『認知の歪み』 気をつけよう、こんな考えは人生を損する! 〜「認知療法実践ガイド」著ジュディス・ベックより
1.全か無かの思考(黒か白か思考/二分割思考)
状況を連続体ではなくたった2つの極端なカテゴリーで捉えること
ワタシ:『完全に成功できなければ私は失敗である』
2.破局視(運命の先読み)
他の可能性 特に現実的にありそうな可能性を考慮せず、未来を否定的に予言する
ワタシ:『私はこんなに混乱している。今後私にとって物事がうまくいくことは二度とないだろう』
3.肯定的側面の否定や割引き
肯定的な事故の経験、功績、長所などを不合理に無視するか、割引いて考える
ワタシ:『計画は成功したが、それは自分が有能だからではない。単に運が良かっただけだ』
4.感情的理由付け
自分がそう〈感じる〉(そう信じている)から、それが事実に違いないと思い込み、それに反する根拠を無視するか、低く見積もる
ワタシ:『仕事は大抵、うまくいっているが、どうしても自分を失敗者だと感じてしまう』
5.レッテル貼り
より合理的な根拠を考慮せず、自分や他人に対して、固定的で包括的なレッテルを貼り、否定的な結論を出す
ワタシ:『私は負け犬だ』『彼は悪人だ』
6.拡大視/縮小視
自分自身、他者、状況を評価する際、否定的側面を不合理に重視し、肯定的側面を不合理に軽視する
ワタシ:『「普通」と評価されたということは自分には能力がないということだ』
ワタシ:『「良し」と評価されたが これは自分の出来が特に良かったということを意味するわけではない』
7.心のフィルター(選択的抽出)
全体像を見る代わりに、一部の否定的な要素だけに過度に着目する。
ワタシ:『こんなに低く評価されたということは「他の面では高い評価も受けている」、私の仕事がどうしようもなくひどかったということを意味する』
8.読心術
他のより現実的な可能性を考慮せず、他者が考えている内容を自分がわかっていると思い込む
ワタシ:『彼は私がこのプロジェクトの重要なポイントを理解していないと思っているだろう』
9.過度の一般化
現状をはるかに超えた、大雑把で否定的な結論を出す
ワタシ:『あの会合で居心地が悪かったのだから、結局私には友達ができないのだ』
10.個人化(自己関連付け)
他者の振る舞いを、他のありそうな見方を考慮せずに、自分のせいだと思い込む
ワタシ:『私が何かヘマをしたから、あの修理士の態度はぶっきらぼうだったのだ』
11.「ねばならない」「べき」思考
(命令的思考)
自分や他人の振る舞い方に、厳密で固定的な理想を要求し、それが実現しないことを最悪視する
ワタシ:『最悪なことにミスをしてしまった。私は常にベストを尽くさねばならないのに』
12.トンネル視
状況に対して否定的な側面しか見ない
ワタシ:『息子の担任教師は何一つきちんとできない。彼は批判的で鈍感でしかも教え方が下手だ』
左翼と右翼。
障害者と健常者。
男性と女性。
大人と子供。
外国人と自国民。
正社員と非正規労働者。
民間と公務員。
成功と失敗。
役に立つ人と役に立たない人。
善と悪。
若者と老人。
優生と劣等。
対義語に引っ張られてはいけない。
言葉で区切ることは、自分が受け入れやすいという落とし穴がある。
しかし真実はグレーの中にある。
2分割思考は、原因を反対側に押し付けることができる。
それは心の憎しみを育てることに繋がってしまう。
相手にも自分にも。
切り離し、排斥することで心を楽にしている。
それは麻薬的に心地よさを生み出す。
みんな、騙されてはいけない。
酸いも甘いもあるのがこの世界、この人生。
順番があるだけで、その福引には大吉、吉、中吉、小吉、末吉、凶、大凶とたくさん混じっているもの。
すべての考えが『認知の歪み』とは言えない。
中には事実もある。
自分の思考を疑うことだと思う。
ソクラテスの「無知の知」
私は何も知っていないのだという世界への謙虚な姿勢。
たくさんの視点から見つめ直す。
価値のあるものをまだ持っていないのでは無く、すでに持っているかもしれない。
自分が関わる人は全て不幸になるという考えは、誰にとっても良い結果にはならない。
人の思考は自由だ。