マガジンのカバー画像

教育記事から教育を考える

37
教育関連の記事の中から気になるニュースをピックアップ。現在の日本の教育事情を解説していきます。お子さんをお持ちの方、教育関係者の方の参考にしていただければと思います。
運営しているクリエイター

#ニュース

社会のメンタリティーを見つめ直す時ではないか(東大前刺傷、容疑の高2「以前から計画」当日に下見か 朝日新聞 1月17日)

社会のメンタリティーを見つめ直す時ではないか(東大前刺傷、容疑の高2「以前から計画」当日に下見か 朝日新聞 1月17日)

大変な事件が起きた。大学入学共通テストの初日に、東大の試験会場の路上で刺傷事件が起きてしまった。それも、東大を目指していた有名進学校の生徒が犯人だ。当然、世間は、この事件にいろいろな反応を示した。ネットの記事でしか情報はないが、その犯人像が、徐々に浮かび上がってきている。

このような事件が起こった場合、私たちは、何を問題にするべきだろうか。教育問題として考えた方が良いのか。それとも、犯人の特異性

もっとみる
温情を働かせて、何を守りたいのか?(わいせつ免職教諭を匿名発表 教委、生徒に聞き取りせず 朝日新聞1月13日)

温情を働かせて、何を守りたいのか?(わいせつ免職教諭を匿名発表 教委、生徒に聞き取りせず 朝日新聞1月13日)

県教委は、誰を守るために、温情的な対処をしたのだろうか。記事によれば、憶測並びに一般的な情報をもって、免職職員を匿名にしている。被害者とは話をしているわけでもなく、県警に申し出たというその職員の言を確認することもなく、その職員が自分から申し出たことを一つの温情の理由にしているようだ。教育長は明確に応えていないのだ。免職職員が事の次第を明確に自分から語っていないのか。それよりも、教育委員会が聞き取り

もっとみる
学校の序列化を認める方向でよいのではないか(【福島】22年度から普通科に医学コースなど新設  朝日新聞12月7日)

学校の序列化を認める方向でよいのではないか(【福島】22年度から普通科に医学コースなど新設  朝日新聞12月7日)

世の中の学校の序列に対する認識と、教育委員会並びに文科省の学校における序列に対する認識のずれは、昔から大きかった。世間では、公立高校間でも学力による学校間の序列はあり、公私の高校の間にも学力による序列はあると認識しているし、だからこそ、世間では子どもを学習塾に通わせるのだが、文科省はじめ各県の教育員会では、学校間に序列はないという見解を通してきた。

今回取り上げた福島県は、県立高校の普通科で4つ

もっとみる
学校教育には、どんな効果があるのか(「女子だけ白靴下は不平等」中学生がブラック校則変更  産経新聞11月25日)

学校教育には、どんな効果があるのか(「女子だけ白靴下は不平等」中学生がブラック校則変更  産経新聞11月25日)

教育は、実は、暴力的な側面を持っている。強制力を子どもに行使して、知識を与えていく。その過程において、子どもたちの意志を認めはしないのだ。そういう意味で暴力なのだ。そして、学校教育は、身体訓練の場だ。だからこそ、校則が必要になってくる。野生人である子どもを社会馴致化するために、学校教育があるのだ。だから、ルールを守ることを子どもたちに強制するのが学校だ。

子どもたちに都合の良いような校則は、基本

もっとみる
一般企業では考えられない!(小中学校の給食費「校長の口座で管理」7割…文科省が初の調査 読売新聞11月4日)

一般企業では考えられない!(小中学校の給食費「校長の口座で管理」7割…文科省が初の調査 読売新聞11月4日)

学校が集める給食費を校長の私的口座で管理するなどということをやっていたとは、驚いた。企業なら、そのようなことにはならない。会社名義の口座を作って管理するはずだ。

早急に、教育委員会が口座を開設し、管理した方が良い。ただし、教育委員会が給食費を収めていない家庭に連絡するルートと、学校の教師が連絡するルートの、2つルートを持っていた方が良いのではないかと思う。それは、形式的に催促するものと、事情を知

もっとみる

大人としての自覚と職業倫理の欠如が体罰を招くのではないか(なぜ体罰なくならない? 柔道技の教諭、研修の後すぐに 朝日新聞デジタル 10月18日)

今回の事件を知って、またか!と思った。常軌を逸した体罰をする教師が後を絶たない。ルール違反をした生徒に対して、ルール違反以上に罰してしまった教師は、自分がどのようなミッションのある職業についているのか、全く理解していない。教師という職業がどういうミッションなのか。ここを再教育することだ。

教師という職業のミッションとは、子どもを一人前の大人にするということだ。ここを忘れていけないのだ。だとすれば

もっとみる
「昔に見た風景」が、どんどん色濃くなっていないか?(日本学術会議 会員の一部候補の任命を菅首相が見送り NHKニュース10月1日)

「昔に見た風景」が、どんどん色濃くなっていないか?(日本学術会議 会員の一部候補の任命を菅首相が見送り NHKニュース10月1日)

日本学術会議 会員の一部候補の任命を菅首相が見送り(NHK10月1日)

日本学術会議が、推薦した会員候補を政府が拒否したことに関して、世間は二つに割れている。1つは、菅首相を擁護するもの。もう1つは、批判するものだ。

私は今回の件を、批判するというよりも危惧している。それは、「昔見た風景ではないか」ということだ。今回の件で、学問の自由が直接犯されるものではないが、間接的に、そして将来的に、犯さ

もっとみる

コロナ禍で学力が更に分断されてしまう!(コロナ、不安と焦りの中3生 朝日新聞9月23日)

コロナ禍によって、学校が休校になった。3月の約3週間、4月の約3週間、5月の約3週間、学年をまたいで約9週間、公立中学校では授業が行われなかった。この異常事態を私たちは、大きな問題だと考えているが、はたしてそうだろうか。

学校は、色々なことで授業がつぶれる。平時であっても、教師によっては、授業のペースが遅すぎて最後まで教科書が終わらないこともある。テスト前にプリントを配って、「勉強してこい!」と

もっとみる

なぜ、インクルーシブ教育が必要なのか(特別支援学級の児童を「邪魔だと思う人は手を挙げて」 …小学教員、一緒の授業の場で  読売新聞9月9日)

今回の事件は、特殊な教員がろくでもない対応をした、というだけの事件ではないように思える。学校全体がインクルーシブ教育の意味を理解しているのかどうかに関わる事件ではないだろうか。

多様な人たちが、一緒に活動することがこれから求められていく。その一つとして、この学校も特別支援学級の児童と普通学級の児童が一緒に授業を受けていたのではないか。

だとすれば、この教員は、その意味を理解して授業に取り組むべ

もっとみる