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国語教育

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国語に関する記事を集めたものです。自身の仕事に関係するものを挙げていくので、質はそれなりに高いものとなっています。写真は東博の書道具の展示を撮影したものです。
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#小説

寅年記念の記事:『山月記』をより楽しむための表現に関する雑話

寅年記念の記事:『山月記』をより楽しむための表現に関する雑話

 あけましておめでとうございます、本年もよろしくお願いします。この記事はタイトルのように寅年を記念して虎に関する作品を取り上げたいと思い、『山月記』をよりたのしむための表現に関する雑話という内容で記事を書いてみましたので、お暇な時に読んでみてください。

本文が手元にない方のために、青空文庫のリンクを載せておきます。
青空文庫『山月記』(https://www.aozora.gr.jp/cards

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高校生向け短期集中日本文学史#2 (明治時代末期〜大正時代初期の流れ) 全5回

高校生向け短期集中日本文学史#2 (明治時代末期〜大正時代初期の流れ) 全5回

文学史は地味にながら意外と定期テストで出題されて特典源になることも多いです。そのような文学史について素早く勉強をする全5回のシリーズ記事です。

明治時代末期から大正時代初期の文学は、既に台頭していた自然主義を批判する反自然主義の立場を取る人々によって展開された。反自然主義の立場の人々は特に共通基盤を持つわけではないが、自然主義とは異なる立場を取ろうとした点で共通しており、三つの立場が存在する。

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現代文キーワード小テスト #8.1

現代文キーワード小テスト #8.1

 今までの現代文キーワードシリーズとは異なり、小説で使われることがある表現をいくつかピックアップしたテストにしてみました。ただあまりにも多く作りすぎたので、今回は3セット分に絞って掲載しました。やり方は①〜⑩の単語の意味として最も近いものを一つ選ぶという形式です。軽い気持ちで語彙増強できるものと思って取り組んでもらえたらと思います。

第1セット
①けたたましい ②自負 ③いじらしい ④無聊 ⑤沽

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夏目漱石『夢十夜』を国語の授業風に読む #5 味読 (全5回) 読むシリーズ第2弾

夏目漱石『夢十夜』を国語の授業風に読む #5 味読 (全5回) 読むシリーズ第2弾

 このシリーズでは、国語の授業のように丁寧に作品を読み深めながら、1人で読書しただけでは気づかない作品の良さを知ることを目指しています。授業風ということもあり、長さは適量でカットし、深めたい人は参考文献を見てさらに深めてほしいという形をとりますので、物足りなさを感じたらぜひ参考文献類も確認してみてください。この記事は#5ですので、最初から読みたいという方は#1からご覧ください。
 今回は味読という

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夏目漱石『夢十夜』を国語の授業風に読む #4 精読 (全5回) 読むシリーズ第2弾

夏目漱石『夢十夜』を国語の授業風に読む #4 精読 (全5回) 読むシリーズ第2弾

 このシリーズでは、国語の授業のように丁寧に作品を読み深めながら、1人で読書しただけでは気づかない作品の良さを知ることを目指しています。授業風ということもあり、長さは適量でカットし、深めたい人は参考文献を見てさらに深めてほしいという形をとりますので、物足りなさを感じたらぜひ参考文献類も確認してみてください。
今回は精読ということで、前回捉えた全体像を意識しながら細部の表現や仕掛けを読み解いていきま

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夏目漱石『夢十夜』を国語の授業風に読む #3 精読 (全5回) 読むシリーズ第2弾

夏目漱石『夢十夜』を国語の授業風に読む #3 精読 (全5回) 読むシリーズ第2弾

 このシリーズでは、国語の授業のように丁寧に作品を読み深めながら、1人で読書しただけでは気づかない作品の良さを知ることを目指しています。授業風ということもあり、長さは適量でカットし、深めたい人は参考文献を見てさらに深めてほしいという形をとりますので、物足りなさを感じたらぜひ参考文献類も確認してみてください。
今回は精読ということで、前回捉えた全体像を意識しながら細部の表現や仕掛けを読み解いていきま

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夏目漱石『夢十夜』を国語の授業風に読む #2 精読 (全5回) 読むシリーズ第2弾

夏目漱石『夢十夜』を国語の授業風に読む #2 精読 (全5回) 読むシリーズ第2弾

 このシリーズでは、国語の授業のように丁寧に作品を読み深めながら、1人で読書しただけでは気づかない作品の良さを知ることを目指しています。授業風ということもあり、長さは適量でカットし、深めたい人は参考文献を見てさらに深めてほしいという形をとりますので、物足りなさを感じたらぜひ参考文献類も確認してみてください。
 今回は精読ということで、前回捉えた全体像を意識しながら細部の表現や仕掛けを読み解いていき

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夏目漱石『夢十夜』を国語の授業風に読む #1 範読 (全5回) 読むシリーズ第2弾

夏目漱石『夢十夜』を国語の授業風に読む #1 範読 (全5回) 読むシリーズ第2弾

 このシリーズでは、国語の授業のように丁寧に作品を読み深めながら、1人で読書しただけでは気づかない作品の良さを知ることを目指しています。授業風ということもあり、長さは適量でカットし、深めたい人は参考文献を見てさらに深めてほしいという形をとりますので、物足りなさを感じたらぜひ参考文献類も確認してみてください。
 『夢十夜』は夏目漱石の新聞連載小説の1つです。夏目漱石の作品はたくさんありますが、190

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中島敦「狐憑」(こひょう)を国語の授業風に読む #6 味読 (最終回)

中島敦「狐憑」(こひょう)を国語の授業風に読む #6 味読 (最終回)

 このシリーズでは、国語の授業のように丁寧に作品を読み深めながら、1人で読書しただけでは気づかない作品の良さを知ることを目指しています。授業風ということもあり、長さは適量でカットし、深めたい人は参考文献を見てさらに深めてほしいという形をとりますので、物足りなさを感じたらぜひ参考文献類も確認してみてください。この記事は#6ですので、最初から読みたいという方は#1からご覧ください。
 今回は味読という

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中島敦「狐憑」(こひょう)を国語の授業風に読む #5 精読 山場の部、終結部

中島敦「狐憑」(こひょう)を国語の授業風に読む #5 精読 山場の部、終結部

 このシリーズでは、国語の授業のように丁寧に作品を読み深めながら、1人で読書しただけでは気づかない作品の良さを知ることを目指しています。授業風ということもあり、長さは適量でカットし、深めたい人は参考文献を見てさらに深めてほしいという形をとりますので、物足りなさを感じたらぜひ参考文献類も確認してみてください。この記事は#5ですので、最初から読みたいという方は#1からご覧ください。
 今回も精読という

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定番教材を楽しむ読書案内 #2 『羅生門』

定番教材を楽しむ読書案内 #2 『羅生門』

 『羅生門』といえば、多くの高校1年生向けの教科書に採用されており、来年度から始まる新課程のカリキュラムでも無事にカットされることなく、残った作品です。それだけ多くの高校生が読んだ作品であり、これからも読まれ続ける作品であると言えます。

 『羅生門』を巡って、よく扱われる話、特に味読と呼ばれるような精読が終わって改めて作品の主題やテーマ、作者の考えを読み解くような最後のまとめのような授業において

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