『欲』の定義
何かと悪者にされがちな欲ですが、
欲(よく)とは、現状を今より良く(よく)しようとする想い・意志です。
生きていれば当たり前に持つもの。
むしろ、それがない(と思っている)方が危険です。
欲は暴力と同列に並べられることが多いですね。
— 自分勝手、自己満足、我欲、我良し、身勝手、わがまま
それらは必ず他人を傷つける、迷惑、隠すべきなのだと教え込まれます。
— どうすればいいか、どうすべきか、何か正解か、多数はどっちか?
善悪・優劣・比較・競争・恐怖・不安で判断する姿勢が刷り込まれます。
しかし、それは詐欺です。
・木や草花が誰かの為にそこに生えていますか?
・海や川が誰かの為に流れていますか?
・申し訳ありませんと自らを否定して生きる獣がいますか?
・悪人にだけささない太陽がありますか?
みんな、各々が好き勝手に生きたいように生きています。
しかし、それらが不思議なバランスをもって美しく成り立っていますよね。
運も愛も縁も、本質は同じです。
それは自ら始まりなんら支配することなく、
エネルギー同士が自動的に連なっていく現象。
他力本願の愛システム。合のネットワークです。
『欲』=『良く』=『愛』=『自己愛』
自然という言葉は『そのまま・ありのまま・あるがまま』を表すものです。
美しい集団ダンスほど他人に気を使いません。
楽しいセッション音楽ほど遠慮がありません。
ビクビク怯えていながら、何かに夢中にはなれませんよね。
ギクシャク気遣うほど、足を踏みつけ、音をはずすだけ。
ハーモニクス・共鳴は我慢や遠慮では広がらないのです。
周りを良くしたいと思うほど、集中すべきは『外』でなく『内』。
欲の種類 - 幸の欲・不幸の欲
欲には大きく分けて2種類あります。
・本心本音から望む想いを叶える、幸せの相乗
・本心本音に背いた不安を慰める、恐怖の相殺
自己愛に結びついた『本当の欲』は共鳴を生むので、自分だけでなく他人も幸せにします。
恐怖に結びついた『偽物の欲』は共鳴を阻害するので、自分も他人も不幸にします。
欲と聞いて脊髄反射的な怒りや拒絶感を示すのは、
自身の行動原理(動機)の多くが、後者の『恐怖の相殺』に占められている場合です。
他人から褒められよう・その為に率先して自己犠牲しよう・自由を縛ろう
— そうではなくては、わたしの存在価値がなくなってしまう —
これ以上、自分を嫌いにならずに、済むようにしよう
これ以上、傷つかずに、済むようにしよう
— そうではなくては、生きていく希望を失ってしまう —
劣等感や自己否定ですっかり萎縮した心は愛の作用を信じられなくなり、
『間違わない為の正解・失敗しない振る舞い』しか選べなくなります。
いつも怯えて他人の顔色を伺い、胸の内はササくれ棘だらけになる。
その『攻撃的な防御』こそが自他を傷つけあうことになり、さらに身を守ろうと棘を肥大させるループへ繋がります。
根源的な欲を取り戻す
欲の最小単位は『自己愛』です。
あなたらしさ。あなたらしい感じ方。あなたらしい表現。
— でも・けど・だって・しかたない・そういうもの・そうすべき
こうした呪いの言葉をいったん、頭の片隅に追いやりましょう。
理想的な他人を演じることをやめて、価値判断とジャッジをやめて、
ただそのままの自分、主観と感情を取り戻しましょう。
終わりに
状況がちっとも『良く』ならないと悩んでいる時こそ、
心が『偽物の欲』に縛られていないか、立ち止まってみてください。
出来るところから少しずつ『抱えた荷物』を捨てていきましょう。
それはかつて、不安から一時的に自分を守ったかもしれませんが、
もう役に立たなくなっているものです。
— 握りしめていた武器を手放せば、その手に好きなものを掴めます
— 覆い尽くしていた鎧を脱ぎ捨てれば、その身はどこにでも行けます
恐怖の相殺から、幸せの相乗へと軌道修正できますように。
まいのこでした!