見出し画像

10.細胞レベルで起きている火事

こんばんは!がっきーです!

今回はアンチエイジングを食事で取り入れる前に

ヒトの体で細胞レベルで起きている火事

”炎症”についてみていきます。


前回のおさらい

・栄養のアンバランスでメンタルが打たれ弱くなってしまう

・メンタルと脳機能まで効く地中海式料理と

 それをモチーフにしたSMILESという食事法

ことについてお話ししていきました。

まだ読んでいない方はぜひ

こちらをチェックしてみてください。



炎症とは

まずは炎症について

ザッと箇条書きします。

・文明病(生活習慣病)を引き起こす要素の一つ

・ヒトの細胞レベルで起きる火事のようなもの

・長寿な人の共通点は体の炎症レベルが低い

・炎症が長引くと全身の機能が低下する

・炎症反応は体が何らかのダメージを

 受けた時に起きる

こう言われるとなんだか体で

炎症が起こってしまっては

いけないように聞こえますが、

炎症とは有害な刺激を取り除こうと、

免疫システムが起動し

怪我を修復するために働き出すものです。


進化の過程で人体に備わった

炎症そのものは、

進化の過程で人体に備わった

防御システムであり、

生きていく過程では

絶対に欠かせないものなのです。

大事なのは、

炎症が体の表面だけに起きる現象ではない

ということです。

関節炎は肘、膝の炎症で起きた痛み

アレルギーは外から入ってきた

異物に免疫システムが、

過剰に反応し目の充血や鼻詰まりといった

炎症反応が起きた状態です。

炎症によるパフォーマンス低下の例で、

1番身近なのは風邪です。

免疫システムがウイルスと戦い続け

発熱や鼻水などの諸症状を引き起こし

脳が正しく機能しなくなります。



現代人の機能低下はわかりにくい

ところが、現代人のパフォーマンス低下は

もっとわかりにくい形で引き起こります。

風邪のように熱で一気にかたを付けるのではなく

トロ火でじわじわと全身を煮込むような形で進行する

人体を守るために免疫システムが激しい戦いを

繰り広げるせいで血管や細胞といった周辺組織にまで

ダメージがおよびやがて全身の機能が下がっていくんです。

隣の火事が火移りして辺り一体を焼け野原にしてしまうんです。



内臓脂肪が減らない限り体は燃え続ける

内臓脂肪…肝臓や腸といった臓器の周りに
     こびりつく体内脂肪

人体にとって内臓脂肪は異物でしかありません

そのため内臓脂肪が増えると免疫システムを

動かし始め脂肪細胞が分泌する炎症性物質が

臓器に炎症を引き起こします。

しかし、いくら免疫システムが頑張っても

内臓脂肪ばかりはどうにもならないのです

体脂肪を落とすには食事やカロリーで減らすしかありません。

内臓脂肪が減らない限り

体は燃え続け炎症物質で、

傷ついた血管や細胞が動脈硬化や

脳卒中の引き金になる、

これがメタボリックシンドロームの

発症プロセスです。

このタイプの炎症は、

ハッキリとした自覚症状がありません

何だか調子が悪いや

よく寝たはずなのになぜか疲れてる。。

といったレベルの謎の体調不良として

認識されることが多いです。


慢性炎症は脳にも激しいダメージを及ぼす

その代表的な例はうつ病です。

近年は、うつ病の炎症レベルが注目されています。

人体が何らかのダメージを受けると

サイトカインという

炎症性の物質が分泌され脳の機能に影響を与える

という考え方です。

現時点でかなり精度の高い仮説になっています。


狩猟採集民族の炎症

狩猟採集民族にも炎症はあります。

彼らは、外傷や感染による短中期的な炎症がメインです。

激しい発熱や嘔吐など

周囲から見てすぐわかるような症状が出るのが特徴です



現代の日本人の炎症

そして、私たち現代の日本人はというと、

体内で延々とくすぶる長期的な炎症がメインであり、

誰にもわかるような炎症は表には出ず、

少しずつ不調が進行していきます。



複雑な問題をシンプルにするフレームワーク

基本的に狩猟採集民族と私たちでは人種が違っても

遺伝子的には大差はないのに、体の炎症レベルが高いのか?

原因は何なのか?

ここで役に立つのがハーバード大学古代人物学者

ダニエル・リバーマン氏が提唱したフレームワークです。

古代と現代のミスマッチが起こるパターンを3つの枠組みで

捉えています。


1.多すぎる

古代には少なかったものが現代では豊富すぎるものです。

例: カロリー

600万年の歴史の中でカロリーが足りない環境に

適応するために進化してきました。

そのため低カロリーには対応できるが

高カロリーはうまく処理できないのです。

2.少なすぎる

古代では豊富だったが、現代では少なすぎるものです。

例: 睡眠

現代人は質、量ともに悪化し続けています

平均睡眠時間が7-9時間を逸脱してしまうと

体内の炎症マーカーが激増します。

夜中に何度も目が覚めてしまう場合も増えてしまいます。

3.新しすぎる

古来には存在しなかったものです。

例: トランス脂肪酸、孤独

トランス脂肪酸…植物油に水素を付加して作られた
        人工の油

総摂取カロリーの1%をトランス脂肪酸にするでけで

悪玉コレステロールが激増。

トランス脂肪酸は肝臓の働きを乱します。

大半のコレステロールは脂質、糖質、タンパク質を元に

肝臓で作られるがトランス脂肪酸は人体にとって

新しすぎるため材料として上手く使えず

悪玉コレステロールが製造されてしまいます。

孤独感はタバコや肥満と同じくらい

全身に炎症を起こし早死のリスクを高めます。

26%も上昇してしまいます。

また、私たちの脳には人間関係が希薄な環境に適応するための

システムが備わっていません

そのため孤独も新しすぎる脅威として抵抗を始め、

免疫システムを過剰に働かせた結果

全身は炎に包まれてしまいます。


逆手に取る

放っておけば、体内の炎症は暴走を続けるばかりです

難問ですが、ここでもやはり腸内環境を整えることと

食生活の改善は欠かせません

しかし、アンチエイジングの観点からみると

この炎症を逆手の取って、体の本来の機能を呼び戻し

若返ることに活用できるんです

次回は、8本柱を建てるときの基本である

”苦痛と回復のフェーズ”

ホルミシスから始めていきます。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。


いいなと思ったら応援しよう!

がっきー
よろしければサポートよろしくお願い致します。頂いたサポートで他にも様々な情報発信できるよう頑張ります!

この記事が参加している募集