日報 4月14日 狩りに行かなくなったので、僕は人生に挑戦することにした。
記入者:タラバミント
僕の周りにいる男友達には、車好きが多い。
僕も車は好きだけど、
彼らの車への情熱は僕のそれとは比べ物にならない。
車にそこまでの興味がない男友達もいる。
彼らが情熱を注ぐのは、戦いである。
世にはびこる悪を倒すべく、
彼らは日夜戦い続け、世界の平和を守っている。
車好きの男友達の一人は言う。
「昔は馬が交通の手段や仕事をする上で大切な存在だったろう?
誰だって、自分にとっての名馬を持ちたいと思うだろうさ。
それが現代になると、車が交通の手段としてとって変わった。
稼働するもの、働くものとしての馬の名残から、
男は車に憧れを抱くんじゃないのかなぁ」
僕は、そういう目や感覚で車を見たことがなかった。
だから友人の解説はとても新鮮で、
納得のいくものだった。
戦い好きの男友達の知り合いはこう言う。
「スーパーに行ったら、狩りはしないだろう?
お金と交換で、肉や魚が手に入るんだよ。
危険と隣り合わせで生きてきたDNAが、
今の世の中じゃ物足りなくて、うずうずしてる。
だから力の試しどころを求めて、
日常の中に戦いを求めるんじゃないの?」
僕は、基本的に人やモノと戦いたくない。
戦いは勝ち負けを作るから好きじゃない。
と思いつつも、
僕はすでにこの命をかけた人生を20数年も続けている。
人生が「命をかけた戦い」であるとすれば、
人生は「命をかけた挑戦」でもあるだろう。
狩りに行かなくなったので、
改めて、僕は自分の人生に挑戦することにした。
戦って、挑戦して、
それで死にそうになったら、死なないようにする。
僕はまだまだ生きて、
自分の命をかけた挑戦をしこしこ続けたい。
たった一頭の名馬と共に、
この人生を駆け抜けていけたらそれで十分だ。