maple

福岡在住ライター/男の子2人の母/暮らしや子育て、絵本、ハンドメイドに関する執筆のお仕事を希望しています。 身の回りのことをのびのび書いてみる、の実験中です。読み心地のいい文章を書けるようになりたいなと思いながら綴ります。

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ビールは読んでも美味と知る秋

ビールって、読んでもおいしいのか! わかるわかる、とうなずきながら読むビール。 時々目をつぶって浮かぶ情景を味わいながら読むビール。 おつまみのためのフライパンが温まるのを待つあいだに読むビール。 『アンソロジー ビール (PARCO出版)』には、何人もの作家たちが書いたビールにまつわるエピソードが41話注がれている。 阿川佐和子さん、角田光代さん、星新一氏や遠藤周作氏、中には赤塚不二夫の天才バカボンの漫画まで。 私と夫が、よく行くお酒屋さんがある。 そのお店の一角、雑貨

    • 『その世とこの世』とこの夜のこと

      詩人の谷川俊太郎さんとライターのブレイディみかこさん。ふたりのお手紙交換が一冊になった『その世とこの世』。 中に、おばけと幽霊についてのくだりがある。 それがとってもかわいい解釈で、読みながらにこにこしてしまった。 ハロウィンの夜なので、ここに召喚してみたい。 英国ブライトン在住のブレイディみかこさんが と綴り、そのあと と続ける。 とも。 幽霊って、私の中ではこれまで、かげろうのようなイメージがあった。その幽霊に向かって、元気だとかエネルギーだとか持久力と評して

      • りんごあめなら袋はキティ

        私たち家族はよくお祭りに出かける。 お祭り=夏のイメージがあるけれど、放生会など秋に開催されるものも意外と多い。 情報を見かけてはカレンダーに書き込んでおいて、いそいそとでかける。 でも、基本歩くだけ。 豪華景品がでかでかと展示され、実際に当たるのはシール1枚だったりするキャラクターくじを眺め、「おぉ今年はこのキャラクターかぁ」と流行りを確認する。 ずらずらと並ぶお面を見ては「最近この立体のキツネ多いね~古風なのが人気なのかしら」と考察もする。 「はしまきが、今こんな値段だ

        • もしもし今日はお休みいたします

          7月1日は私たち姉妹が学校を休むと決まっている日だった。 小学校高学年から中学校にかけて。 その日になると、朝、母が学校に欠席の電話連絡をする。 25~30年ほど前のことなので、今の学校のようにオンラインでの欠席連絡のシステムなどない。クラス替えの度にクラス全員分の固定電話の番号一覧がプリントにして配られていた時代。 「もしもし、〇年〇組の△△ですけど。」 2歳差の姉妹のため、同じ学校に通っていた時期が長いけれど、いつかの年はどういうわけか、小学校に2回電話をかけ、姉妹分

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        ビールは読んでも美味と知る秋

          終わったのは夏だけ

          こどもたちの夏休みが終わった。 私はライティングなど在宅でお仕事している主婦で、小学4年生と幼稚園年中さんの2人の男の子(そして40歳の男の子)と暮らしている。 夏休みに入る前、私が作った『こどもたちとやりたいことリスト』はこちら。 一緒に料理をする 一緒におやつを作る 一緒に工作する 色のきれいな飲み物にクリームを浮かべて飲む 一緒にミシンで布小物を作る 部屋を片付けて子供部屋をすてきにする 科学の実験をする 家事を教えてできることはやってもらう 毎日

          終わったのは夏だけ

          デザインはこころに効くと思うから

          今回の内容には、本で出会った、ある病に関する内容が登場します。 今はそういった出来事に触れることが苦しい、というふうに感じる方は無理に読み進めずにご自身のお気持ちを大事にしてください。 この本を手に取ったきっかけが何だったのか、今はもう覚えていない。 『デザイン』と『がん』というキーワードが並んでいることに、 どういうことだろうと引き込まれてしまったのか。 はたまた魅力的な本の装丁にフラフラと引き寄せられてしまったのか。 図書館の本棚から、初めて本を引き抜いたきっかけ

          デザインはこころに効くと思うから

          水玉ズでもしましまズでもなくチェッカーズがすきなんだ

          告白する。 チェッカーズが好きです。 『ギザギザハートの子守歌』『涙のリクエスト』のチェッカーズ。 昭和の懐メロが好きなことを、秘めたり ちょこ出ししたりしながら生きてきて早40年。 もはや私の平成青春ソングさえ、メディアでは懐メロ扱い。 9歳下の夫側の妹(90年代生まれ)が 吹奏楽部でサックスをしていたというので チェッカーズの藤井弟やん!と言ったら 「えっと…世代じゃなくって、、わからなくってすみません」と言われた。 私だって世代ではないよ! なんだかややこしいで

          水玉ズでもしましまズでもなくチェッカーズがすきなんだ

          「to U」to you

          「募金、参加する。応援する。やろう」 即決だった。 小4の息子の言葉。 とあるクラウドファンディングの存在を話して聞かせた時のこと。 ライターのさとゆみさんが運営する「CORECOLOR(コレカラ)」というメディアの特集で、能登の地震で被災された方々を取材したシリーズがある。 七尾市のこども園「ひまわり」の園長さんのインタビュー記事を読んだ。 こども園復旧のためのクラウドファンディングの存在を知る。 私も参加しようかな、 やったことないけど。 そう思った矢先。 私の中に

          「to U」to you

          心に成瀬を 

          現代のヒーローは 仮面も着けず、バイクにも乗らず、 赤にも青にも黄にも色分けされていないのかもしれない。 2024年に本屋大賞を受賞した「成瀬は天下を取りに行く」、 続編の「成瀬は信じた道を行く」(宮島未奈・新潮社)を読んだ。 物語の中心は成瀬あかり。 中学二年生の時点から話は始まる。 いつも基本、無表情。 正々堂々。威風堂々。冷静沈着。 「(中略)極めようと思うんだ。」 「(中略)かと思ってしまった、申し訳ない。」 「(中略)どこに惹かれたのか教えてくれないか。」など

          心に成瀬を 

          あかるい花束のゆくえ

          あぁ私が、最初にこの本のすてきさを見つけた人になりたかった! 謎のジェラシーを感じている。 図書館でたまたま出会い、違う図書館でも見かけ、話題作なのだと知った。 『あかるい花束』という岡本真帆さんの短歌集。 「わ、これはずるい」 本のサイズ、厚さ、重さが、もうずるい。 宝物になるために作られたような佇まい。   手に取った時点で、 中身を読む前から、ときめいていた。 「どうか、好きな本でありますように」 好きな中身じゃないと困る、と思うくらいに本そのものにときめいた

          あかるい花束のゆくえ

          一日分のアイラービュー

          寝る前に「アイラービュー!」と伝えるようにしている。 できるだけポップに。 だけど、まるごとぎゅっと抱きしめるつもりで。 こどもが泣きながら眠りに付くのが苦手だ。 こどもにとって、いやなこと、かなしいことがあって、それが解消されないまま、泣き疲れて眠る。 それが嫌だ。 たとえ、こちらがこどもを叱ったことが原因で泣いていたとしても。 まだ親のほうが許す気持ちになれていないような時でも。 失意のまま、不快感を抱えてこどもが寝るのが嫌なのだ。 そうやって眠った中で、見る夢はどん

          一日分のアイラービュー

          頑固にギフト

          母の日と父の日、時期を逆にすることはできませんか? カレンダーを見ながら、誰に向けてか問いかけている。 そしたら、存分にお手本を見せつけてあげられるのに。 ほら、感謝ってこーんなふうに伝えることができるよ~というふうに。 母になって10年になるけれど、我が家においての母の日の存在は薄い。 旅行に行ったことがある国の、創立記念日くらいか。 ある国に旅行に行った思い出の、その年月日くらいか。 子どもが小さいうちの、母の日のありようはパパの手腕次第と聞く。 夫は、母の日とい

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          空が消える日

          我が家から空が消える。 その日が近づいている。 ずっとレンタル畑だった、我が家の裏手の空地が売られてしまった。 そこにはこれから建売住宅が建つ。 * 「これ食べる?」 庭にいたら、ブロック塀越しに、おばあちゃんからいきなり声をかけられ、畑のもぎたて野菜をもらったことがある。 スーパーにはない形の野菜を、おばあちゃんの娘さんの自慢話とともに嬉しく受け取った。 畑仲間のおばあちゃん同士が、なにやら楽しそうにおしゃべりしている声が、リビングまで聞こえてきてほっこりしたことも。

          空が消える日

          そのスピードで

          夕方4時過ぎ。 我が家の玄関から見える、曲がり角のギリギリ手前。 自転車にまたがったまま、ハンドルに突っ伏して泣いている。 サッカーのユニフォームを着て、泣きながら、大層怒っていらっしゃるのは小4の長男。 小4になると、学校で自転車教室がある。 無事に講習を終えたら自転車の免許なるものが配布される。 そうすると晴れて、子どもだけでも町内で自転車に乗ることが許されるのだ。 家の前でちょろちょろとS字を描くだけでなく、友達と公園に遊びに行くのにも自転車移動ができるようになる。

          そのスピードで

          妙齢ホログラム

          40歳になる。小学校高校大学で出会った同級生の中にはお誕生日を迎えた友達もちらほら。 「ねぇねぇ40歳になるって、どういう気分?」 自分だって数か月後には40歳になる予定のくせに聞く。個人的には大人になってからの前後3歳程度はもう大体同じじゃない?と思っているところがある。誕生日をすでに迎えたかこれから迎えるのか程度は、繰り上げてひとまとめでもいいくらい。 でもまぁ世代として次の代に上がるのは事実で、節目だなという気持ちもなくはない。世の40歳たちはどんなことを思うんだろ

          妙齢ホログラム

          ほめそびれ

          久しぶりの友達と会えました。普段の生活は職業も家族構成もみんなバラバラ。話の引き出しが多いメンバーで、話し始めると話の展開はまるでクラッカーを鳴らしたよう。色とりどりに話題がはじけ飛びます。はじけ飛んだかと思ったら、話題同士が意外につながったり、急に真面目モードに着地してみたり。 そんなふうなので、とにかく時間が過ぎるのはあっという間。 あとで話そうと思っていた内容が、時間に入り切らず次回に持ち越しorお蔵入りとなることも。 時間からはみ出した話題の中で、次の日にもふと、ど

          ほめそびれ