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石川優吾『よいこ』|絶対に忘れられない漫画が、そこにはある

江角風花は小学5年生。心は純粋無垢な子供そのものだけど、体だけはスーパーモデル顔負けのナイスバディ。そんな彼女は母親と二人で暮らしていたが、母親の仕事の都合でいとこのジロー一家に預けられることになってしまった。引越しのその日、ジローが家に帰ってくると、玄関に素っ裸の風花がいて…

毎回、一箇所だけ笑えればいい、というスタンスで連載していたらしいので、ギャグ漫画でありながら無理なギャグの畳み掛けがなく、全体的に優しい世界観が出来上がっている。作者の出身地である関西のノリも自然に散りばめられていて、石川優吾の作品はこの漫画が一番面白いし、一番楽しそうだと感じる。風花の裸(乳首と陰毛の露出)など、お色気は意外にもオマケで、小学校の同級生は勿論、担任教師、街の大人たちをも巻き込んだ日常のドタバタな騒動が、時には風刺も効いていて小気味良く、馬鹿みたいに腹から笑える。ネグレクトで親戚に預けられている風花を想うと、笑顔に溢れた毎日が嬉しくなってしまう。個性的なキャラたちは、関西では普通に存在する人たちだと思えるが、もうこの時代、関西であっても温かい笑いに包まれた街というのは、実現できないのではないだろうか。ともかく、風花、関西に来て良かったな、と親心で読んでしまった。

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