もっとも明るい残酷な時間帯
夜勤明け
昼夜が逆転してただいま地球で
最も明るい残酷な時間帯
寝転び微睡みながらカーテンから
差し込む日の光が僕の体から
眠気を干上がらせていく
冴える頭が煩わしい
夢を見ようにも夢の様に騒がしい窓の外
電車が走る音や車の音
隣人の生活音に犬の声
窓を閉めたって明るい騒がしさが
窓から壁から天井や床から
360度から染み出してきて
眠れない僕を取り囲み笑っている
真夜中でさえ眠れないのに
真昼までもが眠れないだなんて
なかなかに酷な話だが
眠れないんだから仕方ない
枕元の本に手を伸ばし
開いて並ぶ文字の上をじっと見つめ続ける
眠気が文字と文字の隙間に
落ちていないかを探す様に僕は目を動かす
寝転びながら微睡みながら
もっとも明るい残酷な夜の底で
求めるは安らぎの扉
頭の中で言葉を転がしながら
僕は僕の眠気を探してる
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