久々に母にイライラした件
昨夜、母がデイサービスに行きたくないと言い出した。
先月の3日から咳をし出し、微熱が出始め、とうとう肺炎で17日に入院。
点滴治療で完治し25日に退院。
それからもまだ少しの咳と下痢気味であったのだが、私が一旦家に戻った一昨日の土曜日には自分でも『もうずいぶん良くなった』と言っており、咳もなく下痢もしていないとのことだった。
土曜日も日曜日も食欲もあり、昨日の夜に関しては、しっかりご飯もおかずも平げていたし、ナンプレをしたりテレビを観たりと、体調を崩す前の母の様子にすっかり戻っている様子で私も安心していた。
デイサービスは週に2回、火曜日と木曜日に利用している。
そのデイも先月の初めからずっと休んでおり、
「今週から再開するよね?」
と昨夜確認したところ、
「ん〜〜お盆過ぎるまで行かないことにするわ」
と母は言った。
「え?なんで?」
理由を聞いてもだんまり。
答えてくれない。
「咳もしてないでしょ?熱もないでしょ?下痢も止まったでしょ?」
「そうなんだけど…」
「どこかまだ具合悪いの?」
「いや…?ん…」
「行きたくない理由はなに?」
しばらく黙ったあとようやく喋った理由がコレ。
「髪の毛も切りたいし…」
「はぁ?」
理由がそれなの?じゃあなんで言わない?
「言ってくれたら今日行けたじゃん!
なんで早く言わないのよ。明日からまた私○○(息子)のとこに行くんだよ?」
「うん…それは知ってるけど…。忙しいと思って…」
「忙しいから、行くなら今日しか行く日がなかったんだよ!」
ダメだ…。イライラする。
「ディに行きたくないのはその理由だけ?」
「…」
しかも母は耳が遠いため、声を張らないと聞こえない。
息がどんどん苦しくなる。
「ずーっと部屋にばっか居たら、もう歩けなくなるよ?」
「まだ自分では体調戻ってないと思うのよ…」
「いやいや、戻ってるでしょ?!なんかある?具合の悪いところ」
「…」
「あのね、ないのは気力なのよ。だからこそ行かないとダメなのよ」
「…でもね…お盆もあるし…」
毎年お盆の三ヶ日には、仏さんに朝昼晩の3食をきっちりお供えする風習があり、母はずっとそれを続けていて、歳をとるに連れ、私も一緒に作ったりしていたが、さすがに今年はもう私ひとりでしようと思っていた。
「あのね、お盆は私がするから。それとディを一緒にしないで。誰もいない部屋で毎日毎日ひとりでずーっと過ごしてるから、気力もなくなるのよ。お願いだから行ってよ」
「…」
「とりあえず行ってみて、やっぱりしんどいなぁってなったらまた休めばいいじゃない」
「…」
母は頑固だ。
なかなかうんと言わないところがある。
それに言うことを聞いてくれない。
水分を頑張って摂ってと言っても、なかなか飲み物を飲んでくれないし、コレを食べてとおかずを用意してても食べてくれないことが多い。
デイサービスに通う日は少なくとも栄養バランスを考えた食事を摂れるし、水分も定期的に摂るよう促してくれるし、お風呂だって安心して入れる。
運動支援として体操や歩行訓練もしてくれるし、なんと言ってもコミュニケーションの場なので気持ちが明るくなり、私は出来るだけ早く再開させたかったのだ。
母の沈黙にとうとう私のイライラがMAXになってしまい、プツンと糸が切れ、もうどうでもよくなってしまった。
「わかった。もういいです。好きにしてください。イヤだと言ってるのに無理やり連れて行けないし。もう行かなくていいよ」
小さい子が幼稚園行きたくないと駄々をこねてるのと変わらないと感じた。
「そんなこと言わなくても…」
「いやもういいです」
私もいっぱいいっぱいなのだ。
ただでさえ息苦しさが最近ひどくなってきているのに加え、息子のお嫁ちゃんのつわりもなかなか終わらず、もう2ヶ月もの間、孫の子守に電車で1時間弱かけて行き毎日家事と育児をこなし、母のことも心配で色々考えながら必死に頑張っているというのに…。
好きにすればいい。
行きたくないなら行かなくていい。
それでもっと行きたくなくなっても私は知らない。
脚力が落ちても私は知らない。
栄養不足になっても私は知らない。
水分不足でまた脱水を起こしても私は知らない。
小さい子供じゃないんだし、頭はまだしっかりしてるんだから、自分で考えて自分で決めればいい。
私にはこれ以上母を説得する力は残っていない。
もうキャパオーバーだ。
これ以上何かを言うと私が倒れてしまう。
息が出来なくなる。
今倒れる訳にはいかないのだ。
孫の面倒を見なくちゃいけない。
ワクチン接種も控えている。
もう力は出ない。
私が黙りこんでも、母はそれでも何も言ってこない。
はい、終了。どーぞお好きなようになさって下さい。
そう思いながらも、また留守する間の母のおかずを作らないと…と思い立つ。
はぁ…とひとつ溜め息を吐き、キッチンで料理を始める私。
デイに行けば家で食べなくて済むのに…などと考えながら、食べてくれるか分からないおかずを夜遅くに作る。
私の母に対する気持ちは、心の余裕がこれっぽっちも残っていない状態故に、イライラを通り越して諦めの境地に達していた。
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