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マルガスキーカンパニー

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脳内社員たちによって綴られた、2019年冬から春までの記録です。
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#タラバミント

「コンとロール 〜巻きタバコ〜」

「コンとロール 〜ロールケーキ〜」

日報    4月17日    おいしい冷やし中華の食べ方

記入者 :タラバミント 今日は「夏日」という予報だった。 予報は的中した。 窓から差し込む日差しに、 みるみる社内の温度は上昇していく。 気晴らしに、会社の敷地の雑草抜きをしてみた。 さすが夏日。暑さと汗でへろへろになった。 そのせいだろうか。 僕は午後に入ってから体調を崩してしまった。 パソコン仕事も手につかず、 初めて早退をすることにした。 家のソファでぐったりしていると、 半袖短パン姿のパン父ジュニアがやって来た。 「具合悪そうね」 「うん。でも腹は減って

日報 4月14日 狩りに行かなくなったので、僕は人生に挑戦することにした。

記入者:タラバミント 僕の周りにいる男友達には、車好きが多い。 僕も車は好きだけど、 彼らの車への情熱は僕のそれとは比べ物にならない。 車にそこまでの興味がない男友達もいる。 彼らが情熱を注ぐのは、戦いである。 世にはびこる悪を倒すべく、 彼らは日夜戦い続け、世界の平和を守っている。 車好きの男友達の一人は言う。 「昔は馬が交通の手段や仕事をする上で大切な存在だったろう?  誰だって、自分にとっての名馬を持ちたいと思うだろうさ。  それが現代になると、車が交通の手

日報 4月11日 お楽しみモードの無限

記入者:タラバミント 今日は、僕の「お楽しみモード」について話すこととする。 例えば僕は、 今年のお花見は各地でどのように過ごそうかと想像する。 旭川では、 常盤公園をくるくる歩いて、 ボート乗り場に集まるハトを眺めては休憩し、 それからだるまやのバナナ焼きを買って、その場で一本食べる。 札幌では、 お気に入りのパン屋で焼きたてのバターたっぷりのパンを買い、 札幌図書館の裏の広場にあるベンチでバターが温かいうちに食べ、 市電に乗って気になる駅で降り、ゆらゆら街をさまよ

日報    4月8日    ハッピーな思考の停滞

記入者: タラバミント 今日は一日ハッピーすぎた。 ここで言うハッピーは、 「超楽しい〜!」みたいな感じじゃない。 日向ぼっこが気持ちよくて、 思考が停滞してしまうようなハッピーだ。 よって、今日は日報に特記すべき物事がない。 小さな気づきすらないのだ。万事オーケー。 何がハッピーって、一日中、 見たい世界が目の前に広がり続けたんだよ。 触れ合う人はみんな穏やかで、柔らかい芯があって、 温かくて、気さくで、それでいて人間クサかった。 天気も最高だった。 青空が清

日報 4月5日 当人が満足なら良いことだ

記入者:タラバミント 胸の中に住んでいるものを、 僕はたまに表に出してやる。 胸の中にいるやつらは、みんな湿っているんだ。 冷や汗かいてるやつ、寂しい思いをしてるやつ、 悲しみにくれてるやつ、痛みに耐えようとしてるやつ、 キザなやつ、過去をふりかえってるやつ、 物事を後回しにしてるやつ、そして、 好きな人やモノに思いを馳せてるやつ。 人間生活を営んでいれば、 はじめは一部分だった湿っぽさも、あっという間に胸全域に広がる。 まさに雨季。ジメジメパラダイスだ。 曇天が一

日報 4月2日 衝動と、森の果実。

記入者:タラバミント 僕は計画的な人間だと思っていた。 計画を立てるのが大好きだからだ。 旅に出るときなんか、 1ヶ月くらい前から荷造りやら行き先やらを考える。 しかし、計画を立てるのが好きだからと言って、 計画的な人間だとは限らない。 僕の人生はむしろ、無計画に進行中だからだ。 例えばとある朝、 「会社の壁に絵を描いたら素敵だろう。絶対描こう」と思ったとする。 僕はそういう衝動が訪れると、 目的達成のために身体が苦もなく動く。 近所のホームセンターでペンキを調

日報    3月30日    戦う前におしゃべりしよう

記入者:タラバミント 今この瞬間に、どれくらいの人が喧嘩をしているだろう。 僕は数えられないほど喧嘩をしてきた。 相手の言い分を押し付けられてイカッたこともあるし、 反対に理不尽なことを相手にしてしまったこともある。 喧嘩の最中に、「仲直りしたい」と思うことのほうが多かった。 こんなこと、したくてしてるんじゃない。 こんな酷いこと、言いたくて言ってるんじゃない。 そう思ってももう遅くて、 からだは言うことをきかなくなってしまっている。 たとえ身体を傷つけ合わずと

日報 3月27日 季節と天気が逆だったら

記入者:タラバミント アスファルトを踏みしめながら電話で友人と話していると、 小粒の雪が降り始めた。 さっきまでは温かな日差しだったのに、 見上げる空には厚い雲がかかっていた。 言うなれば、今日の天気は「春ときどき冬」だ。 近頃はそんな日が多い。 そこで、もしも「季節」と「天気」の性質が入れ替わったら、 どうなるだろうかと考えてみた。 天気の種類は“春夏秋冬”の四種類。 テレビのお天気アナウンサーはこう言う。 「今日は全国的に秋です。  午後から、ところどころ早

日報 3月24日 月曜日こそ、憂鬱だろう

記入者:タラバミント 時の流れに「平成」と名前がついて、31年が経った。 「昭和」から「平成」に変わるとき、 人の心にどんな変化があっただろうか。 「平成がそろそろ終わる」というムードがあって、 平成生まれの人はついにノスタルジーを感じるんだろうか。 僕は平成元年に生まれた。 生まれた年号の話題になると、 「なんと!キミは平成生まれか!」 と、必要以上に驚かれる。 僕はその度に思う。 たった数ヶ月、数年の差じゃないか。 あなた方にもこの世に生まれた日があるだろう

日報 3月21日 ノスタルジータウン

記入者:タラバミント 今日は最近オープンした町のクレープ屋へ、 パン父ジュニアと連れ立って出かけた。 店の扉を開けると、 子どもが二人、店内のテーブルでカードゲームをしていた。 駄菓子も売っていて、老若男女の出入りがあった。 どこかで見たような風景に、 なんだか懐かしい気持ちになった。 パン父ジュニアはバナナチョコを、 僕はバナナイチゴチョコを注文した。 ほどなくしてクレープが出来上がった。 少し店員さんと立ち話をしてから、僕らは店を出た。 僕らが店を出るとき、入

日報 3月18日 近所の酒屋で音楽の話を

記入者:タラバミント 休憩時間に吉澤商店へ行った。 喉が渇いたのと、 ちょっと誰かに会いたくなって。 会社から徒歩30秒ほどのところにある酒屋さんで、 瓶ビールからウイスキー、マッコリ、果実酒まで、 様々なお酒が棚と冷蔵庫に並んでいる。 缶ビールは6缶入りが売っている。 1缶だけ買いたい時は、6缶入りのケースから1缶だけ抜き取る式。 人の出入りを感じる優しい冷蔵庫だなぁと思った。 吉澤さんはいい人だ。 彼を表現するうまい形容の言葉が他にあるんだろうけど、 吉澤さ

日報 3月15日 偶然会って「じゃあ飯でも」

記入者:タラバミント 「今夜は映画を見たい」と、パン父ジュニアが言った。 今日はパン父ジュニアの仕事の付き合いで、 富良野の町まで出て来ていた。 我が社の近所には、DVDのレンタルショップがない。 DVDを借りて見ようと思ったら、 往復50分をかけ、富良野のレンタルショップまで車を走らせる。 そんなことで、 「せっかく富良野に来たから、今日はDVDを借りなきゃ」 というパン父ジュニアの強い言い分もわかる。 こちらも付き合うことにした。 レンタルショップに入るやいな