価は「秀、優、良、可、不可」や「A、B+、B、

        • 第7回 レポートと筆記試験の違い

          大学あるある話(エピソード) リアクションペーパーの話は既に紹介した。今回は、レポートと筆記試験の話をすることにしたい。一応の一般論として整理しておくと、昭和や平成の大学生の場合は15回の授業回数を経て、16回目に期末テストとして筆記試験があるのみというのが一般的だった。つまり、授業に出席していようが欠席していようが、担当教員の学説を真に受けようが反発しようが、その学期(現在ではセメスターと呼ぶところが多い)の成績評価は筆記試験の出来次第だった。一方、レポートは一般教養科目

          こういうの、好きだな。鉄道ヲタクではないけれど。

          こういうの、好きだな。鉄道ヲタクではないけれど。

          第6回 リアクションペーパーの書き方

          大学あるある話(エピソード) 毎回の講義後に、B6サイズ程度の小さな紙に今日の講義の感想を書くように指示されることがある。こんな指示を出す担当教員の意図は授業参加の促しであったり、自分の講話に対する理解度の把握であったり、単なる出欠確認であったりである。「リアクションペーパーは感想を書くものではない」という警告は有り難いことにほぼ周知されたようであるが、そのレベルに留まっているように思われる。今回は無駄なリアクションペーパーの提出を繰り返してしまって平常点で0点を取ってしま

          第6回 リアクションペーパーの書き方

          第5回 個別指導の受け方

          大学あるある話(エピソード) 「分からないことがあったら気軽に教員に質問すれば良い」と言われても二の足を踏むことも多いだろう。「子どもっぽい質問で恥ずかしい」とか、「変な質問になってしまって怒られるのではないか」とか、あるいは「自分の成績評価を下げることになるのではないか」という様に、何か否定的な気持ちが急に湧き出て来て質問できなかったことは、皆さんのこれまでの人生の中であったかもしれない。では、どういう風に質問し個別指導を受けるのが無難なのだろうか。お手本になりそうな例を

          第5回 個別指導の受け方

          第4回 講義の受け方

          大学あるある話(エピソード) 大学における講義には幾つかの型・パターンがある。大きく分けると4つ、すなわち教室で教員からの講話を通じて学ぶ座学型であり、同じく教室ではあるが共同学習や模擬裁判などの議論を通じて学ぶ実践型のほか、実験室を利用する実験型である。これらの他に、最近では学外のフィールドワークを組み合わせて学ぶ体験型も徐々にではあるが確実に増えている。問題は、これらのパターンにおいて学ぶ者が主体的に取り組めるようにするには何が必要かを見定めることだろう。  座学型にお

          第4回 講義の受け方

          第3回 履修登録とコース再編

          大学あるある話(エピソード) 大学に進学して直ちに取り組まなければならない履修登録は、誰もが極度に緊張する体験かもしれない。小・中・高において教科科目の履修登録を児童や生徒に取り組ませているという学校は、寡聞にして一部の大学附属高校しか聞いたことがない。そんな高校であっても、履修指導は担任や進路指導主事が積極的に関わっており、生徒は先生の指示の下でマークシート上の所定の部分を塗り潰して提出するだけの作業だそうである。したがって、学ぶ者が主体的に取り組むための一つの方法として

          第3回 履修登録とコース再編

          新書を片手に一泊二日のゼミ合宿を敢行しました。スマホがなかった時代に大学生をしていた自分は、1冊新書を携えて合宿先との往復時間を潰していました。個人的には懐かしい気持ちが蘇りました。

          新書を片手に一泊二日のゼミ合宿を敢行しました。スマホがなかった時代に大学生をしていた自分は、1冊新書を携えて合宿先との往復時間を潰していました。個人的には懐かしい気持ちが蘇りました。

          第2回 入学前説明会など

          大学あるある話(エピソード)  合格通知をもらい、所定の入学手続きを済ませたら入学式に出席するまで何ら予定がないということはない。例えば総合型選抜試験といった形での選抜試験の場合は、合格者が本学でやっていけるだろうという保証はあったとしても、本人に基礎学力があるという保証はない。そのため理系の大学では通信制の教育支援企業とタイアップして高校の教科の総復習をするための教材を送りつけたりすることが少なくない。また、文系理系を問わず最近では学事暦の関係から入学式前に履修登録等の説明

          第2回 入学前説明会など

          第1回 大学という空間

          大学あるある話(エピソード) 大学に入学したとき、少なからずの学生は大学生活の目標を立てて入学している。しかし、時間が過ぎるにつれて「こんなはずじゃなかった」という思いを抱くようになり、気が付くと退学届を大学へ提出しているということがある。今回は、そんな「こんなはずじゃなかった」という思いを抱きながら大学を退学したAくん、Bさん、そしてCくんに登場を願い、彼・彼女からの教訓を得ることにする。 Aくんの場合「友だちができなかった」  Aくんが退学面談のために私に出会った際

          第1回 大学という空間

          今日になってラップトップ(Surface)の電源ボタンが反応しなくなった。当然のように修理に出ることになったのだが、最長1ヶ月かかると思って欲しいと告げられた。 どーする?Goする?と冗談を言う余裕もなくソフマップへ。予算とスペックから再びSurface。ウソのような本当の話。

          今日になってラップトップ(Surface)の電源ボタンが反応しなくなった。当然のように修理に出ることになったのだが、最長1ヶ月かかると思って欲しいと告げられた。 どーする?Goする?と冗談を言う余裕もなくソフマップへ。予算とスペックから再びSurface。ウソのような本当の話。

          第0回 自己紹介

          はじめに 今回書き下ろす内容を書籍として出版するとしたら、おそらく「平成の法学徒の令和見聞記」をその書名に付けるだろうと当初は想定していた。現に今筆を執って書き始めて思うのだが、何とも堅苦しい書籍だと思われかねない書名である。  何かの文字を見て紙の辞書を引く習慣がない令和の大学生にしてみれば、iPhoneやAndroidのスマートフォンで「学徒って何なの? Siri 教えて!」と質問し、「学徒とは、学生と生徒という意味であったり、学問を研究している人すなわち学者という意味で

          第0回 自己紹介

          あ、何か楽しくベンキョー出来そうな感じ。 飲みニケーション(千葉商科大学某教授)は普遍です。

          あ、何か楽しくベンキョー出来そうな感じ。 飲みニケーション(千葉商科大学某教授)は普遍です。

          締切を守れない

           「今どきの大学生は締切が守れない」と言ったとしても、今どきの大学生は怒りもしないし、皆もそうだと言わんばかりにどこ吹く風となる。裏口入学する人間であっても何らかの試験を受験するはずだから、受験するために願書を提出締切までに提出した経験はあっただろう。が、その経験で学ぶことをしなかったのだろうか。 提出締切の意味 〇月〇日までに提出してくださいとアナウンスされた経験は、大学生に限ったことでもない。遡れば、小学校や幼稚園、保育園でも経験する。仮にそこで提出を忘れた場合、どんな

          締切を守れない