日報 3月27日 季節と天気が逆だったら
記入者:タラバミント
アスファルトを踏みしめながら電話で友人と話していると、
小粒の雪が降り始めた。
さっきまでは温かな日差しだったのに、
見上げる空には厚い雲がかかっていた。
言うなれば、今日の天気は「春ときどき冬」だ。
近頃はそんな日が多い。
そこで、もしも「季節」と「天気」の性質が入れ替わったら、
どうなるだろうかと考えてみた。
天気の種類は“春夏秋冬”の四種類。
テレビのお天気アナウンサーはこう言う。
「今日は全国的に秋です。
午後から、ところどころ早春に見舞われるでしょう」
「明日の天気は、夏です。
せっかちな冬が上陸するところもあるでしょう。
隙間があるお宅は、穴を塞いで冬の吹き込みに備えましょう」
「一週間の天気予報です。
週の初めは冬、週末にかけては夏。
一日の平均気温差は、40℃でしょう」
温度差が激しいので、
人間は変温動物に近づいていく。
大げさな衣替えをすることがなくなり、
たくさんの洋服を持たなくなる。
家のクローゼットには、
お気に入りの衣服と、外仕事用の汚れても良い服なんかが、
各種、数枚ずつかかっている。
季節は“晴れ、曇り、雨、雪”など。
曇りの季節は、丸々一週間、雷に見舞われることもある。
外出できないので、会社も自宅勤務、学校も自宅勉強。
おのおの過ごしやすいように、
部屋を暖かくしたり手元灯を設置したりする。
そしてここぞとばかりに好きに仕事し、好きに勉強する。
雷が落ちることがわかっているので、
そのエネルギーをキャッチできる仕組みもできている。
キャッチしたら、家庭のコンセントに流せる電力にしておく。
ほとんど外に出られないけれど、
自分の満足感を貯めたり、電気を貯めるにはもってこいの季節だ。
ちょっと極端な妄想だったな。でも、
これくらい極端になって物事に思いを馳せてみると、
まったく新しいアイディアが浮かんでくるかもしれない。
明日は、どんな季節と天気がやって来るだろう…………?