ごうごうぽつぽつり1319日
ごうごうと唸るストーブ
ぬくぬくと温かい部屋の中で微睡む幸せ
ぽつぽつりと何かが滴る音がする
12月の寒い夜からは隔絶された世界には
幸せが満たされている
43年もののアパートのいたるところが
ガタついている
ふわりと膨らむカーテンを見ると
心霊現象を彷彿とさせるがただの隙間風だ
そして耳をすましていると
聞こえてくる音があるが
それも心霊現象のようだがただの結露だ
窓ガラスが外と室内の気温差により結露して
水滴がひっきりなしにぽつぽつりと
滴り落ちていく
あぁ、この音を聞くと
今年ももう冬が来たんだなあ
ぽつぽつりぽつり
外気と室内の温度差が
目に見える形として現れる
理科の実験的な新鮮さも
三年目ともなると見慣れてしまう
窓際からと部屋の隅から聞こえる騒がしさ
冬の風物詩
サッシのあたりに浮かび上がる12月の水溜り
冬の冷たさとストーブの熱に挟まれるようにして
僕は丸くなって微睡み眠りにつく
ごうごうぽつぽつり
ごうごうぽつぽつり