風の通り道
窓を揺らす透明な風
目には見えなくとも
肌身で感じ取れる存在感
見上げれば流れる雲が教えてくれる
風の通り道
生きているかの様に気まぐれで
見えているかの様に荒々しくて
何かにつけて身体ごと
ぶつかってくる
ありとあらゆるものを
気が済むまでゆすっていく
時に優しく
時にお茶目で
時には手がつけられない程の
癇癪持ちで
風はその日暮らし
気ままに吹き流れていく
今日はどうやら気持ちが
昂っているのか
びょーびょーと叫びながら
吹き抜けていく
肌身が震えてしまうほど
季節外れの寒風に冬の名残りを思わせる