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【台湾】九份で一番お勧めの茶芸館

九份には伝統的な茶芸館(ちゃげいかん)が軒を連ねます。茶芸館というのは、台湾茶が飲めるお茶屋さんのことです。お店の方がお茶の入れ方を解説しながら目の前で伝統的な作法に従いお茶を淹れ、お客さんがゆっくりお茶を飲みながらくつろげる空間です。

さて、僕の大好きな九份にも、茶芸館がたくさんあります。初めの頃は、ガイドブックに掲載されている有名茶芸館に行っていたのですが、ある日、偶然見つけた九份の外れにある不思議な茶芸館に行って以来、あまりに居心地が良く、そこにしか行けなくなってしまいました!(笑)九份にあるほぼすべての茶芸館に行ったことがありますが、その中で一番好きな茶芸館です。

窓からの景色を眺めながら、お茶を飲み、お菓子をつまみ、たわいもない話をしながらボーとしていると、時間を忘れうつらうつら、知らないうち2時間、3時間は軽く過ぎてしまうような場所です。

しかも、日本では数十冊は出ているであろう台湾のガイドブックのうち、まだ1冊でしか紹介されていない無名の茶芸館なんです。

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■街の外れにある無名の茶芸館

台湾に住み始めて間もない頃だったと思います。九份の街を散策してたら、相方が突然「このお店、見てみたい」と言い出したので、中に入ってみたら...

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陶器のお店でした。しばらく店内を見ていたら、相方がアロマオイルを入れる陶器製のペンダントが欲しいと言い出し、僕の反対にも関わらず、店員さんに使い方を聞き、即買いしてしまいました...(笑)

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お店の奥に階段があったので、店員さんに、上にも何かあるんですか?と聞いたら...実は、この方、オーナ夫人の郭さんでした。夫婦で陶芸家をしていて、1階では陶芸作品と茶葉を販売、2階は主に陶芸作品の展示スペース、3階は全体が喫茶スペースで、夫婦が作った茶器でのんびりとお茶を飲むことができるということでした。

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実は、元々、この日はガイドブックに載っている有名な茶芸館に行く予定でした。でも、ここの3階でもお茶を飲めると聞き、一応、どんな感じが見てみようということになりました。そしたら、予想以上に雰囲気がよくてビックリ!特に、窓から見える景色、窓から流れ込む心地よい風と山の香り、そして部屋全体のなんとも言えない優しい雰囲気に飲み込まれ、相方も僕も顔を見あわせ、暗黙の了解のようにうなずきました。

瞬時に、ガイドブックに載ってる有名店ではなく、無名の「山城創作坊」という陶芸屋でお茶を飲むことに決めました!

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■蜂蜜の香りがする金色の台湾烏龍茶 vs 日本で一般的な黒い中国産烏龍茶

メニューには6種類の烏龍茶があったのですが、初心者向きの阿里山烏龍茶をいただくことにしました。日本で中国産の烏龍茶しか飲んだことがなかった僕は、初めて飲んだ台湾の烏龍茶の味に衝撃を受けました...日本で飲む一般的な烏龍茶の色って、茶色か黒烏龍茶のようにドス黒い色をしていますが、台湾産の高山烏龍茶は黄緑から金色ががってて、蜂蜜や甘い花の香りがします。味は清々しく、今まで飲んできた烏龍茶っていったいなんだったんだろう、って話になりました。ドブ水とまでは言いませんが、それ以来、日本の烏龍茶を飲むと気持ち悪くなって、飲めなくなってしまいました...(笑)。

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僕は全く台湾茶のことを知らないと言ったら、オーナー夫人の郭青榕(カク・セイヨウ)さんが台湾茶の種類と産地のほか、発酵の度合いによりどんな種類の烏龍茶ができるかを丁寧に説明してくれました。

基本的に、お茶を注文するとオーナー夫人かスタッフの方が一緒に席について、台湾茶の作法や淹れ方を解説しながらお茶を淹れてくれます。ひと通り台湾茶の淹れ方がわかったら、あとは自分たちでお茶を淹れて楽しみます。

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正直、僕の語彙と表現力ではここのお茶の美味しさとか、雰囲気とか、うまく説明できないので、とにかく行って飲んで見てください!としか言いようがないのですが、すごく居心地が良くて落ち着く場所です。お茶を飲み、お菓子をつまみ、たわいもない話をして、ボーとしていると、時間を忘れ、うつらうつら、知らないうち2時間、3時間は軽く過ぎてしまいます。心の中が空(くう)に吸い込まれていくような感じです。

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プライベートと仕事(通訳、案内)を含め、今まで30回以上は山城創作坊に行ったと思います。台湾に住んでた頃、家族、友人が台湾に遊びに来るたびにガイドブックに載ってる有名茶芸館に行きたいと言うのですが、無視して有無を言わせず山城創作坊に連れて行ってました(笑)。今では行くたびに、郭さんから「お母さんにお土産です」ってお茶や茶菓子をもらいます...本当、親切で優しい方なんです。

■猫好きの夫婦

ちなみに、女主人の郭青榕(カク・セイヨウ)さんは、やわらか、ほんわか、ふんわりした雰囲気の方です。かなりの猫好きで、猫をテーマに、さまざまな陶芸作品を作ってます。一方、旦那さんは店頭に立たれることはほとんどないのですが、いつもニコニコしている方で、お茶碗、茶器、花瓶など、かなり渋い作品を作っています。もちろん店内で使用される茶器やお部屋に置いてある置物も全て夫婦の作品です。お二人とも台湾中で展覧会を開くほどのすごい芸術家なんです。奥さんの方は猫好きのお客さんの頼みで、カスタムメイドで、猫をテーマとしたさまざまな陶器も製作してくれるそうです。

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■中国語と日本語の対訳メニュー

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■お勧めのお茶

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メニューに載ってるお茶を全種類飲んだことがありますが、味、香り、コスパを考えると、阿里山烏龍茶(アリサンウーロン茶)が一番だと思います。特に初めて台湾茶を飲む方にお勧めです。

次に好きなのが、北埔東方美人茶です。白い産毛(白毫)が生えた茶葉が多く混じっている最高グレードの烏龍茶です。阿里山烏龍茶よりも発酵が進んでいるため、色は茶色に近く、お茶なのに蜂蜜や甘い花の香りがします!初めてその匂いを嗅いだ時は正直ビックリしました!

メニューには、そのほかいろんなお茶とお茶請けが載っていますが、詳しい事は、次回(Part 2)で説明しますね。

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■所要時間

僕は友人や家族と行くと最低でも2時間はいます。3〜4時間いることも多いです。初めて連れて行く人は、みんなそんなに長い時間いても飽きるだろうし、1時間でさっと切り上げてショッピングしたい、と言う人も多いんですが、そういう人でも一旦山城創作坊のなかに入ると時間を忘れてしまい、みんな口々に「え、もうこんな時間なの!」っと慌てふためくことが多いです!結局3時間以上も居座りタクシードライバーさんとの待ち合わせの時間に間に合わない人を何度も見てます(笑)。ですので、山城創作坊に行くときは時間に余裕をもって行った方がいいと思います。

■お勧めのお土産

ちなみに、気に入った茶葉があったら、一階で販売しているのでお土産に買うこともできます。買う前に試飲したいお茶があったら自由に試飲もできます。僕はこれまでに一度に6種類も試飲したことがあります。友人や家族を連れて行くと、決まって無農薬栽培の東方美人茶をたくさん買って帰ります!

■行き方

実は山城創作坊は九份の市街地からちょっと外れにあり、しかも、途中、ガイドブックに載ってる有名な茶芸館がたくさんあるので、山城創作坊に到達する前にリタイアしてしまう観光客が多いんです〜(笑)。しかも、外観だけ見たら陶器のお店だし、看板にも茶芸館って言葉が書いてないから、初めて行く方は店の前を通っても気づかないことが多いんです。

九份の街は、メインストリートは1本しかありませんが、かなり曲がりくねっていて、途中何本も脇道があります。とりあえず、九份の街の入り口から脇道にそれずにメインストリートに沿って進むと、下の写真のようなフォトスポットがあります。早朝以外の時間に行くと、記念写真を撮る人でごった返しています。

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とりあえずここに到達したら、まずは記念写真なり風景写真を一枚とりましょう〜!(笑)

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次に、この景色を正面に、左側に一本道があります。そこをまっすぐ進んで行くと、1分以内に左手に山城創作坊が見えます。目立たないお店なので、じっくり左側を意識して歩いてください。どうしても見つからなかったら、適当にどっかのお店の店員さんに、下に書いた店名と住所を見せてください。台湾人はすごく親切なので、絶対にわかるまで案内してくれるはずです!

■お勧めの時間帯

行く時間帯ですが、お勧めは、平日の早朝10時に開店と同時に入るか、夕方17:00以降です。日中は、九份の街に日本、香港、中国などから来たツアー客でごった返しかなり歩きにくいし、お店も混み合っている場合が多いです。

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夜20時まで営業しています。運良ければ、看板猫ちゃんに会えますよ!

■住所、電話番号、営業時間、定休日

九份山城創作坊
地址:新北市瑞芳區基山街193號
電話:02-2496-0340
営業時間:10時00分~20時00分
定休日:水曜日
※席数は多くないので、前もって予約することをお勧めします。

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