細川亮の「それでも誰かの役に立つ」

「社会の役立たずになってしまう」 健常者から、視覚障害者になるプロセスで感じた一番のおそれ。 しかし、視覚障害と向き合って気づいたことは「それでも誰かの役に立つ」ということだった。 そんな僕の、日々の気付きや「役に立つ」かもしれない情報をお届けします。

細川亮の「それでも誰かの役に立つ」

「社会の役立たずになってしまう」 健常者から、視覚障害者になるプロセスで感じた一番のおそれ。 しかし、視覚障害と向き合って気づいたことは「それでも誰かの役に立つ」ということだった。 そんな僕の、日々の気付きや「役に立つ」かもしれない情報をお届けします。

最近の記事

プロ視覚障害者のサッカー観戦レポート

プロ視覚障害者である僕にとって、サッカー観戦は、ちょっと変わった体験になる。 先日、サガン鳥栖のホームゲームに招待いただき、駅前不動産スタジアムの熱気を肌で感じてきた。 目が見えない僕にとって、スタジアムは音の渦だ。 サポーターたちの歓声、チャントのリズム、スタジアムDJの声。 それらが混ざり合い、巨大なエネルギーとなって押し寄せてくる。 「今、どんな感じ?」 妻に尋ねると、彼女は僕の指を持ち、ボールの位置を伝えてくれる。 「シュート!」「惜しい!外れた~」 周りの

    • 合理的配慮の義務化という非合理な話について〜視覚障害者が思うこと〜

      本日から、改正される障害者差別解消法の中で語られている「合理的配慮の提供が義務化」というのが、障害当事者の僕からみて「なんか非合理的だなぁ」と思ったので、この記事にまとめてみました。 因みに、僕の障害遍歴はこちら。 まず結論から言うと、合理的配慮じゃない配慮ってナニソレ?と思うのです。 わかりやすくするために、非合理的な配慮について考えてみましょう。 この際、まず言葉の定義から調べてみます。 不合理的:道理・理屈にあっていないこと。筋の通らないこと。 配慮:事情をふま

      • 視覚障害なんて関係ない

        先日、みえるかマガジンの目玉インタビュー企画でもある成澤俊輔さんとの対談でした。 成澤さんは大学生の時から社会的失明(文字や色がわからなくなる)を経験し、そこからベンチャー企業へ就職、就労支援の会社経営を8年行い、今では独立して60社以上の会社の顧問を行っている方です。 対談して思ったのは経歴よりも成澤さんの姿勢が最高だなと思ったのです。 成澤さんが大事にされている事は、やったことないことをやってみる。 なので、見えないのにキックボクシングやったり一人でアフリカに行っ

        • 今、一番恥ずかしいことを言います!

          それは… / プロデュースされたいと思っていることです!!! \ キャー恥ずかしい(//∇//) って事を准ちゃんと渚に伝えたら、普段の方がよっぽど恥ずかしいことしてんじゃんって言われました。ってか恥ずかしいことあったんだ、いつも目の前で屁こくやん。って。 そりゃオナラくらいするわ!ニンゲンダモノ。 じゃなくて!!笑 恥ずかしいからこそ言ってみる必要があると思ったのです。 因みに僕の言うプロデュースとは ①僕の強味と社会の交差点を理解し、 ②効果的な対象を明確に

          無限に理解することはできないわけで

          自分が障害の当事者になって 「◯◯という障害について理解を促す活動が大切だ」 という話をよく聞くようになった。 そういうのも確かに大切なのかもしれない。 ただ、人間としての素朴な感想は。 「いや、そんなに理解に時間もエネルギーもかけれんって」 と思うのです。 正直、僕は自分の視覚障害のことを 「理解してくれ!」なんて思ってません。 そもそも、僕が自分のこともろくに理解してないのにどうやって理解してもらえというのでしょうか。 もっと言うと、わかり合おうと思える気持

          無限に理解することはできないわけで

          「准ちゃんの笑顔が見れなくなる」

          徐々に進行する視野欠損の中で、僕はそれを最も恐れた。 好きな本が読めなくなる、できてた仕事ができなくなる、見えてた景色が見えなくなる。 綺麗な星空も、綺麗な海も、僕の世界からはその鮮やかさや美しさが失われていく感覚だった。 どうやったら見えなくなることから逃れられるか、必死で探して色々試して。 しかし今の医学ではどうしようもないことを知り、絶望した。 あまりにも心が苦しくて、少しでも安らげるよう目を閉じ、瞑想をし続けてみた。 続けている中でふと気づく。 息が吸える、

          「准ちゃんの笑顔が見れなくなる」

          【立春】今年の目標

          【2024年の目標】 一年の計は元旦にあり。 といいますが、立春に改めて家族で目標の再確認をしたので ここにも記載しておきます。 1.「みえるかマガジン」の発行 →いよいよネタ集めもほとんど完了し、編集う作業に突入中。果たして年度内にできるのか?!やり切ります! 発行した後に起こってくる出来事がきっと予想以上だろうと思うので、皆さんもお楽しみに! 2.「障害年金受給者」を卒業する。 →2023年は、自分の中にある「障害者」というう概念ととことん向き合い、「障害者=役立たず

          視覚障害を精神的に乗り越えるだけじゃ面白くない

          最近僕にとって視覚障害は 「精神的」には障害ではないことに気づいちゃいました。 見えても、見えなかったとしても 僕の人生のクオリティは下がることがないと現時点で確信しています。 だから、精神的な意味での 「視覚障害を乗り越えた話」は、 個人的にはひとまずの完了を迎えた感じがしてます。 #どういうことだよ そうなると、次の段階は 「社会的・経済的」な意味で 視覚障害を乗り越えていくこと。 こいつは面白そうだなと睨んでいます。 そもそも一年前、ハローワークに求人を見に行

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          【障害はどこにあるのか?】

          僕が「視覚障害者です」と言ってるのは、 半分合っていて、半分違うような気がしています。     一応、国から「視覚障害」ということで 障害者手帳を発行されているので 公的な観点では間違ってはないでしょう。   しかし、よく考えてみてほしいのです。 裸眼で、視力0.1以下の人と 左目の視野はほぼなし、 右目は中心視野がない。 文字情報はわからない僕。   何が違うんでしょうか?   どちらも、見えにくいという点では同じです。   ちなみに細川家では裸眼だと 僕のほうが結構わかり

          文字と別れて約1年。視覚障害者の僕が思うこと

          ■視覚障害者の経験と感謝 文字と別れて約1年、視覚障害者の僕が思うことということでお話ししていきます。 去年の10月24日に文字との別れが近づいているっていう配信をやっておりました。 もし気になる方はここから聞いてもらえたら嬉しいです(stand.fm) 「そっかー寂しかったよなー」って思い出しました。 1年経って今となってはですね、今は文字読めないんですが音声読み上げアプリとかですね、人が読んでくれたりするので、文字が読めないからって言って文字情報って言われて言葉が入

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          メタ認知をすると幸福になりやすい理由について考えてみた

          stand.fm投稿から メタ認知の定義と特徴  メタ認知っていうのは、客観的、俯瞰的に自分自身を認知するっていうことなんですよね。  例えばどういうことかっていうと、今僕がこうやって投稿をしている中で、投稿をしながら「メタ認知について皆さんに伝えたいと感じているんだな」みたいな感じに自分の思っていることをさらに認知をするっていう感じですね。  例えば、自分の心に文章みたいなのが浮いているとしたら、それを読むような感じです。自分自身を俯瞰してみるようなイメージで、いつも

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          【目は不自由になったが、心は自由になった。】

          <2023/9/20(水)> 九州国際高等学園さんで講話をしてきました。 九州国際高等学園さんにて「それでも誰かの役に立つ」というタイトルで講話の機会をいただき、プロのフォトグラファーで、今一緒に企画を進めている刑部信人(おさかべのぶと)さんと登壇してきました! まずは、企画を持ち込んでくれた刑部さん、企画を面白がってくれて取り入れてくれた福富先生、九州国際高等学園の学生の皆さん、関係者の皆さん、ありがとうございました! やっぱり僕は、相変わらず世界一運がいい男なんだな

          【目は不自由になったが、心は自由になった。】