【2024年12月】最近読んだ本の紹介
今年も残すところ、あと数日。追い込みとばかりに今月はたくさん読了を重ねております😉
今回ご紹介する本は6冊。
統一感のないラインナップですが、これだけジャンルがばらついている方が飽きないし、並行読書が進むことを実感しました✨
それでは、ご覧ください。
📖千葉雅也 『動きすぎてはいけない ジル・ドゥルーズと生成変化の哲学』 河出文庫
何とも言えない含みのあるタイトル。だからこそ期待してしまうのです。「この本には一体何が書いてあるんだろう?」と🤔
ドゥルーズといえば、國分功一郎さんの『暇と退屈の倫理学』の結論でも言及されていた思想家であり、「待ち構える」という彼の人生観が私にはとても深く刺さりました。
『動きすぎてはいけない』は、千葉雅也さんの博士論文を改稿して出版されたというだけあって、求められる基礎知識のレベルの高さや、難解な表現の連続で、読みきるにはそれなりの忍耐が必要でした。。。
1回読んだだけでは断じて理解したとは言えませんが、千葉さんがドゥルーズを独自の視点で読み解き、過剰につながろうとするだけではなく、非意味的に切断する(動きすぎない)ことも必要だよと言ってくれることで、気持ちが救われる人もきっと多くいると思います。
『現代思想入門』や『勉強の哲学』では、わかりやすい表現で、私たちを楽しく哲学の世界に引きずり込んでくれた千葉雅也さん。
彼の真髄を感じるにはうってつけの一冊ではないでしょうか。ぜひ挑戦してみてください🌟
📖苫野一徳 『教育の力』 講談社現代新書
「公教育をあきらめてしまってませんか?」
実際私もそうでした。
苫野一徳さんは、そんな私たちに強烈な投げかけをしてくれています。
いまわたしたちが目指すべき教育とは何か。
いまその答えに一番接近しているのが、苫野一徳さんではないしょうか。
『「学校」をつくり直す』でその考え方に衝撃を受け、苫野さんの著書を遡るかたちで手に取ったのがこちらの本です。
タイトルに込められているように、教育にはとても大きな力があると苫野さんは訴えます。
その主張はとても筋の通ったものだと感じますし、苫野さんのすごいところは、その考え方がヘーゲルなど近代哲学に立脚しているということです。
哲学だけを語るのも野暮ですが、哲学を現場に実装しようとする姿勢からは、他分野でも学ぶことがあるはずです。
苫野さんの著作探訪はまだまだ続きます🫡
📖竹田青嗣 『「自分」を生きるための思想入門』 ちくま文庫
古本屋さんでの掘り出し物でしたが、これは名著✨
優しい語り口で、本質をズバッと射抜いてくれます。
そもそも不安の源泉は死と他者である。
あのブッダも「生きることがそもそも苦である」と言っていますが、私たち人間はどうにかその苦を取り除きたいと思うもの。
死と他者はどう頑張っても知ることができないので、やっぱり苦しいわけですね。
ただ、生が有限であり、知らないからこそ欲望が生まれてくるわけです。
欲望は時に暴れ出したりもしますが、うまく付き合っていけば生を充実させてもくれる。
自分とうまく付き合うために、人は本を読むのだと改めて認識させてくれました☺️
自分というあいまいな存在に苦しんでいる時にぜひ手に取ってみて欲しい一冊です。
📖夏川草介 『本を守ろうとする猫の話』 小学館文庫
『始まりの木』を読んで、個人的に注目度が増した小説家、夏川草介さん。
そんな彼の著作で、「本を守る」とタイトルがついてるからには、読まずにはいられないでしょう📖
読み出したら、もう・・・本を愛する気持ちがじわじわと込み上げてくる🥺
本の現状を憂いた物語や、本の可能性を信じる言葉の数々は、おのずと「自分はなぜ本が好きなのか?」について答え合わせをしているような気分になりました。
そして、この本のおかげで、「自分は本を友達のように思っていたんだ」と気づかせてもらいました。
本好きの心を静かに燃やしてくれる、そんな一冊です。
📖苫野一徳 『勉強するのは何のため? 僕らの「答え」のつくり方』 日本評論社
私は自分の人生で、40過ぎた今が一番勉強したいという欲求が強いです。
きっかけはコロナでした。
あの異常なコロナ禍において、自らもコロナに罹ったとき、なすすべもなく隔離され、不安に陥り、不確実な情報に踊らされました。
私はその時についに思ってしまいました。
「ちゃんと学ばないといつまで経っても自由になれないな」と。
世間に惑わされず、自分で生き方を決める。
そのためには、あまりにも知らないことが多すぎたのです。
それから本との付き合い方も変わり、学びを軸に据えるようになりました。
この本でも勉強する理由は「自由に生きるため」と書いてあります。
おそらくそれを実感するタイミングは人それぞれだと思いますが、それに気づいた人は、勉強や学びの意味をしっかり伝えていく責任があるはず。
あなたが学びたくなった時に、この本はきっと味方になってくれる一冊だと思いますよ🌟
📖石井光太郎 『会社という迷宮 経営者の眠れぬ夜のために』 ダイヤモンド社
以前参加していた読書会で、参加者の1人が課題本そっちのけで夢中になって読んでいると言っていたのが、この『会社という迷宮』です。
会社員でもないので、「読んでもあれかなぁ」と思っていましたが、あの楠木健さんが、この本をイチオシしていた記事を読み、購入の一押しになりました😁
読んでみると、「会社」に持つイメージが丁寧に壊され、いかに現代人が凝り固まった観念に囚われているかを痛感します。
できないことをできるようにするのが「会社」であるという根本に立ち返った上で、いかに自分の「分」を認識して、ユニークな挑戦をするのか。
著者の、ちょっと硬派だけど、ロマンに溢れた筆致が、ことごとく読み手の眠った志を揺さぶってきます。
「会社員向いてないなぁ」と思ったら、とりあえず会社を辞める前にこちらの本を読むことをオススメします🌟
あと個人的にこの装丁、好きです。
以上、心から良書だと感じられる6冊を紹介しました。
読んだ本はインスタやThreadsでタイムリーに紹介しているので、もし興味ある方はぜひフォローしてください😁
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お正月も読書に明け暮れたいと思いますので、また次回の投稿もお楽しみに!