秋の夜を彷徨う 1265日
ふとした瞬間に気づいたんた
秋の気配にいつのまにか囲まれていたことに
ついこの間までしっかりじっくりと
夏が目の前に居たはずなのに
いつのまにか溶けて消えてなくなって
代わりに漂い始めたのは金木犀の可愛らしい香り
黄色い花から漂う秋の気配
誘われるようによく晴れた月夜の晩に
家を抜け出し彷徨う迷子
行く当てなんて別にあってないようなもの
足が向くままにただただ歩いてると
どこまでもいけそうな気になってくる
夢の中にでもいるかのよう
鼻をくすぐる甘い香り
月明かりに照らされた僕の足元では
ゆらゆら踊るようについてきてくれる
僕にそっくりなもう一人の僕
静かな夜はふとすると怖くもあるが
月明かりが眩しい夜は
心強い友達がいてくれるから
怖気付かなくて済む
ぶるるっとなった時は二人で踊りながら
歩く夜のアスファルト
黄色く香り立つ秋の道標
目には見えないが
確かに肌身で感じる季節の変わり目
なにかを見つけたいのかもしれない僕は
だけども何を見つけたら良いのかも分からない
彷徨うように歩いている僕は実は焦ってはいない
見つかってしまったら
家に帰らないといけなくなるから
もう少しだけ静かな秋の迷路を彷徨っていたい
浸る様に味わう金木犀の香り
夢の中にでもいるかのよう
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