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旅の出発 豊橋駅 1256日

飛べないから地上から

向かうべきは東京渋谷

豊橋から新幹線ひかりに乗って向かう予定

朝7時の空は快晴

秋晴れの旅にでるには最高の朝

豊橋に着きお手洗いを済ませてから

さあ新幹線乗り場に向けて歩こうかと

荷物を詰め込んだリュックを

担ごうとして勢いよく背負おうとした

瞬間にちょっとしたハプニング

いやいや旅の序盤にこのハプニングは

致命的かもしれない

なにせ

しゅるんと何かが抜ける音と一緒に

リュックが片側にずるんと

滑り落ちていったのだから

何事かとリュックを下ろしてみたら

肩にかかっていなければいけなかったベルトが

本体とを繋ぐ部分の糸がちぎれて

背負えなくなってしまっていた

なんてこったい、新品のリュックを

今日のこの旅の日の為に準備したと言うのに、、

そんなイベントが旅の初っ端から

待ち受けていたたなんて

だれが予想できただろうか

少なくとも僕は予想外であったが

どうするもこうするもない自体に

とりあえずの応急処置乱暴に対応

縛るしかない安直だがそれしかない

豊橋駅構内に新品のリュックが買える店が

あったとしても朝7時に開いてる店なんて

あるはずがないのだから

縛るしかないそれを背負っていくしかない

一番賢い判断だ

ベルトを金具に通してから輪っかにして

固結びにして急場凌ぎてなんとかなった

何が起こるか分からないから

そんな時にこそ落ち着いて柔軟に対応

ふぅ〜

時間通りに新幹線がホームに入ってきた

自由席に空きがあり着席して

とりあえずは一安心
 
ゆっくり走り始めていく新幹線の窓の外

見知った町が遠ざかっていく

寂しくもあり楽しくもある

不安だけどもワクワクしてしまう旅立ちの瞬間

誰かに見送られた訳でもないが

小さな声でまたねって呟いてみたり

窓の向こうの朝靄の中に浮かぶ町を見送る

車窓の向こうを流れていく景色を

ぼんやりと眺めながら寝不足気味の頭を

もたせかけながら微かな揺れに身体を預ける

微睡む頭の中で飛び交う夢のかけらたち

と一緒に運ばれていく

揺るぎなくかたことかたこと

優しい揺れが心地よい

旅はまだ始まったばかり

ワクワクを頭の中でこねくり回しながら

東京の街を思い浮かべながら

僕の身体は運ばれていく

ちょっとしたハプニングもまた

旅の終わりに振り返る頃には

味わい深い思い出になっているはずだ

楽しみにしておこう


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