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AH1、東京とハノイを結ぶ道

アジアハイウェイ(Asian Highway、AH)という名称の道路(網)があることは、世間にはあまり知られていないかと思う。これは日本を含めたアジア域内を張り巡らす道路網の総称で、現代版シルクロードとして国連が1959年に提唱して各国が参加している。ただし、AHとして専用の道路を造るのではなく、各国の既存の幹線道路をAHに割り当てるという発想である。

その中で、アジアハイウェイ1号線(AH1)は東京からイスタンブールを結ぶ東西の基幹路線である。もちろん対馬海峡にはトンネルも橋もないが(一応、建設構想はあるらしい)、海を渡って繋がっているということだ。

AH1は日本国内では、東京(日本橋)から東名、名神、山陽道等の高速道路が該当していて、福岡に至ると海路で釜山に渡り朝鮮半島を経て中国に入り北京、武漢を経て南下してベトナムに入る。ベトナム国内では中国国境のドンダン(Đồng Đăng)からベトナムの国道1号線(QL1A)を通りハノイを経て海岸沿いにホーチミン市に至り、西進してカンボジアへと続く。

表題の写真はハノイ郊外のQL1A沿いで見つけたAH1の標識である。そして下の写真は東名高速の起点、東京インター付近の標識。

東京インター下り線ランプ合流地点の標識(2014年撮影)

途中に海もあればややこしい国も通らなければいけないため、AH1という路線だけを通って東京とハノイを行き来することは難しい。それは百も承知であるが、この共通の標識を立てる意義とその効果はそこそこあるのではないかなと思う。少なくとも僕は、その概念上の1本の道の存在を楽しんでいる。

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