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今週もアートざんまい。京橋1丁目で自然との対話に感動! あおひと君の週間アート情報 11/11~11/17 アーティゾン美術館 展覧会レビュー
中央区京橋が活発です! アートを愛するみなさま!こんにちは! 今週の展覧会レビューは、前半で、11月2日より始まった「ジャム・セッション 石橋財団コレクション×毛利悠子ーピュシス」を。後半では、同美術館で同時開催の「ひとを描く」、と「石橋財団コレクション選 マティスのアトリエ」です。 東京駅よりほど近い京橋1丁目1番地にあるアーティゾン美術館。前身は、この場所にあったブリヂストン本社2階にあったブリヂストン美術館です。 2020年、現在の23階建ての高層ビル、ミュージアムタワー京橋が完成し、4階から6階にオープンしました。アートと地平を意味するホライゾンを組み合わせた、新たな地平を切り拓くアートをもっと知ってもらうことを願い命名されたそうです。 現在、アーティゾン美術館、ミュージアムタワー京橋、TODAビルディングが一体となりアートをたくさん取り入れた京橋彩区というまちづくりを進めています。来週は、ミュージアムタワー京橋、TODAビルディングのアート巡りをお送りする予定です。乞うご期待! さて、今回お届けするジャム・セッション 石橋財団コレクション×毛利悠子ーピュシス。毛利悠子さんは、今年、イタリアで開催された第60回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展 日本館の展示もした国際的に活躍するアーティストです。 毛利さんは、絵画は絵の具の色を使って表現しますが、絵の具の代わりにソーラー発電でモーターを動かしたり、電磁力で生じる磁石でモノを動かしたり回転させたり、風で布を煽ったり、機械で音を出したりする感覚に訴える作品を主に制作しています。 物理的な動きを取り入れるキネティックアートは、20世紀中頃に登場した現代美術の1ジャンルです。代表的な作家にモビール作品で有名なアレクサンダー・カルダー、マルセル・デュシャン、機械仕掛けの彫刻のジャン・ティンゲリー、日本人では風で動く彫刻の新宮晋氏や飯田善国氏などがいます。 3階にある美術館エントランスに入ってまず6階フロアーに上がり、会場に入ると一般的な展覧会のような壁に飾られた絵を見ていくのとは違う空間に遭遇します。広いメインフロアーは、空調など設備機材が剥き出しのスケルトンの天井からいろいろな装置がぶら下がり、色々な音やメロディが耳に飛び込んできます。会場全体の光量も抑えられた中、あちこちでランプが点滅したりして、静かな中でも感覚は賑やかに飛び回っている印象です。 本展覧会のタイトル、ジャム・セッション 石橋財団コレクション×毛利悠子ーピュシスとは、同美術館が収蔵する著名なコレクションと、毛利さんの作品を一緒に陳列し、ジャズセッションのように各々の作品が、鑑賞者と作品を行き交い、感性を響き合わせ、新たな地平(ホライゾン)を生み出そうと試みる企画です。5回目となる本セッションの共演者は、クロード・モネ、コンスタンティン・ブランクーシ、パウル・クレーなど8人の豪華メンバーです。 毛利さんは事前にこれらの作品と対話をして、作品に反映させています。例えばクロード・モネ《雨のベリール》については、実際、毛利さんは、フランスのベリールまで行って、そのキャンバスに描かれた光景に実際に触れ、絵の具に変わる映像や音の素材を収集し、作品を構想しています。画題となっているベリールは、パリから2日もかかるほどの僻地にあるそうで、150年も前にモネがここにきていることに、毛利さんは驚きを隠せません。今回の展覧会のフライヤーはベリールの海岸の写真です。 そして古代ギリシャ語で、自然、本性を意味するピュシス。毛利さんは、一貫して自然をテーマに制作をしています。機械仕掛けの作品が、自然とどうつながるか一瞬、悩みますが、ピュシスとは、万物の始まり、万物の原理を探すための唯一の対象物だったといいます。自然を見極めることで、万物の法則、本質を見つけ出すのです。 毛利さんは、人為的にならないように注意しながら、ソーラー発電の電力やコイルから発する磁力、風などでモノに動きや音を与える。つまり自然を顕在化させる装置を作っているのです。そこには予期しない動きやノイズも生じます。それも含めて見る人に思考の奥底に潜んでいるピュシスに触れるように促すのです。つまり毛利さんの作品は、厳密にいうとその装置ではなく、鑑賞者がその時、見たり聞いたりした動きや音そのものが作品なのです。難しいかもしれませんが、そんな謎解きをするのもアート鑑賞の醍醐味だと思います。 人類は、ギリシャ哲学のように、モノの存在から人間が存在する意味や正体を常に探ってきました。アートも然りで、アーティストは、万物や人間の本質や本性を通奏低音のように作品に埋め込んでいるとも言えるのです。私たちは、そんな作品を見て感じて、奥深くに潜んでいる自分の本性と共鳴し、心が動かされるのです。まさにアートと自分のジャムセッションですね。 Tokyo Live&Exhibitsでは、大人気の美術館の展覧会の無料ご招待券プレゼントも実施中です!下の備考欄に東京ライブ&エキヒビッツの掲載ページのURLを記載しておきますので、ぜひご覧ください! アートは希望です!スーパーウルトラ·ピースパワーです!地球は青い! では、みなさま、この美しい青い地球が、赤い血で染まりはじめています!愚かな争いがなくなって、愛と安心が地球を包みこむことを、心よりお祈りいたします! チャンネル登録、高評価もよろしくお願いします! 今週の展覧会レビュー 11月2日~2025年2月9日 ジャム・セッション 石橋財団コレクション×毛利悠子ーピュシスについて/ひとを描く アーティゾン美術館 https://tokyo-live-exhibits.com/pum_tkchu_artizonmuseum/ Tokyo Live&Exhibits https://tokyo-live-exhibits.com/ あおひと君(現代美術家 関根かんじ)ホームページ https://super-blue.com フェイスブック / tokyoliveexhihits ツイッター / exhibitslive Tumblr / tokyoliveexhibits インスタグラム / tokyoliveexhibits Youtube(あおひと君の週間アート情報) @aohitokun 英語版サイト https://japan-live-exhibits.com/ #現代アート #パフォーマンス #あおひと君 #Aohitokun #Contemporaryart #Japaneseculture #Tripjapan #japanesepainting #東京都美術館 #ワークショップ #現代美術 #ギャラリー #展覧会 #個展 #画廊 #イベント #動画 #TokyoLiveExhibits #イラスト #写真 #古美術 #アーティゾン美術館 #陶磁器 #日本画 #京橋
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ゆるキャラ埴輪で癒される! あおひと君の週間アート情報 11/4~11/10 展覧会レビュー 挂甲の武人 国宝指定50周年記念 特別展「はにわ」
今週の展覧会レビューは、東京国立博物館平成館で10月16日より開催中の挂甲の武人 国宝指定50周年記念 特別展「はにわ」をお届けします。 さあ、特別展「はにわ」。会場は、東京国立博物館の裏てにある今上陛下のご成婚を記念し、1999年にオープンした平成館です。 埴輪は、3世紀後半から6世紀頃までの約350年間、王の墓である古墳に埋葬されていた素焼きの造形物のことを言います。今回の展覧会は、日本各地から出土したいろいろな種類の選りすぐりの埴輪120体を一同に集めた大展覧会です。 中でもいちばんのハイライトは、映画、大魔神のモデルとなったと言われる「埴輪 挂甲の武人」です。今年は、その挂甲の武人が埴輪での国宝第一号に指定されて50年がたったことを記念した企画です。 また、今回、世界で初めて、挂甲の武人の同じ工房でつくられたと思われる他の4体の埴輪も一堂に介したのです。 埴輪は、素焼きの焼き物で壊れやすく、また、修復したものも時が経て劣化もあり、決して頑丈ではないため持ち運びが難しかったそうです。それを今回、最新の研究による修復を駆使し、上野に集めることができたのです。 現在、最も古い埴輪は、卑弥呼の墓とも言われる奈良県の端墓(はしはか)古墳から出土した壺型埴輪と言われています。今回、残念ながら撮影禁止でした。それから筒形の円筒埴輪、人物や動物、武具、家、船などの埴輪が、北は岩手県から鹿児島までに点在する古墳から発見されています。特に、大阪と北関東に古墳が多く築かれています。その地方が、日本の中心だったのでしょうか? 埴輪は、3世紀から6世紀にかけ、ヤマト王権を統治していた大王やその周辺で権力を握っていた人物たちの古墳からの出土品です。奈良県のメスリ山古墳では日本最大の円筒埴輪が出土。日本最大の仁徳天皇陵古墳では、3万本という円筒埴輪が埋葬されていたと言います。 ちなみに埴輪とは一体、なんのために作られたのでしょうか? 魔除け、亡き人を偲ぶため、鎮魂などのためだと推察されています。船はなき、魂を運ぶため。家形の埴輪は、王の住居や倉庫などをかたどっていて鎮魂のためと言われています。 また、円筒埴輪は列に並べて置かれていることから、盛り土の土留めとも言われています。 しかしまだ確かな説はないそうです。ただ人柱の代わりという話は、疑わしいとのこと。なぜならそれまでの墳墓から人柱の痕跡は見つかっていないからだそうです。また粘土以外にも、石彫や木製の埴輪もあったそうです。 また土偶と埴輪の違いは、土偶は「縄文時代の素焼きの人形」、埴輪は「古墳時代に墳墓に並べられたやきもの」だそうです。 埴輪は世界に類をみない独創的な造形美を生み出しています。それは、丸みを帯び、抽象化された形態から感じられる「ゆるさ」です。今も人気の、ゆるキャラです。なんか温もりがあり、人物や動物の埴輪には、愛くるしさが感じられるのです。 そうなったのも、紐状にした粘土を重ねて土台を作り、肌を慣らして細部を成形した作り方が影響していそうです。 数字や確証や結果ばかりが求められる現代社会は、日本人にとっては、結構ストレスフルではないでしょうか。 それもそのはず日本人は、昔からゆるキャラ文化なのです。 まあーいいか、仕方ない、なあなあで、他人を許せる文化、よく言えば広い心の持ち主なのです。裏を返せば、同調主義、集団社会。村社会的ないじめや差別、偏見も簡単に増長しやすく、一歩間違えれば、戦争から玉砕まで突き進んでしまう危ない一面もあることも否定できません。 個人主義も集団主義も、どっちもどっちなところがありますが、根は争いごとの嫌いな日本民族、戦争が終わらない世界も、少なくともここだけは見習ってほしいと、埴輪のゆるゆるな姿を見て、心より願ってしまった、いい展覧会でしたー。 今回、ご紹介した特別展「はにわ」は、下の備考欄に東京ライブ&エキヒビッツの掲載ページのURLを記載しておきます。ご興味がありましたら、ぜひ美術館に足を運んでみてください。 このチャンネルは毎週日曜、お届けするアート情報チャンネルです。あおひと君が展覧会レビューをお届けします。 チャンネル登録、高評価よろしくお願いします! 展覧会レビュー 10月16日~12月8日 挂甲の武人 国宝指定50周年記念 特別展「はにわ」 東京国立博物館 平成館(台東区上野公園) https://tokyo-live-exhibits.com/pum_tktt_nationalmuseum-heiseikan/ 音楽 Artlistより 01 Just for Kicks - More Energy - Instrumental Version 02 Master Minded - Free Your Mind 03 Roie Shpigler - Still Water あおひと君(現代美術家 関根かんじ)ホームページ https://super-blue.com フェイスブック https://www.facebook.com/tokyoliveexhihits/ ツイッター https://twitter.com/ExhibitsLive Tumblr https://tokyoliveexhibits.tumblr.com/ インスタグラム https://www.instagram.com/tokyoliveexhibits/ Youtube(あおひと君の週間アート情報) @aohitokun 英語版サイト https://japan-live-exhibits.com/ #現代アート #パフォーマンス #あおひと君 #Aohitokun #Contemporaryart #Japaneseculture #田中一村 #Tripjapan #japanesepainting #東京都美術館 #ワークショップ # #現代美術 #ギャラリー #展覧会 #個展 #画廊 #イベント #動画 #TokyoLiveExhibits #イラスト #写真 #古美術 #MOT #陶磁器 #日本画
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無駄なくシンプルで機能的なアート活! あおひと君の週間アート情報 10/28~11/3 展覧会レビュー テレンス・コンラン展と麻布台ヒルズアート巡り
戦争がなくなりません!とても悲しい。そんな今こそ心を豊かにするアートが必要不可欠、エッシェンシャルなのです!アートは希望です! 今週の展覧会レビューは、東京駅北口の東京ステーションギャラリーで開催中の「テレンス·コンラン モダン·ブリテンをデザインする」をお届けします。 テレンス·コンラン(1931-2020)の名は、ザ·コンランショップなどで、聞いたことのある方は多いと思います。 「デザインが暮らしを豊かにすること、いつでもこれが私にとって一番大事なことだった」と語り、「Plain、Simple、Useful(無駄なくシンプルで機能的)」なデザインが生活の質を向上させると信じ、デザインによる社会変革に挑み、大きな成功を収めたデザイナーであり実業家です。その功績が認められ、1983年に騎士(Knight)の称号を受けています。サー·テレンス·コンランです。 この展覧会は、多方面で活躍したコンランの軌跡を8つのジャンルで分類し、作品、資料とそれぞれ各ジャンルで関わった人たちのインタビュー映像で構成していました。 まず、コンランが独立するまでの若かりしころの作品。ハビタとザ·コンランショップの業績。「モダン·ブリティッシュ」スタイルを生み出した食とレストラン。再生プロジェクトと建築/インテリア。バートン·コート自邸。バートンコート自邸内に設けた家具工房ベンチマークの作品と仕事ぶり。日本における展開。自ら出版社も経営していたコンランの出版事業と世界初のデザインミュージアムに関して。 これらを見ると、いかにコンランがデザインを愛し、情熱を注いでいたのかが、強く伝わってきます。それは彼が、政治力にたけ、アイデアに秀でた経営者ではなく、自ら溶接も模型づくりも優れた技術でこなせることで、超一流の職人だということがわかります。 1932年ロンドン西南部に生まれます。コンランは幼い頃から好奇心旺盛で、中学に上がるころには模型づくりなどとても得意でした。しかし金属加工中、片目を損傷し、以来、見えなくなってしまったそうです。 1948年アートカレッジのセント·マーチンズでテキスタイルデザインを学びます。将来大きな影響を受ける彫刻家エドゥアルド·パオロッツィの助手になり、家具製作も始めました。 1950年、建築家デニス·レノンのもとに職を得て、グラフィックやテキスタイルで才能が開花。1952年、コンラン·アンド·カンパニーを設立。家具の販売を始め、コンランワールドがスタートするのです。 昔昔、日本では、「おいしい生活」というキャッチコピーが流行ったことがありました。そのおいしい生活から、バブルが芽生え始めます。コンランが目指した、デザインが生活を豊かにすることに似ています。 しかしコンランの目指した豊かな生活とは、決して贅沢や豪華や華美なものに囲まれた暮らしではないことは明らかです。子供の頃、蝶や野花に夢中になっていた彼は、無駄なくシンプルなものを愛し続けたのです。自然を愛する気持ちは、クリエイターにとって共通なことかもしれません。今一度、人類は、Plain、Simple、Usefulに注目すべき時なのかもしれません。 後半は、日本一高い超高層ビルで話題の麻布台ヒルズをご紹介。ここにもアート系スポットがいくつかあるので行ってみました。 2023年11月にオープンした、日本一高いビル、麻布台ヒルズ。高さ330メートル。東京タワーより3メートル低く、それまで日本一だったあべのハルカスビルより30メートル高いビルです。 そのビル周辺はガーデンプラザというショッピング、レストランなどが軒を連ねるアーケード街になっていてGallery & Restaurant 舞台裏、マンガアートヘリテージ トーキョーギャラリー、麻布台ヒルズギャラリー、森ビル デジタルアート ミュージアム : エプソン チームラボボーダレスなどが営業しています。 Gallery & Restaurant 舞台裏では、10月17日から11月10日まで石原海(うみ)個展「激雷」が開催されています。 石原さんはロンドンと東京を拠点にする映画監督·アーティストです。映像作品「激雷」は、雷という予測不可能な出来事、そして踊りという人間の根源的な欲望をモチーフに、傷と痛みをかかえた人々が、共に生きる方法を模索するというテーマの映像作品です。熊本で撮影したという映像は、不思議で幻想的な雰囲気を醸し出していて、登場人物の存在感を一層、浮き立たせていた秀逸なショートムービーでした。 マンガアートヘリテージ トーキョーギャラリーは、集英社が運営するギャラリーです。今年8月に88歳で永眠された画家、田名網敬一さんの作品で埋め尽くされていました。心よりご冥福をお祈り申し上げます。 そしてひときわ外国人観光客で混んでいたのがデジタルアート ミュージアム。大盛況。すごい人気でした。最近、機材と技術の進歩もあってか、優れたイマーシブ系のアートイベントが、いろいろなところで開催されるようになりました。この際、アートという言葉は置いといて、世界中に人たちに喜んでもらえるなら、それは日本にとって喜ばしい出来事なのかもしれません。 麻布台ヒルズギャラリーでは、11月1日(金)からポケモン×工芸展-美とわざの大発見-が始まります。昨年、石川県の国立工芸館で開催された展覧会で、工芸の多種多様な素材と技法でポケモンに挑み、ひらめきと悶え(もだえ)と愉しみの中から生まれた約80点の作品が展示されます。ぜひ伝統工芸とポケモンのハーモニーを感じてみてください。 なんか昔、アートとは何か?!で悩んでいた頃が懐かしく感じられます。今では、アートが表現全ての接頭辞のようになってしまったみたいです。 まあ、セザンヌにしろマルセル·デュシャンにしろ、当時のアート論の常識や既成概念では捉えられない作品だったわけですから、やっぱりアートって難しいですね。 展覧会レビュー 10月12日~2025年1月5日 テレンス·コンラン モダン·ブリテンをデザインする 東京ステーションギャラリー(千代田区丸の内) https://tokyo-live-exhibits.com/pum_tkchy_tokyostationgallery/ 11月1日~2025年2月2日 ポケモン×工芸展-美とわざの大発見- 麻布台ヒルズギャラリー(港区虎ノ門) https://tokyo-live-exhibits.com/pug_tkmnt_azabudaihills-gallery/ ©2024 Pokémon. ©1995-2024 Nintendo/Creatures Inc. /GAME FREAK inc. ポケットモンスター·ポケモン·Pokémonは任天堂·クリーチャーズ·ゲームフリークの登録商標です。 10月17日 ~ 11月10日 石原海個展「激雷」 Gallery & Restaurant 舞台裏(港区虎ノ門) https://tokyo-live-exhibits.com/event_tkmnt_gallerycafe-butaiura/ マンガアートヘリテージ トーキョーギャラリー https://mangaart.jp/news/tokyo_gallery 森ビル デジタルアート ミュージアム : エプソン チームラボボーダレス https://www.teamlab.art/jp/e/tokyo/ あおひと君(現代美術家 関根かんじ)ホームページ https://super-blue.com フェイスブック https://www.facebook.com/tokyoliveexhihits/ ツイッター https://twitter.com/ExhibitsLive Tumblr https://tokyoliveexhibits.tumblr.com/ インスタグラム https://www.instagram.com/tokyoliveexhibits/ Youtube(あおひと君の週間アート情報) @aohitokun 英語版サイト https://japan-live-exhibits.com/
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アートは感情の拡張を目指す?! あおひと君の週間アート情報 10/21~10/27 展覧会レビュー エモーション・クロッシング展、イマーシブシアターAnemoia Tokyo
今週の展覧会レビューをお届けします! 今週は、有楽町駅すぐにあるSusHi Tech Squareで開催されているエモーション·クロッシング展と東京駅近郊のアネモイア東京をお送りします。 昨年8月にオープンしたスシテックスクエアは主に、デジタルを切り口に東京の「未来」「スポーツ」「生きもの」のイベント、展示、ワークショップなどを開催する東京都主催の施設です。 今回、12月25日までやっているエモーション·クロッシング展。展覧会のコンセプトは、インタラクティブなメディアアートや体験型のテクノロジー展示を通して、未来の東京についてみんなで考えるきっかけをつくる、ということだそうです。 会場に入ると、都心とは思えない広い空間が広がっていました。 最初のブースは、松田将英(マツダしょーえい)氏の常温サウナβ Laughter Meditation。1999年、日本で生まれた絵文字。その中で最も使われているのが「笑い泣き」だそうです。その泣き笑いのアイコンを、熱いサウナと冷たい水風呂にもじって、日常と非日常について炙り出そうとした作品です。 次のブースは、特殊メイクアーティストの快歩とJapan Global Association 株式会社が協力して制作した、自分の内面からポジティブな感情を引き出す没入型フォトブースです。 AR三兄弟によるスシテック刑事というインタラクティブな作品が展示されていました。ゲームシステムでは、AR機能をオフする前提のものが大半である。ということで長年AR開発に携わってきた彼らは、ARをオフしないゲームを開発し、それを体験してもらうという作品です。 次は、YUKARI氏によるEmotions Unveiled (解放された感情) 、感情のヴェールをとりはらうという作品。人の感情表現の方法に着目した作品。モニターの前に立ち、喜怒哀楽の表情をつくってみると、さまざまなモチーフの3DCG のオブジェクトが顔のまわりに出現する仕掛けになっていました。 最後に、Crossing Emotionsというそれまでに鑑賞した、4名のクリエイターの展示体験を「色」と「感情」でアウトプットするインスタレーション作品があります。これは会期中に投稿される来場者のデータが集まり、ビジュアライズされるというもの。あおひと君もインプットしました。 また、会場では同時開催「TOKYO FORWARD TOKYO2020 レガシー展」、「デジタルでみる東京自然いきもの展」を開催していました。 有楽町駅前の、有楽町マルイの8F イベントスペース「SPACE 7·8」では、10月27日まで、博 漫画家デビュー15周年記念『明日(あけび)ちゃんのセーラー服』原画展が開催されていました。 この後、東京ステーションギャラリーで開催される、ブリティッシュデザインの粋を凝縮させたようなテレンス·コンラン展に行きました。この展覧会のレビューは来週お送りします。 アートは本物を直接、見るのが一番です。 アートは希望です!感動はエネルギーの源です! 後半は、東京駅近くのとある秘密の場所で始まったイマーシブシアター「anemoia(アネモイア)」をご紹介します。 ダンスのみならず演劇でも世界で活躍するダンスカンパニー「DAZZLE」。彼らが繰り広げるちょっと変わったダンスパフォーマンスです。Dazzleは、ロンドン·ニューヨークなどで人気を博しているイマーシブシアター、体験型公演を上演する日本では、パイオニア的存在です。 会場には、9組のアーティスト、exonemo、後藤 映則(アキノリ)、尾潟 糧天(りょうてん)、國本 怜、ryo kishi、KAITO SAKUMA、creative label nor、礫 -TSUBUTE-、ゆきあかりが作品で空間を演出しています。 このパフォーマンスの特徴は、観客が見るだけでなくダンサーたちに導かれ、鑑賞する体験型イベントです。ここで展開されるお話は、東京駅に近いということもあって、電車に乗って異空間に旅立っていくことから始まります。異空間にはさまざまな世界がマルチバースのように存在していることに気づかされるのです。作品の性質上、詳しいことは言えませんが、異空間に迷い込む不思議体験は、五感に新鮮な刺激を与えてくれました。 今、テクノロジーの世界では、五感の拡張に注目が集まっている、と言います。視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚。そこにアートが加わり、感情を拡張する手段として、アートの存在感がますます増している今日この頃でした! 展覧会レビューの詳細情報 10月12日~12月25日 エモーション·クロッシング展 SusHi Tech Square https://tokyo-live-exhibits.com/pug_tkchy_sushitechsquare/ 10月11日~10月27日 博 漫画家デビュー15周年記念『明日ちゃんのセーラー服』原画展 有楽町マルイ SPACE8(千代田区有楽町) https://tokyo-live-exhibits.com/event_tkchy_yurakucho-marui-space8/ 10月11日~ 常設 Anemoia Tokyo 東京駅近郊 https://tokyo-live-exhibits.com/pug_tkchy_anemoiatokyo/ あおひと君(現代美術家 関根かんじ)ホームページ https://super-blue.com フェイスブック / tokyoliveexhihits ツイッター / exhibitslive Tumblr / tokyoliveexhibits インスタグラム / tokyoliveexhibits Youtube(あおひと君の週間アート情報) @aohitokun 英語版サイト https://japan-live-exhibits.com/ #現代アート #パフォーマンス #あおひと君 #Aohitokun #Contemporaryart #Japaneseculture #田中一村 #Tripjapan #japanesepainting #anemoia #ワークショップ # #現代美術 #ギャラリー #展覧会 #個展 #画廊 #イベント #動画 #TokyoLiveExhibits #イラスト #写真 #古美術 #MOT #陶磁器 #日本画
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具象画ですか?抽象画ですか?!あおひと君の週間アート情報 10/14~10/20 特集 追悼 野見山暁治 野っ原との契約 練馬区立美術館
アートを愛するみなさま!お元気ですか? あおひと君の週間アート情報は、展覧会に訪れて、サクっと内容をご紹介する展覧会レビューと、絵画、イラスト、工芸など、関東一都六県で開催される始まる展覧会をご紹介。毎週日曜日に更新するアートチャンネルです! こんな不安な時代だから、心を豊かにするアートが必要不可欠、エッシェンシャルなのです!アートは希望です! 今週の展覧会レビューをお届けします! 今週は、練馬区立美術館で12月25日まで開催される追悼 野見山暁治 野っ原との契約をご紹介します。昨年102歳で亡くなられた画家、野見山暁治氏は、長く練馬区にアトリエを構えていたことともあり、同美術館は早くから野見山氏の作品を収集しています。現在127点を収蔵しているそうです。ちなみに練馬区の建替え計画により同美術館では最後の展覧会だそうです。設計は平田晃久氏で2028年開館予定だそうです。 本展覧会は、今回のレビューでご紹介する、池袋モンパルナスで過ごした東京美術学校時代から、戦後の炭坑や骸骨といった具象的なイメージを描く時期を経てフランス留学にいたる[前期]、そして11月12日からの[後期]展示で、帰国後、自然や身近な事物をモチーフに独自のイメージを展開させ追究し続けた晩年までのに分けて展示。絶筆作品を含む油彩画や版画、ドローイングおよび関連資料等、前·後期を合わせた約80点を通じて、野見山の画業の軌跡を辿ります。 ところで、昨今、アート業界で具象、抽象という言葉は、ほとんど聞かれなくなりました。今のアート界で、あなたの作品は具象画ですか?と聞かれても、返す言葉はないでしょう。AIが答えるには、「人物や静物、風景などを描いた絵画を『具象画』、それに対し目に見えるものではない、画家の心象や衝動などを思うままに描いたものを『抽象画』」ということだそうです。 日本美術界は、この展覧会情報で2回前にお送りした田中一村展でも少し触れましたが、1907(明治40)年の文部省美術展覧会(文展)から、戦後80年代くらいまで、数々の団体公募展が、画家の活躍のメインステージでした。その団体公募展でも力のあるいくつかの団体を合わせて中央画壇と呼び、暗黙のアーティストの格付け機関にもなっていました。そんな美術界、アートファンの間で、具象画、抽象画という言葉は飛び交っていたのです。 野見山氏は、102歳で生涯を閉じるまで、その活動のほとんどを日本アート界の奔流を走ってきた画家ともいえます。絵のモチーフは、人物画より風景画を多く描いています。生まれ故郷の炭坑の記憶も強くあったようです。今回、展示されていた戦前の代官山や渋谷の風景画は、今とはまったく違っていて面白かったです。 作風も、在学中から50年代頃までは具象画を描いていますが、1952年からのパリ時代に、抽象画と呼ぶような作風にかわっていきます。 しかしながら野見山氏は、それらの作品を、抽象画ではないと言います。制作過程を簡単にいうと、新聞や雑誌の切り抜き写真から、一部だけのイメージをピックアップ。そして本来あった具体的なイメージを分解し拡大縮小などイメージ操作をすることで、新しい意味を与えるようなやり方だったそうです。また色々な形が画布の中で蠢いていくようなイメージとも言い表しています。 野見山氏は、1920年、福岡県 現在の飯塚市の炭坑業の家に7人兄弟の長男に生まれます。昔の人は子沢山ですね。中学の美術部の教師の影響で画家を志します。17歳の時、上京。翌年東京美術学校油絵科入学。22歳の時、繰り上げ卒業し従軍、満州へ。しかし病気のため福岡の療養施設に送還され、終戦を迎えます。 戦後、野見山氏は、色々な公募展に出品し、入選、さらに受賞や会員推挙など画家への道を邁進します。1952年ヨーロッパへ渡り、以後12年間、パリに住み、2度の個展開催、サロン・ドートンヌ会員推挙、日本では安井賞受賞など画家のキャリアを積み重ねます。ただパリで最初の妻を亡くすなど不幸にも見舞われました。 帰国後は、東京芸術大学の教授となり後進の指導にも力を注ぎます。また毎年のように展覧会での発表、壁画の制作や執筆など、その制作意欲は、2023年102歳で亡くなるまで衰えることはありませんでした。心よりご冥福をお祈りいたします。 ところで今回の展覧会のタイトルの「野っ原との契約」とは何のことでしょう。野見山氏は、「野っ原みたいなアトリエがいい、」と始まり、「実のところ絵も風化しなくちゃいけない。それが野っ原との契約だ」とエッセイに書き残しているそうです。野っ原、つまり自然と契約をしている画家は、描いた作品がのちに風化し朽ち果てることを覚悟しなくちゃいけない、と読み取れます。本展のカタログには、「しかしながら、それを知っていても、アーティストは作品を描き続け、作品が残る一縷の望みを託す人間の業のようなもの、を伝えたかったのでは」と解説してありました。 これらの作品は飽くなき探究者の言葉なきメッセージだったのではないでしょうか。 展覧会ページ 10月6日~12月25日 追悼 野見山暁治 野っ原との契約 練馬区立美術館(練馬区貫井) https://tokyo-live-exhibits.com/pum_tktt_nerimaartmuseum/ あおひと君(現代美術家 関根かんじ)ホームページ https://super-blue.com フェイスブック / tokyoliveexhihits ツイッター / exhibitslive Tumblr / tokyoliveexhibits インスタグラム / tokyoliveexhibits Youtube(あおひと君の週間アート情報) @aohitokun 英語版サイト https://japan-live-exhibits.com/
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自由と人間の尊厳が奪われつつあるんだ! 特集 北川民次展―メキシコから日本へ画 あおひと君の週間アート情報 10/7~10/13
アートを愛するみなさま!お元気ですか? あおひと君の週間アート情報は、展覧会に訪れて、サクっと内容をご紹介する展覧会レビューと、絵画、イラスト、工芸など、関東一都六県で開催される始まる展覧会をご紹介。毎週日曜日に更新するアートチャンネルです! こんな不安な時代だから、心を豊かにするアートが必要不可欠、エッシェンシャルなのです!アートは希望です! 今週の展覧会レビューをお届けします! 今週は、世田谷区砧公園にある、世田美こと世田谷美術館で11月17日まで開催されている、生誕130年記念 北川民次展―メキシコから日本へ、をご紹介します。 北川民次という画家は、今ではあまり有名ではないかも知れません。二科展の会長を務めることもあり、知る人ぞ知る画家かも知れません。あおひと君も国立近代美術館で、1、2点の作品を見た覚えはありますが、それほど興味は湧きませんでした。 しかし今回、アーティストの全体像を見せられてびっくりです! 自由への希求と人間の尊厳。この2つの願いが、エネルギッシュな作品を通してガンガン伝わってきたのです。 それは、美術館で、色々な作品の中に並べられた1、2点を見ただけではわかりませんでした。 その魅力は、北川民次の生きてきた道が、ほかの画家とはかなり違うことが影響しているのは明らかです。 北川民次は、1894年静岡県、現在の島田市に製茶業も営む地主農家に生まれます。絵画に興味を抱き、早稲田大学予科を中退。1914年、20歳でアメリカに渡ります。2年後ニューヨークで劇場の舞台背景を描く仕事をしながら、アート·スチューデンツ·リーグに通い、社会派の画家ジョン·スローンに学びます。同じ頃、国吉康雄や清水登之(しみず とし)らがいました。 3年後、ニューヨークの格差社会と、冬の寒さに嫌気がさし、南へ旅立ちます。そして1921年、メキシコにたどり着くのです。 当時、メキシコはディアス独裁政権から民主革命で自由を勝ちとったエネルギーが溢れ、ディエゴ·リベラをはじめメキシコ壁画運動が盛り上がっていたところでした。 北川もその洗礼を受け、壁画はただきれいに飾るのではなく、社会に向けたメッセージだ、画家も社会と向き合い、批判や見解を表現するのだ!と諭されるのです。 北川は、1936年までの20年ほどメキシコにいるのですが、前衛美術グループに属し社会運動に参加したり、野外美術学校の運営、教育指導などで日々を送ります。また日本人女性と結婚、娘を授かります。 帰国後は、二科展で発表、メキシコ時代から親交のあった藤田嗣治(つぐはる)に、大きな絵を描け、と助言も受け、大きな作品を精力的に描きます。池袋から妻の実家、愛知県瀬戸市に居を構え、美術教育や絵本制作にも力を注ぎます。 戦時中の、国家権力に反する意見や表現はできなかった時でも、北川は、国に従うふりをしながらも、シニカルで、暗に批判を込めた作品を描いています。それからも1989年に95歳で亡くなるまで、二科展会長やメキシコ再訪、絵画、版画、絵本、教育活動、執筆と多岐にわたって精力的に活動しました。 アメリカやニューヨークで味わった差別や格差、メキシコで体験した社会運動、第二次大戦、敗戦の日本の実態、のちの再興と経済成長。 北川民治は、その時代の変遷を身をもって体験しながら自らの表現活動によって、自由と人間の尊厳とは何か?を常に問いかけてきたアーティストでした。美術教育に熱心だったのも、子供の時から自由や尊厳を、表現で教えることが大切だとの思いからだと言われています。 今、周りを見ると、かわいい、きれい、無難な表現で埋め尽くされているような気がしてなりません。 今の世界は、お金が、生きるための目的となり、異端を炙り出し排除し、仕分けをするSNS監視体制に突き進んでいます。そんな世界に向かって、北川民次は、自由と人間の尊厳が奪われつつあるんだ!と警鐘を鳴らしているように思えてなりませんでした。 また2階展示室では、10月14日まで、アートディレクターの仕事―大貫卓也と花森安治が開催しています。「としまえん」の広告で一躍脚光浴びた広告業界のトップランナー大貫卓也氏と、雑誌『暮しの手帖』編集長花森安治の仕事を紹介しています。 展覧会レビュー 9月21日~11月17日 生誕130年記念 北川民次展―メキシコから日本へ/アートディレクターの仕事―大貫卓也と花森安治 世田谷美術館(世田谷区砧公園) あおひと君(現代美術家 関根かんじ)ホームページ https://super-blue.com フェイスブック / tokyoliveexhihits ツイッター / exhibitslive Tumblr / tokyoliveexhibits インスタグラム / tokyoliveexhibits Youtube(あおひと君の週間アート情報) @aohitokun 英語版サイト https://japan-live-exhibits.com/
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絵には不思議な力が秘められている! 特集 田中一村展 奄美の光 魂の絵画 あおひと君の週間アート情報 9/30~10/6
今週の展覧会レビューをお届けします! 今週は、上野公園の東京都美術館で12月1日まで開催されている「田中一村展 奄美の光 魂の絵画」をご紹介します。 田中一村は、1977年奄美大島で亡くなったのち、1984年NHK日曜美術館で紹介されたことがきっかけに、突然、有名になった日本画家です。生前、個展は一度も開催できず、公募展にも1回入選しただけの無名の画家でした。生涯独身だった一村は、50歳になると奄美大島に移住。69歳で亡くなるまで、奄美大島のエキゾチックな情景を描くことに没頭します。そのためか孤高·異端の画家とも呼ばれています。 田中一村は、1908年栃木県栃木市に生まれ、6歳の時、東京に移ります。父は仏像や調度品の木彫り師でした。6人兄弟の長男だった一村は父に習っていたのか、8歳の頃には大人顔負けの筆捌きを見せ、神童と呼ばれていました。また父の手伝いで木彫りの作品も作っていて当時の作品が残っていますが、めちゃくちゃうまい。 そんな一村は将来を嘱望されながら17歳で現在の藝大にあたる、東京美術学校日本画科に入学します。同期に東山魁夷や橋本明治(めいじ)らがいました。ところが2ヶ月で退学。それからの一村は、画壇のメインストリームから消えてしまいます。しかし独学で、南画や山水画などを熱心に研究しながら、絵を描き続けていました。 30歳で千葉に移住、畑を耕しながら晴耕雨読のような生活をはじめます。戦火も無事、くぐり抜け昭和22年、39歳ではじめて、青龍展という日本画の大御所、川端龍子(かわばた りゅうし)が主宰する公募展に生まれて初めて入選します。このとき柳一村という名前で出品しました。それまでは子供の時、父につけられた米邨という画号でした。 やっと苦労も報われメインストリームに入れたかと思われた一村。その次の公募展も入選しますが、自分の推しの作品が選ばれず、別の出品作の方が選ばれたため辞退してしまいます。かなり頑固、一途な性格だったようです。 ちなみに当時、日展、院展など著名な公募展が仕切る中央画壇という存在は、日本の美術界にとても大きな力をもっていました。画家として生きるためには、中央画壇で入選し、東京都美術館に飾られることは最低条件でした。一村は、その後も日展、院展などに出品し続けますが、入選することは一度もありませんでした。 かくいう一村は、絵描きで食えなかったように思えますが、意外なことに、神童と言われていた当時からファンが多かったようで、注文はかなりあったようです。今回の展覧会には、そういった支援者らが所有していたと思われる、色紙やデザインの仕事から大きな襖絵まで色々と展示されていました。今でも日本中から新たな作品が見つかっていて、800点近い作品が残っています。それらを見るとまったくの無名ではなかったようです。 何を思ったのか50歳になると千葉の家も作品も処分し、奄美大島に移住してしまいます。紬(つむぎ)工場で染色工として働き、蓄えができたら絵を描くという生活を繰り返します。のちに、日本のゴーギャンと例えられるように、田中一村の名を不動のものとする色鮮やかで、とてもユニークな南国の情景の日本画を次々と生み出していくのです。 それら奄美大島で描かれた南洋植物や魚など、独特なイメージの作品には強く魅せられてしまいます。また、一村の描くターコイズブルーや青は、奥深い透明感と輝きを放っていて、とても美しいのです。おそらくスーパーブルーの成分と似たものが入っているのでしょう。 さらに驚いたことは、絵の具が油絵のように分厚く盛り上げられて描かれていたことです。日本画は絹や和紙に描くので、水彩画のようなフラットなマチエール(質感)ばかりと思っていたから、意外な発見でした。 そんな最後まで中央画壇と無縁に、孤独に絵を描き続けていた一村も、69歳の時、心不全で旅立ちます。 1979年の3回忌に、島民有志たちは、「田中一村画伯遺作展」を開催しました。3日間だけの会期にも関わらず3000人もの観客が訪れます。その後もローカル紙や九州NHKで取りあげられますが、1984年、NHK日曜美術館で紹介されると、その人気は、瞬く間に日本中を駆け抜け不動のものとなったのです。 色々な作品を見て思うのは、いつの世も、どんなに不遇な環境や状況でも、いい作品は残るという奇跡です。残った作品は、よく見えるという声も聞こえてきそうですがそれは置いといて、いずれにしてもアートには、人智を超えた不思議な力が秘められているのです。 一村の絵から放たれるパワーが、自分の目指した理想郷を追い求め、描き極めたと如実に語っているように思えた、見応えのあるいい展覧会でした。 展覧会レビュー 9月19日~12月1日 田中一村展 奄美の光 魂の絵画 東京都美術館(台東区上野公園) https://tokyo-live-exhibits.com/pum_tktt_tokyotobijutsukan/ Tokyo Live&Exhibits https://tokyo-live-exhibits.com/ 関東一都六県のギャラリー·美術館·劇場と展覧会·イベント情報を配信するアート情報ウエブメディア。美術館の無料入場券プレゼント実施中! 音楽 Artlistより 01 A Carousing Consort - Bransle de Montirande 02 I Want You Brothers in Groove 03 Ohad Ben Ari - Prelude Dm Bach 04 Adrián Berenguer - Discipline あおひと君(現代美術家 関根かんじ)ホームページ https://super-blue.com フェイスブック / tokyoliveexhihits ツイッター / exhibitslive Tumblr / tokyoliveexhibits インスタグラム / tokyoliveexhibits Youtube(あおひと君の週間アート情報) @aohitokun 英語版サイト https://japan-live-exhibits.com/ #現代アート #パフォーマンス #あおひと君 #Aohitokun #Contemporaryart #Japaneseculture #田中一村 #Tripjapan #japanesepainting #東京都美術館 #ワークショップ # #現代美術 #ギャラリー #展覧会 #個展 #画廊 #イベント #動画 #TokyoLiveExhibits #イラスト #写真 #古美術 #MOT #陶磁器 #日本画
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100年前と似ている今の世界! あおひと君の週間アート情報 9/23-9/29 両大戦間のモダニズム:1918-1939 煌めきと戸惑いの時代 町田市立国際版画美術館
あおー地球は青い!あおひと君の週間アート情報! アートを愛するみなさま!お元気ですか? あおひと君の週間アート情報は、あおひと君みずから、開催されている展覧会に訪れて、サクっと内容をご紹介する展覧会レビューと、絵画、イラスト、工芸など、関東一都六県で開催される始まる展覧会情報5件をご紹介。毎週日曜に更新するアートチャンネルです! アートは希望です!こんな不穏な時代だからこそ、心を豊かにするアートが必要不可欠、エッシェンシャルなのです! さっそく、今週の展覧会レビューをお届けします! 今回、東京都町田市の町田市立国際版画美術館で12月1日まで開催されている「両大戦間のモダニズム:1918-1939 煌めきと戸惑いの時代」を見に行ってきました。 この美術館は、小田急線、JR町田駅より歩いて15分ほどの芹が谷公園の一角にあります。 版画美術に特化した町田市が運営する施設で、版画や関連資料の収集保存、版画の実技指導などを行なっています。 版画芸術は、15世紀頃からヨーロッパで使われ始めた絵画手法の一つです。 日本では、木版画の浮世絵が特に有名ですね。版を使って同じものを複数、作れる版画は、すでに仏教と共に6世紀の飛鳥時代に日本には伝来していました。 世界最古の木版で刷った法隆寺に伝わる経典は、770年ころとされています。 しかし当時は経典など文字を複製する手段でした。のちにヨーロッパでは15世紀頃より美術作品でも使われるようになります。 この思ったより奥が深い版画です。今回の展覧会では、第一次世界大戦から第二次世界大戦の間の、煌めきから戦争の混迷期の20年間に焦点をあてて、230点にもおよぶ版画作品を展示していました。 4部屋ある展示室を時代で分けた展示構成でした。最初の部屋が、「両大戦間」に向かって:Before 1918。1914年に勃発した第一次世界大戦以前のベル・エポックと呼ばれたフランスなどの華やかさと、かたや貧富の差の拡大、列強諸国の軍事強化を敏感に感じ取ったアーティストの感性が見て取れます。 主な出品作家 フェリックス・ヴァロットン、アンドレ・エレ、テオフィル・アレクサンドル・スタンラン、ジョルジュ・ルオー 次の展示室は、煌めきと戸惑いの都市物語のタイトルで、都市をテーマとする作品やファッション雑誌、絵本などの印刷物、両大戦間のフランス、アメリカ、日本、ドイツ、ロシアでの作品を展示していました。 主な出品作家 ジョルジュ・バルビエ、マックス・ベックマン、エル・リシツキー、竹久夢二、藤田嗣治 3部屋目は、モダニズムの時代を刻む版画と題し、「抽象表現」「挿絵本文化」「シュルレアリスム」という3つのキーワードから紹介します。 主な出品作家 ピエト・モンドリアン、ソニア・ドローネー、マックス・エルンスト、マン・レイ、サルバドール・ダリ、ジョアン・ミロ、長谷川潔 最後の部屋は、「両大戦間」を超えて:After 1939。1939年の第二次世界大戦の勃発によるアーティストたちの変化や戦後の展開に注目。最後にフェルナン・レジェの戦争の遠い記憶と自然の再生への願いが込められた『サーカス』が展示されていました。 主な出品作家 ジャン・フォートリエ、スタンレー・ウィリアム・ヘイター、イヴ・タンギー、アンドレ・マッソン、ルイーズ・ネヴェルソン、フェルナン・レジェ 常設展示室では同時開催の特集展示「明治時代の歴史物語―月岡芳年(ヨシトシ)を中心に」が開催されていました。 さて、展覧会を見終わってみて、版画は、キャンバスなどに描かれた一品作品とは違う、紙をメインに版を介して表現される制約があるものの、作品から放たれるエネルギーは、一品作品と遜色のない緊張感、新鮮さや生命感を感じさせるものでした。 この展覧会では、100年前の世界を、感性豊かなアーティストたちの版画作品に焦点をあてています。その華やかさ、幸福感と、その裏に潜んだ格差社会、列強の軍事強化、商業主義の台頭とモラルハザードなど、今、この2024年に、そのまま当てはめても、ほとんど違和感がないのに少し驚かされました。いつの時代もアーティストの鋭い感性は、人間の進むべき道の一歩先を照らす光を放っていると感じた、とても興味深い展覧会でした。 アートは本物を直接、見るのが一番です。 アートは希望です!感動はエネルギーの源です! みなさま、これからもアート情報ウエブメディアTokyo Live&Exhibitsともども、ご愛顧のほどどうぞよろしくお願いします! 展覧会レビュー 9月14日~12月1日 両大戦間のモダニズム:1918-1939 煌めきと戸惑いの時代 町田市立国際版画美術館(東京都町田市) https://tokyo-live-exhibits.com/pum_tkmcd_machidacityprintartmuseum/
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女性ヌードはどうなっちゃう?! あおひと君の週間アート情報 9/16-9/22 黄土水とその時代— 台湾初の洋風彫刻家と20世紀初頭の東京美術学校 東京藝術大学大学美術館
あれ?!上野公園の池が一つない! あおー地球は青い! アートを愛するみなさま!お元気ですか? あおひと君の週間アート情報は、展覧会レビューと関東一都六県で開催される絵画、イラスト、工芸など、9月16日、月曜から9月22日、日曜までに始まる展覧会情報5件をご紹介。毎週日曜に更新するアートチャンネルです! 9月に入って、まだまだ東京は残暑が厳しいですが、芸術の秋に向かって、展覧会、イベントが目白押し! アート情報ウエブサイトTokyo Live&Exhibitsの更新作業がたくさんありすぎて、てんてこまい! しかししかしかし!少しでもアートファンのお役に立てると思えば、そんな苦労は屁の青かっぱです! こんな不穏な時代だからこそ、心を豊かにするアートが必要不可欠、エッシェンシャルなのです! さあ、今週の展覧会レビューです!上野の東京藝術大学美術館で始まった「黄土水とその時代— 台湾初の洋風彫刻家と20世紀初頭の東京美術学校」をお届けします。 黄土水(こうどすい)は、台湾人として初めて、藝大の前身、東京美術学校に入学。高村光太郎の父、高村光雲に師事。1920年から4回続けて帝展にも入選した彫刻家です。卒業後、池袋に住みながら制作していましたが、惜しくも1930年、腹膜炎で36歳という若さで亡くなってしまいます。今日まで日本では無名に近い彫刻家です。 しかしながら台湾では、近代台湾美術界のリーダー的存在でもありました。 本展覧会の主役で1921年帝展入選作でもある代表作「甘露水」。大理石でできた高さ170cmほどの等身大の彫像です。2023年に台湾の国宝に指定されます。「甘露水」とは「日照りの後の恵みの雨」や、観音菩薩が持つつぼの聖水のことだそうです。遠くから見ても、菩薩のようなその優美な気品と高貴さが、強いオーラとなって放たれているのを感じます。 この作品ですが、黄土水が他界後、夫人により台湾教育会館に寄贈されました。その後、忘れ去られたも同然だった作品を、1958年より2021年まで、ある医師が保管し続け、その後、国立台湾美術館に引き渡され、再び、日の目を見ることになったのです。 黄土水は、15年の短い日本での活動期間でしたが、それなりにパトロンもついて、政治家や有力者などの彫像などを制作しました。しかし彫像も受注するのも簡単ではなかったようで、売れやすい動物なども手がけています。そういった数少ない、いくつかの作品も展示されていました。 また今回、黄土水が学んだ高村光雲はじめ、東京美術学校時代の教師や同時代の作品も展示されていました。教科書に出てくるような有名の作品もあり、見応えは十分でした。 ところで余談になりますが、甘露水は、若い女性の裸体の彫刻作品です。当時の男性社会の目線がこっそり隠れているとも指摘されます。明治時代も後半、裸体の絵画は風紀を乱す、といい官憲から咎められることもあったといいます。それが大正時代になると絵画など作品として認められるように変わりました。裏を返せば、時代が男権社会だった、と言えるのかもしれません。 今後、女性の裸体の作品を制作したり、過去のそういった作品を評価するということは、アートと社会の関わりの中で複雑な問題を引き起こすのかもしれません。 いや、すでにインターネットの中では、AIのセンサーシップに引っかかるのです。今回の展覧会キービジュアルをあるSNSにアップしたら、早速、アラートが出たのです。これからどうなるのでしょう。 さて美術館を出て、上野駅の方へ向かうと、ミュージアムショップのような藝大アートプラザがあります。ここでは教職員、藝大生、卒業生の作品や商品を展示、販売しています。訪れた時は、「藝大アートプラザ・アートアワード受賞者招待展~藝大の星~」が開催されていました。入場無料です。 さあ、今週の展覧会レビューはいかがでしたでしょうか。 続けて今週、始まる展覧会から5件をご紹介。 これからご紹介する展覧会で、面白そう、興味ある、行きたい!と思われた方は、下の概要欄に東京ライブ&エキヒビッツの掲載ページのURLを記載しておきますので、詳しい情報や作品画像など、ぜひご覧ください! アートは本物を直接、見るのが一番です。 アートは希望です!感動はエネルギーの源です! みなさま、これからもアート情報ウエブメディアTokyo Live&Exhibitsともども、ご愛顧のほどどうぞよろしくお願いします! では今週のアート情報、スタート!ブルブル -----展覧会情報9/16-9/22 展覧会レビュー 9月6日~10月20日 黄土水とその時代— 台湾初の洋風彫刻家と20世紀初頭の東京美術学校 東京藝術大学大学美術館(台東区上野公園) https://tokyo-live-exhibits.com/pum_tktt_theuniversityartmuseum/ 企画展「藝大アートプラザ·アートアワード受賞者招待展~藝大の星~」 藝大アートプラザ(台東区上野公園) https://tokyo-live-exhibits.com/pug_tktt_geidaiartplaza/ 9月13日~9月29日 ムーンアートナイト下北沢2024 下北線路街ほか(世田谷区北沢) https://tokyo-live-exhibits.com/event_moonartnight-shimokitazawa/ 展覧会情報 9月18日(水)~11月10日(日) 没後300年記念 英一蝶 ―風流才子、浮き世を写す― サントリー美術館(港区赤坂) https://tokyo-live-exhibits.com/pum_tkmnt_suntorymuseumofart/ 9月19日(木)~12月1日(日) 田中一村展 奄美の光 魂の絵画 東京都美術館(台東区上野公園) https://tokyo-live-exhibits.com/pum_tktt_tokyotobijutsukan/ 9月21日(土)~11月17日(日) 生誕130年記念 北川民次展―メキシコから日本へ/アートディレクターの仕事―大貫卓也と花森安治 世田谷美術館(世田谷区砧公園) https://tokyo-live-exhibits.com/pum_tkstg_setagayaartmuseum/ 9月21日~12月1日 アルフォンス·ミュシャ ふたつの世界 府中市美術館(府中市浅間町) https://tokyo-live-exhibits.com/pum_tkfc_fuchucityartmuseum/ 9月21日(土)~11月9日(土) コア·ポア 、レンベル·ヤワルカーニ二人展「Myth In Motion」 KOTARO NUKAGA(六本木)(港区六本木) https://tokyo-live-exhibits.com/pug_tkmnt_kotaronukaga/ Tokyo Live&Exhibits https://tokyo-live-exhibits.com/ 関東一都六県のギャラリー·美術館·劇場と展覧会·イベント情報を配信するアート情報ウエブメディア。美術館の無料入場券プレゼント実施中! 音楽 Artlistより 01Ian Post - Variation 7 02 Marco Martini - Mirrors Sometimes Lie 03 Simon Berggren - Pursue 04 La Nata - Mau Mau SNSフォローもよろしくお願いします。 あおひと君(現代美術家 関根かんじ)ホームページ https://super-blue.com フェイスブック https://www.facebook.com/tokyoliveexhihits/ ツイッター https://twitter.com/ExhibitsLive Tumblr https://tokyoliveexhibits.tumblr.com/ インスタグラム https://www.instagram.com/tokyoliveexhibits/ Youtube(あおひと君の週間アート情報) @aohitokun 英語版サイト https://japan-live-exhibits.com/ #現代アート #パフォーマンス #あおひと君 #Aohitokun #Contemporaryart #Japaneseculture #港区 #Tripjapan #japanesepainting #泉屋博古館 #ワークショップ # #現代美術 #ギャラリー #展覧会 #個展 #画廊 #イベント #動画 #TokyoLiveExhibits #イラスト #写真 #古美術 #MOT #陶磁器
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アートブーム?!あおひと君の週間アート情報 9/9-9/15 表参道から渋谷へギャラリー巡り/DIC川村美術館の休館決定!企画展 西川勝人 静寂の響き
あおー地球は青い!あおひと君の週間アート情報! 今週もやってきました!アートを愛するみなさま!お元気ですか? まず最初に、今週は、外苑前から渋谷にあるギャラリーをいくつかご紹介したいと思います。ここ数年、青山、表参道、原宿、渋谷周辺に、ギャラリーがかなり増えています。クールジャパンから火がついた、世界基準となったキャラクター絵画やカワイイ系の絵画・イラストの人気が、ギャラリー需要を後押ししているように思われます。特に観光スポットの表参道、渋谷はインバウンド効果も期待できますしね。 現在、Tokyo Live&Exhibitsには、表参道、渋谷周辺で、60件くらいのギャラリーが登録されています。 地下鉄銀座線外苑前駅を降りて、熊野神社に向かって4分くらい歩くと、多摩美術大学のサテライトギャラリーUp&Comingがあります。8月28日から9月28日まで、シグニフィカント・バガテルズ、上村可織 草野温子 立岩有美子(タテイワ) 橋本若葉(わかば)によるグループ展が開催中です。 そこから1分くらい歩くとトキアートスペースです。訪れた時は、瀬戸理恵子作品展 一断面から見えてくるもの一をやっていました。段ボールを素材にした立体作品です。9月3日(火)から9月15日(日)までは、河合悦子展「移ろいゆく」が開催されています。 表参道を渋谷へ向かう途中にあるgalleryCOMMON。青山通りから住宅街のかなり奥まったところにあるギャラリーです。半地下にある天井も高く広いスペースです。こちらでは新進気鋭のアーティスト12人のグループ展「Eudaemoniaユーダイモニア」が開催されていました。 「Eudaemonia」(ユーダイモニア)とは、ギリシャ語で《幸福》という意味で、アリストテレスが唱えた「善き人生」という哲学用語です。その意味は、特有の能力を活かした方法で生きることが、 自身にとって本当の《幸福》な状態につながると説いたものだそうです。拝金主義に縛られた現在、ある種の限られた能力しか活かすことができない厳しい時代ですが、アーティストたちは、そんなことは意にかいさず、自分が描いた幸福の実現に向かって果敢に挑戦するのです。だからこそ作品で心が動かされるのではないでしょうか。 そこからキャットストリートへ向かうと、最近できたtHE GALLERY OMOTESANDOがあります。ここでは9月6日(金)~9月29日(日)NEUNOA(ニューノア) SOLO EXHIBITION「LESS THAN / MORE THAN」が開催中です。 キャットストリートを渋谷へ向かって歩いていくと、路面の結構広いスペースが目に入ってきます。ここも最近オープンしたギャラリー、Creative space Akademeia 21 Harajukuです。現代美術家・原伸一率いる、愛の循環、地球の循環をコンセプトに、アニマルポップアート集団として活動するGhost Angelの個展「SUPER LOVE DOG展」が開かれていました。 そして最後に訪れたのは、宮下公園を屋上に移動してしまった商業施設、MIYASHITA PARKの3階にあるギャラリーSAIです。こちらではすでに終わりましたが、菅原ありあ “Black Water”が開催されていました。 表参道、渋谷にはたくさんのギャラリーがあって1週間あっても回りきれないかもしれません。アートが人気な証拠ですね。現代美術はもとより、以前は雑誌など紙媒体で活躍できたイラストレーターたちも、ネットに発表の場を移して、さらなる人気に拍車がかかっているようですが、彼らもこぞって展覧会を開催しているのをみると、やはり1点もののオリジナル作品に魅力があるということかもしれません。 やはりアートは本物を見るのがいちばんです! 次は、残念なニュースをお伝えしなければなりません! アートブームだといったばかりですが、なんと千葉県佐倉市にあるDIC川村美術館が、美術館のダウンサウジングや移転、閉館までもを視野に入れて、2025年1月からの休館を発表しました。 同美術館は、マーク・ロスコ、ステラをはじめ古今東西の名画の秀逸なコレクションはとても有名です。アートファンのZOZOタウンの前澤氏も支援を申しいれているほど。なお佐倉市は、美術館存続のための署名運動を始めています。あおひと君も一筆入れました。 ちなみに現在、同美術館では、9月14日(土)より最後の企画展になるかもしれない、西川勝人(かつひと) 静寂の響き が開催されます。 西川氏は、1949年生まれ。23歳の時、バウハウスに心惹かれドイツに留学。以降、ドイツで制作を続けています。 西川氏の作品は、静謐でストイックなフォルムが特徴です。これらの作品からは物質と欲望が溢れたこの騒がしい世界を歯牙にも掛けない、毅然とした崇高なエナジーが感じられ、見るものを引き込みます。 それも郊外の緑に囲まれた雑音が少ない環境だからこそ、作品群のエネルギーをよりたくさん感受できるのではないでしょうか。 作品は、それぞれ独自のエネルギーを発しています。そのエネルギーは、人間社会が発する色々な電波や振動など多くの波動と干渉するのです。その波動は人それぞれの経験や精神状態によって変わります。 作品の見えない魅力が伝わって、感動も倍増するのだと信じて疑いません。ちなみにあおひと君は、スピリチュアル系ではないです。あくまで経験からそう感じているというお話です。 兎にも角にも同美術館の存続を心より祈っています。 アートは本物を見るのがいちばんです! アートは希望です!感動はエネルギーの源です! ではまた来週!ブルブルブルー -----展覧会情報 8月28日~ 9月28日 SIGNIFICANT BAGATELLES Up & Coming(渋谷区神宮前) https://upandcoming.tamabi.ac.jp/exhibitions/n004/ 9月3日~9月15日 河合悦子展 「移ろいゆく」 トキ・アートスペース(渋谷区神宮前) https://tokyo-live-exhibits.com/pug_tksh_toki-artspace/ 8月24日~9月22日 グループ展「Eudaemonia」 Gallery COMMON(渋谷区神宮前) https://tokyo-live-exhibits.com/pug_tksh_gallerycommon/ 9月6日~9月29日 NEUNOA SOLO EXHIBITION「LESS THAN / MORE THAN」 tHE GALLERY OMOTESANDO(渋谷区神宮前) https://tokyo-live-exhibits.com/pug_tksh_thegalleryomotesando/ 8月15日~9月16日 SUPER LOVE DOG展 Creative space Akademeia 21 Harajuku(渋谷区神宮前) https://tokyo-live-exhibits.com/pug_tksh_creativespaceakademeia21harajuku/ 8月23日〜9月8日 菅原ありあ “Black Water” SAI(渋谷 MIYASHITA PARK) https://tokyo-live-exhibits.com/pug_tksh_sai/ 9月14日~2025年1月26日 西川勝人 静寂の響き DIC川村記念美術館(千葉県佐倉市) https://tokyo-live-exhibits.com/pum_stmskr_kawamuramemorialdicmuseum 来週もよろしくお願いします!
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今週もよろしくです!アートの秋が来る!あおひと君の週間アート情報 9/2-9/8 特集 昭和モダーン モザイクのいろどり 板谷梅樹の世界 泉屋博古館東京
あおー地球は青い!あおひと君の週間アート情報! アートを愛するみなさま!お元気ですか? 先日、下北沢駅前で盆踊りをやってました!日本の夏、ジャパンの夏! 気温もやっと下がってきたようで、夏も終わりに近づいたようです。 これからは文化の秋、アートの秋がやってきます! 今週の展覧会レビューは、六本木にある泉屋博古館東京で開催されている特別展 昭和モダーン モザイクのいろどり 板谷梅樹(いたや・うめき)の世界と、「特集展示 住友コレクションの茶道具」をお届けします。 展覧会レビュー 8月31日~ 9月29日 特別展 昭和モダーン モザイクのいろどり 板谷梅樹の世界・同時開催 「特集展示 住友コレクションの茶道具」 泉屋博古館東京(港区六本木) https://tokyo-live-exhibits.com/pum_tkmnt_senoku-hakukokan-tokyo/ 石やガラスなど絵の具の代わりに使って表現するモザイク。残された作品も少なく、その名はしばらく忘れさられていた、戦前から戦後のかけて、モザイク画で活躍した板谷梅樹の作品を一堂に集めた初の展覧会です。 梅樹は、明治40年(1907)東京・田端に陶芸家 板谷波山の五男として生まれました。18歳で明治大学を中退し、単身ブラジルへ渡航するも一年で帰国。帰国後、波山の友人で、日本のステンドグラスの先駆者・小川三知(サンチ)の工房に出入りします。 昭和8年(1933)、日本劇場一階玄関ホールのために、陶片などを用いて高さ3mの巨大モザイク壁画を制作(現存せず)。第14回帝展に同作を元にした壁画を出品し初入選、以降、日展を中心にモザイク作家として活動しましたが、惜しくも昭和38年(1963) 56歳で亡くなりました。 梅樹がモザイク作家になったきっかけは、父、板谷波山の仕事場にあった、たくさんの砕かれた陶片に魅せられたとも言われています。 会場に入るとまず、エントランスホールに高さ約370㎝におよぶモザイク作品が目に入ります。昭和29年(1954)に横浜市の依頼で梅樹が制作した《三井用水取入所風景(みいようすいとりいれじょふうけい)》。なんと作品の重さは800Kg。モザイク画は石、陶片、モルタルなどで制作されるため重いのですね。 展示室1では、梅樹のモザイク作品、展示室2では「日常にいろどりを」と題し、ステンドグラスのランプシェードや装身具などの工芸作品が展示されていました。ペンダント、帯留などは銀座・和光で販売していたそうです。 展示室3には、住友コレクションと板谷家と題し、住友家15代当主、住友吉左衛門友純(ともいと)が集めた梅樹の父、近代陶芸の巨匠、板谷波山と妻まる、長男菊男の作品を展示。 最後の展示室「住友コレクションの茶道具」では、小井戸茶碗 銘 六地蔵と野々村仁清「唐物写十九種茶入」が陳列されていました。 近年、梅樹の再評価の機運が高まっていると言います。モザイク画は、古代ギリシャの遺跡でも多く発掘されているように、石材やガラス、陶片などで制作されているため、キャンバスに絵の具で描かれた絵画に比べ劣化しにくい特徴があります。かたや建築物と一体になっていることが多いため、災害や解体で破壊される不幸にも見舞われてしまいます。 絵の具とはまた違った質感はとても新鮮で、数少ない残された梅樹の作品からは昭和モダニズムを彷彿させる奥深い輝きを放っていました。 アートは本物を直接、見るのが一番です。 アートは希望です!感動はエネルギーの源です! みなさま、これからもアート情報ウエブメディアTokyo Live&Exhibitsともども、ご愛顧のほどどうぞよろしくお願いします! -----展覧会情報9/2-9/8 9月3日(火)~12月22日(日) MOMATコレクション 「シュルレアリスム100年」、「生誕100年 芥川(間所)紗織」、「フェミニズムと映像表現」ほか 東京国立近代美術館 (MOMAT)(千代田区北の丸公園) https://tokyo-live-exhibits.com/pum_tkchy_national-modernart-museum-col 9月3日(火)~10月23日(水) 上西祐理 Now Printing ギンザ·グラフィック·ギャラリー(中央区銀座) https://tokyo-live-exhibits.com/pug_tkchu_ginzagraphicgallery/ 9月3日(火)~11月10日(日) 柳原良平(ヤナギハラ·リョウヘイ) ごきげんな船旅 茅ヶ崎市美術館(神奈川県茅ヶ崎市) https://tokyo-live-exhibits.com/pum_kncgs_chigasakicitymuseumofart/ 9月6日(金)~10月20日(日) 黄土水とその時代 — 台湾初の洋風彫刻家と20世紀初頭の東京美術学校 東京藝術大学大学美術館(台東区上野公園) https://tokyo-live-exhibits.com/pum_tktt_theuniversityartmuseum/ 9月7日(土)~11月24日(日) 展覧会「没後50年 映画監督 田坂具隆」 国立映画アーカイブ(中央区京橋) https://tokyo-live-exhibits.com/pum_tkchu_nationalfilmarchieve02/ 来週もよろしくです!
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アートはエッセンシャルです!コンテキストあおひと君の週間アート情報 8/26-9/1 特集 MOTコレクション 竹林之七妍/特集展示 野村和弘/Eye to Eye—見ること 東京都現代美術館
毎週日曜に公開するあおひと君の週間アート情報は2年目の配信に入ります! アートは希望です!感動は再生可能エナジーです!アートはエッセンシャル(人間にとって必要不可欠なもの)です! アートの素晴らしさを一人でも多くの方々に知ってもらえれば、と期待して、アート情報をお届けします!みなさま、よろしくお願いします! 今週の展覧会レビューも引き続き、東京都現代美術館で8月3日より11月10日まで開催されているMOT コレクション 竹林之七妍/特集展示 野村和弘/Eye to Eye—見ることをお届けします。 コレクション展は3つのテーマで構成されています。 1階会場に入るとまず、最初のテーマ展示「竹林之七妍(ちくりんのしちけん)」です。このタイトルは河野通勢(こうのみちせい)の作品名に由来し、古代中国の7人の賢者「竹林の七賢」を、時代や文化といった背景の異なる7人の女性作家に例えています。間所(まどころ)紗織、高木敏子、漆原英子、小林ドンゲ、前本彰子、福島秀子、朝倉摂の7名の女性作家に焦点を当てています。 続いて1階フロアーでは、1958年生まれのアーティスト、野村和弘の特集展示へと続きます。初期作品から近作までを紹介。ボタンやイヤリング、指輪、玩具といった既製品を手掛かりに、パフォーマンスの要素を含めたコンセプチュアルな制作を続けているアーティストです。 3つ目の特集展示は「Eye to Eye—見ること」と題し、様々な視線の在り方に着目して作品を構成。アレックス・カッツ、中村宏、中園孔二、多田美波、モニール・ファーマンファーマイアンなど、多岐にわたる作品を紹介。また絵画は「見るもの」ということを真摯に問い続けてきた画家、長谷川繁を一部屋を使って展示していました。 さすが、分館を除くと展示スペース日本一の広さをほこる現代美術館です。今月、3週間にわたって同美術館で開催されている企画展示3本をお届けしました。丸一日いても全部を見られないくらい充実していました。 これだけたくさんの現代アートを時代に沿って眺めると、現代アートは難解だ、意味不明と思っていたモヤモヤがスッと消え去っていく清々しさにワクワクするかもしれません。 なぜなら1人だけアーティストの個展や、1テーマで集めた作品ばかりを見ただけではわからない、現代アートの全体像が炙り出されてくるからです。専門用語で言うコンテキスト(文脈)というやつです。 現代アートの本当の魅力は、作品に秘められた、脈々と連なる進化し続ける創造力の刻印を見つけることなのです。大げさに聞こえるでしょうが、それは人間の存在証明でもあると思っている今日この頃でした。アートはエッセンシャル(人間にとって必要不可欠なもの)です! 展覧会レビュー 8月3日~11月10日 MOT コレクション 竹林之七妍/特集展示 野村和弘/Eye to Eye―見ること 東京都現代美術館(MOT)(江東区三好) https://tokyo-live-exhibits.com/pum_tkkt_metropolitanartmuseum/ Tokyo Live&Exhibits https://tokyo-live-exhibits.com/ 関東一都六県のギャラリー・美術館・劇場と展覧会·イベント情報を配信するアート情報ウエブメディア。美術館の無料入場券プレゼント実施中! -----展覧会情報8/26-9/1 8月29日(木)~9月2日(月) 岡碧幸(おか みゆき) 個展『イン・サイチュ・絶対』 クマ財団ギャラリー(港区六本木) https://tokyo-live-exhibits.com/pug_tkmnt_kumazaidangallery/ 8月30日(金)~10月14日(月) 五月女 哲平(そうとめ てっぺい)「GEO」 art cruise gallery by Baycrew’s(港区虎ノ門) https://tokyo-live-exhibits.com/pug_thmnt_artcruisegallery/ 8月30日(金)~9月28日(土) NANJO SELECTION vol. 5 友沢こたお 個展『Réflexion』 N&A Art SITE(目黒区上目黒) https://tokyo-live-exhibits.com/pug_tkmgr_naartsite/ 8月31日(日)~9月8日(日) 西丸式人の水彩ワールド ~宇宙にただよう光をとどめて~ ギャラリーWABI(中央区銀座) https://tokyo-live-exhibits.com/pug_tkchu_gallerywabi/ 8月31日(土)~2025年1月5日(日)テーマ展示『鞍馬天狗 誕生100年』大佛次郎記念館(横浜市中区) https://tokyo-live-exhibits.com/pum_knykh_osanagijiromuseum/ SNSフォローもよろしくお願いします。 フェイスブック https://www.facebook.com/tokyoliveexhihits/ ツイッター https://twitter.com/ExhibitsLive Tumblr https://tokyoliveexhibits.tumblr.com/ インスタグラム https://www.instagram.com/tokyoliveexhibits/ Youtube(あおひと君の週間アート情報) @aohitokun 英語版サイト https://japan-live-exhibits.com/ あおひと君(現代美術家 関根かんじ)ホームページ https://super-blue.com #現代アート #パフォーマンス #あおひと君 #Aohitokun #Contemporaryart #Japaneseculture #江東区 #Tripjapan #japanesepainting #東京都現代美術館 #ワークショップ # #現代美術 #ギャラリー #展覧会 #個展 #画廊 #イベント #動画 #TokyoLiveExhibits #イラスト #写真 #古美術 #MOT 音楽 Artlistより 01 Raviv Leibzirer - Variations on Ah vous dirai-je Maman - Var 6 02 Lance Conrad - Fortitude 03 Ballerina Yehezkel Raz 04 ZISO - Benji Stacks - Instrumental Version
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1年間続きました!アートは再生可能エナジーだ!あおひと君の週間アート情報 8/19-8/25 展覧会レビュー 開発好明 ART IS LIVE―ひとり民主主義へようこそ 東京都現代美術館(MOT)
あおー地球は青い!あおひと君の週間アート情報! アートを愛するみなさま!やりました! 毎週日曜に公開するあおひと君の週間アート情報、1年間休まず54回やり遂げました!これもひとえにみなさまのご支援、ご視聴のおかげです。心より感謝申し上げます。 アートは希望です!感動は再生可能エナジーです!アートの素晴らしさを一人でも多くの方々に知ってもらえれると思えば、休めません! あおひと君に託されたスーパーブルー探査ミッションはなかなかはかどりません。しかしここ地球には、素晴らしいアートがたくさんあります。なので感動と深いつながりのあるスーパーブルーも必ず見つけることができると信じています。 これから何回続くか、わかりませんが、あおひと星から急遽、帰還命令が出ない限り、週間アート情報は続けていくつもりです。 みなさま、よろしくお願いします! 今週の展覧会レビューは、先週の高橋龍太郎コレクションに引き続き、東京都現代美術館で8月3日より11月10日まで開催されている 開発好明 ART IS LIVE ―ひとり民主主義へようこそをお届けします。来週は、3つ目のMOTコレクション展をご紹介する予定です。 東京都江東区三好にある東京都現代美術館は、1995年3月に開館。現在約5800点余りのコレクションと蔵書28万点を上野の東京都美術館からその役目を受け継ぎ、所蔵。建物は、初台の新国立劇場、オペラシティなども設計した故柳澤孝彦氏が手がけました。 開発好明(かいはつよしあき)氏は、1966年、山梨県生まれ。多摩美術大学大学院を卒業。彼の作品は、キャンバスなどに描かれるものや、石や金属などで作られる彫刻とは違います。これがアート?作品?と首を傾げるようなものかもしれません。 現代アートは、ダ・ヴィンチ、ゴッホ、ピカソなどのような絵ばかりではありません。部屋全体を作品にしてしまうインスタレーション、映像、デジタルアート、パフォーマンスなど多岐にわたっています。 アーティストたちは、まだ踏み入れたことのない未開の地平に創造という乗り物で乗り込んでいく冒険家に似ているのかもしれません。 現代アートは、アーティストが、自分の未来はあっちだ!と目指して突き進んでしまうので、興味のない人々にとっては、まったく意味のわからない世界になってしまうのです。 でもそのうちのいくつかの彼らの発見、つまり作品は、感動を呼び起こす素晴らしい仕事に変化するから面白いのです。 さて開発氏の作品は、日々の生活や社会現象などを巻き込み、人々をも巻き込んで、コミュニケーションを図りながら共同して作っていくようなアクションです。 例えば、毎年3月9日をアートの記念日とする「39(サンキュー)アートの日」の発案したり、自分や友達に書いた手紙が1年後に届く《未来郵便局》を実施したり、「誰もが先生・誰もが生徒」を合言葉に授業が行われる《100人先生》などです。 それら社会構造や制度、共同体、出来事への個人的な介入という開発氏の創作活動は「ひとり民主主義」と言われました。 皆の参加を前提とする民主主義とは違い、一人でアクションを提示することで、一致団結した運動体ではないからこそ、個々がお互いに反応(リアクション)することができ、それが連鎖的に人々を巻き込むことで活動(アクション)が生まれていく、という意味なのだそうです。 この展覧会では、開発氏が今まで行ってきた約50点の作品・プロジェクトを紹介。作品から発せられるユーモアや独自の哲学を通して、深刻にならず、ポジティブに笑いを誘う、これからの私たちの世界のあり方を考えさせられた面白い展覧会でした。 チャンネル登録、高評価よろしくお願いします! 展覧会レビュー 8月3日~11月10日 開発好明 ART IS LIVE ―ひとり民主主義へようこそ 東京都現代美術館(MOT)(江東区三好) https://tokyo-live-exhibits.com/pum_t... Tokyo Live&Exhibits https://tokyo-live-exhibits.com/ 関東一都六県のギャラリー・美術館・劇場と展覧会·イベント情報を配信するアート情報ウエブメディア。美術館の無料入場券プレゼント実施中! -----展覧会情報8/19-25 8月19日(月)~8月27日(火) 馬 莉(ま り)展「漆彩童心」 ギャラリー上田(中央区銀座) https://tokyo-live-exhibits.com/pug_t... 8月22日(木)~9月23日(月・振替休日) 館蔵品展 もっと魅せます!板橋の前衛絵画 シュルレアリスムとアブストラクト・アート 板橋区立美術館(板橋区赤塚) https://tokyo-live-exhibits.com/pum_t... 8月22日(木)~8月25日(日)『ユビュ王』 プーク人形劇場(渋谷区代々木) https://tokyo-live-exhibits.com/s_tks... 8月23日(金)~9月8日(日) 菅原ありあ “Black Water” SAI(渋谷 MIYASHITA PARK) https://tokyo-live-exhibits.com/pug_t... 8月24日(土)~9月22日(日) グループ展「Eudaemonia」 Gallery COMMON(渋谷区神宮前) https://tokyo-live-exhibits.com/pug_t... SNSフォローもよろしくお願いします。 フェイスブック / tokyoliveexhihits ツイッター / exhibitslive Tumblr / tokyoliveexhibits インスタグラム / tokyoliveexhibits Youtube(あおひと君の週間アート情報) @aohitokun 英語版サイト https://japan-live-exhibits.com/ あおひと君(現代美術家 関根かんじ)ホームページ https://super-blue.com
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アートは心の再生可能エネルギー! あおひと君の週間アート情報 8/12-8/16 展覧会レビュー 日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション 東京都現代美術館(MOT)
あおー地球は青い!あおひと君の週間アート情報! アートを愛するみなさま!8月です。オリンピックで寝不足のみなさまも多いと思いますが、お元気ですか! 今年は太陽活動が活発なせいか、曇り空が多いですね。今年より来年が太陽活動のピークと言われているので、どうなってしまうのでしょう。 今週は、東京・江東区にある東京都現代美術館、略してMOTで8月3日より開催されている日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクションをお届けします。 東京都現代美術館は、1995年3月に開館。約5800点余りのコレクションと蔵書28万点を所蔵。日本で一番の展示スペースを有する公立美術館です。建物は、初台の新国立劇場、オペラシティなどを手がけた故柳澤孝彦氏が設計しています。 現代美術館では、3つの企画が、11月10日まで開催されています。高橋コレクション以外には、開発好明 ART IS LIVE ―ひとり民主主義へようこそ、そして、MOTコレクション竹林之七妍 特集展示 野村和弘 Eye to Eye―見ることです。他の開発好明展とMOTコレクションも引き続き、アート情報でご紹介する予定です。 今週お届けする、企画展「日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション」は、1946年生まれの精神科医、高橋龍太郎氏が集めた3500点にも及ぶ日本の現代美術コレクションの一部を公開するものです。 村上隆、草間彌生、奈良美智、横尾忠則などの国際的なアーティストはもとより、現在、Tokyo Live&Exhibitsの展覧会情報でもしばしば登場する若手アーティストまで、くまなく網羅したコレクションでした。権威主義や趣味趣向に陥らず、日本の現代美術の動向を俯瞰的に眺めることができる、とても興味深い内容です。 また高橋氏がコレクションを始めたのが、ちょうど現代美術館の開館の90年代半ばに重なり、バブル期以降の日本のアートを知る上でも貴重です。高橋氏は、それらを「若いアーティストたちの叫び、生きた証」と言います。 さらに本来なら公共的な施設では、確かな評価がさだまる前で取り上げられにくい、2011年の東北大震災以降に制作された作品も含まれていました。 それら満遍なくコレクションされた作品それぞれからは、激動する世界と日本のダイナミズムが、アーティストたちの心のフィルターを通じ浄化、凝縮されたエネルギーとなってほとばしっているのを感じ、青筋が立つほどでした。こういう体験こそ、アート鑑賞の醍醐味の一つではないでしょうか。 また、ふと思ったのは、カワイイ、アニメキャラ系の作品があまりなかったことでした。当サイトでは、アニメキャラ系の展覧会情報が多いのでちょっと意外でした。 一人の作家や、一つのテーマを掘り下げた企画が多い中、散漫な展示になると思われていたのが、むしろ新鮮な印象の方が強く残った面白い展覧会でした。 展覧会レビュー 8月3日~11月10日 日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション 東京都現代美術館(MOT)(江東区三好) https://tokyo-live-exhibits.com/pum_tkkt_metropolitanartmuseum1/ Tokyo Live&Exhibits https://tokyo-live-exhibits.com/ 関東一都六県のギャラリー・美術館・劇場と展覧会·イベント情報を配信するアート情報ウエブメディア。美術館の無料入場券プレゼント実施中! -----展覧会情報8/12-8/18 8月12日(月)~25日(日) MICUSRAT -Loves music and art- 幕張海浜公園、幕張メッセ前広場ほか(千葉県千葉市) https://tokyo-live-exhibits.com/event_cbcb_micusrat/ 8月16日(金)~9月4日(水) パンどろぼう展 松屋銀座 8階イベントスクエア(中央区銀座) https://tokyo-live-exhibits.com/pug_tkchu_ginzamatsuya/ 8月16日(金)~8月29日(木) S( )t( )r( )ay Night Special JUNGLE GYM(北区岸町) https://tokyo-live-exhibits.com/pug_tkkt_junglegym/ 8月16日(金)~9月1日(日) 岩崎奏波・鈴木初音・福原優太 展覧会「水面を覗く」 下北沢アーツ(世田谷区北沢) https://tokyo-live-exhibits.com/pug_tkstg_shimokitazawaarts/ 8月16日(金)~8月25日(日) 炭酸デザイン室展 -TANSAN TEXTILEの家と旅- スパイラル1F(港区南青山) https://tokyo-live-exhibits.com/event_tkmnt_spiralgarden1f/ そのほかの展覧会情報は https://tokyo-live-exhibits.com/ フェイスブック https://www.facebook.com/tokyoliveexhihits/ ツイッター https://twitter.com/ExhibitsLive Tumblr https://tokyoliveexhibits.tumblr.com/ インスタグラム https://www.instagram.com/tokyoliveexhibits/ Youtube(あおひと君の週間アート情報) @aohitokun 英語版サイト https://japan-live-exhibits.com/ あおひと君(現代美術家 関根かんじ)ホームページ https://super-blue.com #現代アート #パフォーマンス #あおひと君 #Aohitokun #Contemporaryart #Japaneseculture #江東区 #Tripjapan #japanesepainting #東京都現代美術館 #ワークショップ # #現代美術 #ギャラリー #展覧会 #個展 #画廊 #イベント #動画 #TokyoLiveExhibits #イラスト #写真 #古美術 #MOT Artlist 01Cello Suite No.1 in G Major, BWV 1007 - II. Allemande Yoed Nir 02 Bishara Haroni - Carnaval Op 9 No 12 - Chopin 03 Footprints Ardie Son
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東京のオアシス・カモン! あおひと君の週間アート情報 8/5〜8/11 展覧会レビュー Come on!九曜紋 ―見つけて楽しむ細川家の家紋― 永青文庫
アートを愛するみなさま!東京では、暑い日が続きますが、お元気ですか! 熱中症、脱水症にはどうぞお気をつけください! 今週は、東京・目白台にある永青文庫で開催中の「令和6年度 夏季展 Come on!九曜紋 ―見つけて楽しむ細川家の家紋―」をお届けします。 目白通り沿いから神田川へ向かって5分ほど歩くと、都心のコンクリートジャングルから急に、あたり一帯が緑に覆われた永青文庫のエントランスに到着します。 同美術館は、幕末まで旧肥後熊本藩細川家の敷地の一角に、以前は旧細川侯爵家の元事務所だった建物を改装し1972年に開館。細川家が代々所蔵する国宝8件、重要文化財35件をふくむ、およそ6,000点の美術工芸品と88,000点の歴史資料を所蔵。 元総理大臣細川護煕氏が理事をし、ご子息の陶芸家護光氏が現在、理事長を務めています。 今回の展覧会は、細川家の家紋「九曜紋」をテーマに、その家紋が入った収蔵品の数々を展示しています。 館内の2階から4階の展示室には、九曜紋が入った兜、陣羽織、鎧(あぶみ)、食器、日用品、香炉、掛軸など、細川家伝来のお宝が展示されていました。 九曜紋は、中央の丸に8つの小さな丸が囲んだデザインです。丸は太陽、月、火・水・木・金・土の月と五惑星、日月食を表す羅睺星(らごせい)、彗星を表す計都星(とけいせい)を意味しています。 ちなみにこのデザインは、平安時代より交通安全などの加護を願って乗り物や衣服に付けられていたそうです。のちに家紋として定着し、江戸時代には仙台伊達藩をはじめ大名・幕臣100以上の家が九曜紋を用いていたとも言われています。家紋とは、その家が独占する唯一の印ではないかったのですね。 それで細川家の家紋は、7代宗孝(むねたか)の時、他の家と見間違われて切りつけられる事件が勃発。それを期に、本来のデザインより中央の丸と周囲の小さな丸の間隔を少し広げて変えたそうです。 永青文庫の隣には、池泉回遊式庭園(ちせんかいゆうしきていえん)の美しい肥後細川庭園が公開されています。正門のところに日本家屋の元細川家の学問所だった松聲閣(しょうせいかく)が休憩所になっています。またこのあたりは南北朝時代から記録が残っている有名な椿の自生地だったそうです。隣接してあるホテル椿山荘の名前の由来にもなっています。 そばには神田上水が流れていて、この付近で俳人、松尾芭蕉が治水工事に関わっていたとされ、関口芭蕉庵があります。神田上水には綺麗な水が流れていて、大きなコイも泳いでいました。 また地下鉄江戸川橋駅方面に3分ほど歩いていくと、Tokyo Live Exhibitsに、展覧会情報をお寄せいただいているヒロマートギャラリーもあります。 このあたり一帯は、緑も豊かで都心に突然出現したオアシスみたいで散策するにとてもいいところだと思いました。 -----展覧会情報8/5-8/1 8月6日(火)~8月18日(日)『嵯峨常功(サガツネヨシ) パステル画展 いのちのいろ』 Art beans(新宿区西新宿) https://tokyo-live-exhibits.com/pug_tksj_artbeans/ 8月7日(水) ~ 11月11日(月) 田名網敬一 記憶の冒険 国立新美術館 企画展示室1E(港区六本木) https://tokyo-live-exhibits.com/pum_tk_national_new_art_museum2/ 8月9日(金)~10月27日(日) 建築家・堀口捨己の探求 モダニズム・利休・庭園・和歌 国立近現代建築資料館(文京区湯島) https://tokyo-live-exhibits.com/pum_tkbnk_nationalarchivesofmodernarchitecture 8月10日(土)~10月20日(日) コレクション展 ゴヤ版画展『気まぐれ』『戦争の惨禍』 神奈川県立近代美術館 鎌倉別館(神奈川県鎌倉市) https://tokyo-live-exhibits.com/pum_knhym_museummodernart-kamakura/ 8月10日(土)~9月2日(月) magma exhibition ″TRICK HEARTS″(″トリック ハーツ″) PARCO MUSEUM TOKYO(渋谷区宇田川町) https://tokyo-live-exhibits.com/pum_tksh_parcomuseumtokyo/ そのほかの展覧会情報は https://tokyo-live-exhibits.com/ フェイスブック https://www.facebook.com/tokyoliveexhihits/ ツイッター https://twitter.com/ExhibitsLive Tumblr https://tokyoliveexhibits.tumblr.com/ インスタグラム https://www.instagram.com/tokyoliveexhibits/ Youtube(あおひと君の週間アート情報) @aohitokun 英語版サイト https://japan-live-exhibits.com/ あおひと君(現代美術家 関根かんじ)ホームページ https://super-blue.com ではまた来週!
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平和の種を発見中! あおひと君の週間アート情報 7/29-8/4 展覧会レビュー 鈴木康広展『ただ今、発見しています。』二子玉川ライズ スタジオ
アートを愛するみなさま!お元気ですか! あおー地球は青い!あおひと君の週間アート情報! もう8月です! 記念すべき第一回目の公開は、2023年8月21日でした。もう一年が経とうとしています!時の経つのが早すぎまーす! さあ、夏の暑さにも負けず、視聴数の少なさにも、人気のなさにも負けず!がんばれ!あおひと君! 今週は、鈴木康広展『ただ今、発見しています。』をお届けします。 会場は、東急田園都市線二子玉川駅より、おしゃれなりぼんストリートを歩いて4分ほどいったところにある、ライズ スタジオ & ホールです。 アーティストの鈴木康広さんは、東京造形大学デザイン学科を卒業。現在、武蔵野美術大学空間演出デザイン学科教授、東京大学先端科学技術研究センター客員研究員をなさっています。また国際コンクール「ニューヨーク・フェスティバル」金賞と「プリ・ジュネス2024」最優秀賞W受賞をしたNHK Eテレ「みたてるふぉーぜ」の総合指導もされています。今回、Bunkamura主催により都内で初めての個展となるそうです。 鈴木さんの作品を鑑賞するとき、発見、見立てといったキーワードが重要です。日常、ふと見過ごしがちな、何気ないことやものなども、それを違った角度や見方、捉え方で見ると、まったく違うものに見えてくる、というのです。 展覧会のタイトル「発見しています」についてですが、昔、雑誌美術手帖で、発見するアーティストと紹介されたことに端を発します。鈴木さんは、それまでは、発見とは、科学の世界だけだと思っていたので驚きだった。それから、発見という要素が制作の重要なエッセンスになっている。また、「発見する」とはいうが、発見している、と現在進行形で使わないのが興味深いと語ります。 つまり鈴木さんは、作品とは鑑賞されたままで終わるのではなく、鑑賞されることで、作者の作品に込めた意図や意味をも超えて、作品が変わっていくことを期待しているのではないでしょうか。 今回の展覧会は、広いホール中央に、大きな透明ビニールでできた人形が置かれているのに目が奪われます。あちこちに作品が点在し、壁を見るより視線をあちらこちらに巡らせながら、鑑賞するしかけになっています。床にも鈴木さんの手書きのフレーズが書かれた足形のシールがあちこちに貼られ、オブジェが天井から吊り下がっていたりとテーマパークのような賑わいがありました。 この展覧会の新作に、電車のチケットを買うときの、発券機を模した「小さな発見機」という作品がありました。チケットの発券機同様、お金を入れると鈴木さんのドローイングがプリントされて出てくる作品です。有効期限は、♾️です。鑑賞者はそれを記念に持って帰れるのはいいですね。 鈴木さんのコメントに、「世界はさまざまな発見の種で満ちていることを、見方をチェンジすることで気がつくような、そんな展覧会をつくりたい」といっていました。 きっと世界のあちこちに、平和の種が落ちているのかもしれません。それをみんなが見方を変えて発見できれば、きっともっと素敵な世界になると期待させてくれた展覧会でした。 アートは本物を直接、見るのが一番です。 アートは希望です!感動はエネルギーの源です! 展覧会レビュー 7月20日~ 9月1日 鈴木康広展『ただ今、発見しています。』二子玉川ライズ スタジオ & ホール(世田谷区玉川) https://tokyo-live-exhibits.com/event_tkstg_nikotama-rise/ -----展覧会情報7/22-7/28 7月30日(火)~8月23日(金) 企画上映「返還映画コレクション(2)――第一次/二次・劇映画篇」国立映画アーカイブ(中央区京橋) https://tokyo-live-exhibits.com/pum_tkchu_nationalfilmarchieve02/ 7月31日(水)~8月19日(月) 横浜高島屋開店65周年記念 高野光正コレクション 発見された日本の風景 横浜高島屋ギャラリー(横浜市西区) https://tokyo-live-exhibits.com/pug_knykh_yokohamatakashimayagallery/ 8月1日(木)~8月28日(水) 「田中達也展 みたてのくみたて MINIATURE LIFE MITATE MIND」 日本橋高島屋S.C. 本館8階ホール(中央区日本橋) https://tokyo-live-exhibits.com/pug_tkchu_nihonbashi-takashimaya/ 8月3日(土)~11月10日(日) MOT コレクション 竹林之七妍 特集展示 野村和弘 Eye to Eye―見ること 東京都現代美術館(MOT)(江東区三好) https://tokyo-live-exhibits.com/pum_tkkt_metropolitanartmuseum/ 8月3日(土)~11月10日(日) 開発好明 ART IS LIVE ―ひとり民主主義へようこそ 東京都現代美術館(MOT)(江東区三好) https://tokyo-live-exhibits.com/pum_tkkt_metropolitanartmuseum3/ そのほかの展覧会情報 https://tokyo-live-exhibits.com/ フェイスブック https://www.facebook.com/tokyoliveexhihits/ ツイッター https://twitter.com/ExhibitsLive Tumblr https://tokyoliveexhibits.tumblr.com/ インスタグラム https://www.instagram.com/tokyoliveexhibits/ Youtube(あおひと君の週間アート情報) @aohitokun 英語版サイト https://japan-live-exhibits.com/ あおひと君(現代美術家 関根かんじ)ホームページ https://super-blue.com