最近流行ってるぽい「解像度」で表現してみる 少しベトナム語をかじってみるとぶち当たるのは、その発音の難しさだろう。 ベトナム語の発音について、 少し理性的に言うと、微細な音域と抑揚の差異で巧みに多彩な語彙を生み出す。 少し感情的に言うと、発音の微妙な違いに拘り過ぎやで! 少し流行りの表現をしてみると、解像度が高い! この「解像度」という表現は感覚的にしっくりくる。 例えば、 ベトナム語で以下のような表記の語句はそれぞれ発音も意味も異なる。 (注:括弧内は意味を持つ語句
東京北部、荒川のきわに「浮間ヶ池」という静かな池がある(タイトル写真)。この池、ホアンキエム湖をはじめとしたハノイ市内に無数ある湖沼と成り立ちが同じだ。 以下は3年前の拙稿。 そこでは、ハノイ市内の数々の湖沼は荒ぶるホン川が遺した置土産ということを書いた。東京では荒川が、その名からして猛々しいが、かつて自在に流路を変えて蛇行することで浮間ヶ池という河跡湖を残した。 地理院地図(https://maps.gsi.go.jp/)で現在と1945年頃の航空写真を比較してみると
ハノイの風物詩ともいえるバイクの大群の光景には、鳴り響くクラクションの音の「演出」は欠かせない。 日本国内ではクラクションを鳴らす・鳴らされる時というのは、往々にしてただならぬ緊張が走ることがあるが、ハノイでは文字通り挨拶代わりの意思疎通の信号に過ぎない。その理由を個人的に分析してみた。 ハノイの道路交通を体験した人ならわかると思うが、車両間の安全マージンが非常に小さい。二輪のバイクに限定して言えば、ゼロに等しい車間距離(なんなら接触もあり)、急な車線変更・右左折、信号無
面からたどるか、線からたどるか 日本の住所表記は通常は以下の感じ。 地番:○○町23番地 住居表示:○○町2丁目3番4号(2-3-4) 都市部とかで住居表示が施行されていると、丁目から街区(=番)、街区(ブロックに相当)内で順番に振られた宅地の番号(=号)と絞り込んでいくことで目的地を絞り込むことができる。 一方、ベトナム(ハノイ等北部地域)では、 số 11, Ngõ 22, Phố ABC (11号,22路地,ABC通り) 意味:「ABC通り」から分岐する「2
朝夕のハノイ市街地でよくみられるなじみの光景といえば、さながら川を埋め尽くす魚群ような怒涛のバイクやクルマが埋め尽くす道。外国人にとっては最初は躊躇して渡るタイミングを逸してしまうかもしれないが、慣れてしまえば実際にはさほど難しいことはない、早晩渡れるようになる。それでも、慎重派、強硬派、人それぞれの渡るタイミングというものがある。 バイクの流れが途切れるまで待つのか、バイクの流れを交わしながら渡るか、その人の性格、運動神経に対する自信、安全に対する考え方、その時の状況(急
ハノイの街中には昔ながらの市場が至るところにあり、野菜、果物、肉、魚… なんでも売っている。僕はその一角にある海鮮屋で焼き牡蠣を買うため、店先で牡蠣を焼いてもらうのを待っていた。生から焼くので焼き上がるまで結構時間が掛かる。 1台のバイクが店先に停まった。中年に差し掛かったキリッとした表情の女性が降りきて、切れ味鋭い口調で海鮮屋のおばさんと二言、三言交わした。まるで切れ味鋭いナイフのように話す。この"ナイフ女"は客らしいが、会話を交わした後も険しい表情を保っている。一方で、
ハノイを含むベトナム国内の大都市で、渋滞緩和、大気汚染抑制に向けて国家政府主導でバイクの都市中心部への乗り入れ規制が将来実施されるらしいのだが、その計画が前倒しになるという報道が結構前にあった。 2025年といえば3年後、その間にバイクに代替する市民の足となるインフラ整備が急がれるのだろうが、それに因んで、以前、僕は以下のような記事を書いたことがあった。 今更クラ/サバ方式に集約するなんて時代に反しているのではないか?という趣旨だ。加えて言えば、排ガス問題はバイクの電動化
アジアハイウェイ(Asian Highway、AH)という名称の道路(網)があることは、世間にはあまり知られていないかと思う。これは日本を含めたアジア域内を張り巡らす道路網の総称で、現代版シルクロードとして国連が1959年に提唱して各国が参加している。ただし、AHとして専用の道路を造るのではなく、各国の既存の幹線道路をAHに割り当てるという発想である。 その中で、アジアハイウェイ1号線(AH1)は東京からイスタンブールを結ぶ東西の基幹路線である。もちろん対馬海峡にはトンネル
ゼロ・コロナ策で徹底的に封じ込めてきたベトナムであるが、感染力の強いデルタ株には適わず7月頃から猛威をふるい、南部ホーチミン市周辺で急激に感染が拡大した。ハノイ市は感染者数は多くて100人強/日といったところだが、7月後半よりロックダウン(首相指示第16号による社会的隔離措置)に入り、現在も期限の延期を繰り返している。 現在の期限は9月6日までだが、感染者数が下がらない状況で、更なる延長となるが、今回はハノイ市域一律に最も強い「16号措置」を実施するのではなく、3つの区域に
写真は、ハノイ市内のカウザイ公園(công viên Cầu Giấy)からの眺めだ。背後にはIT関連の新しいビルが建ち並ぶ。僕が勤め先からの帰り道に撮ったものだ(※現在はコロナの社会的隔離措置により出勤停止中)。 ハノイ市内には大小の湖(池・沼)が無数存在し、その由来は河川氾濫の名残りだということは、以前の記事に書いた通りである。 【ホン川の支川がハノイ付近で分かれることから、「○○デルタ」と呼ばれる経済圏の強みを考えた。】https://note.com/makinha
ハノイの市街地に東京の山手線の「輪っか」(図中の緑線)を重ね合わせてみた。 旧市街にありハノイの代表的観光地のホアンキエム湖(剣還湖、Hồ Hoàn Kiếm)に東京駅の位置に合わせると、僕はおおよそ新宿駅辺りに住んでいることが分かった。これは、個人的な距離感覚とも合っている。 ところで、人々(生活圏が東京の人)が思い描く東京駅ー新宿駅の距離感とはどういうものだろうか? 僕の場合、皇居沿いに進み半蔵門から新宿通りに入り御苑のトンネルを抜ければわりとすんなり着く、実は割と近
「水はありますか?」が通じないベトナム語では ”có nước không?” でいいはずだ。 ところが最近、商店で水を買おうとして、店員にこの様に聞いてみたが全く理解してくれなかった。水=ペットボトルに入っているもので、日本式に言うならミネラルウォーターだが、細かい事はさておき、商品に水があるかないかを尋ねたかったのだが伝わらなかった。 ”có ○○ không?” の構文は簡単かつ便利で、○○ありますか?と聞く時に使える。ハノイに来て2か月、店で探し物する時に何度か使
画像は、ハノイ市、東京都(島嶼部除く)、ニューヨーク市(NYC)の3都市における、コロナ感染者の密度を表わしたものである。1つの点は感染者50人を表し、それを都市範囲内でランダムに点を発生させて作ったものだ。3都市とも同じ縮尺。(マップ作成:SuperMap GIS) 東京とNYCは真っ赤で点も何も無いように見えるが、東京の拡大図が示すように、拡大すると点の集合で構成されていることが分かる。この3都市を比べると、東京とNYCは同類で、ハノイがずば抜けて少ないことが見て取れる
僕の仕事場では靴を脱いで上がる。(関連記事:昼休み外から戻ってきたら、皆ガチで寝ておった。https://note.com/makinhanoi/n/n570a08436824) 通勤時に履いてきた靴は下駄箱にしまい、お手洗いに行ったりちょっと外に出る時用に各々がサンダルを入口におくようにしている。日本の温泉旅館で玄関に下駄や草履が並べられているような感じ。 実際は、並べられているというか、ナチュラルな状態で脱いである(写真:左)。なお、建物内の他の会社も同様の状態だ。
ハノイの市街地には湖、というより、池がやたらと多い。 その周辺が緑化された公園として整備されて市民の憩いの場になっている。街のシンボルとしても名高いホアンキエム湖(還剣湖)もまたその一つだ。衛星画像からも、ハノイ周辺にはあまたの池が存在していることが分かる(画像中の濃紺の領域)。 ここまで池が多いのは、ハノイの東側を流れる大河、ホン川(Sông Hồng)が古来より氾濫して、流路の変遷を繰り返す過程で池として残されてきたためだ。これらは総じて河跡湖と呼ばれるものだが、中に
ハノイには都市鉄道(軌道)がない。正確にいうと、構造物としては2A号線というのが完成しているが、不具合があり営業運行までには至っていないという。 一方で、BRTは2017年より運行している。BRTとは、Bus Rapid Transit、ハノイのBRTに限定して平たく例えて言えば「線路の無い路面電車」。道路中央側にバス専用レーンと停留所を設けたもので、速達性、定時性や頻発性のポテンシャルが高いが、軌道施設のような建設や維持管理費用を掛ける必要がないという利点がある。 今回