河跡湖の存在からわかる東京とハノイの地形的共通点
東京北部、荒川のきわに「浮間ヶ池」という静かな池がある(タイトル写真)。この池、ホアンキエム湖をはじめとしたハノイ市内に無数ある湖沼と成り立ちが同じだ。
以下は3年前の拙稿。
そこでは、ハノイ市内の数々の湖沼は荒ぶるホン川が遺した置土産ということを書いた。東京では荒川が、その名からして猛々しいが、かつて自在に流路を変えて蛇行することで浮間ヶ池という河跡湖を残した。
地理院地図(https://maps.gsi.go.jp/)で現在と1945年頃の航空写真を比較してみると一目瞭然。
1945年頃には、既に荒川本川とは堤防で仕切られているが浮間ヶ池が蛇行の跡として新河岸川と繋がっているのが分かる。
かつては東京都内にも中川や江戸川の流域の江東地区には河跡湖が存在していたであろうが、開発により埋められて跡形なくなり、今では浮間ヶ池は貴重な存在となった。
暴れ川が造った河跡湖。この存在から、東京とハノイの地形的な共通点を見いだせる。しかし、ハノイのそれは河口から100km以上の内陸にあることを考慮すると、ホン川デルタ地帯(三角州、紅河デルタ)のスケールの大きさを再認識させられる。