今すぐチェック!営業成績が伸びない意外な原因
「うちの営業マンは頑張っているのに、成果が出ない…」。
経営者や営業部長から、こんな悩みを打ち明けられることが後を絶ちません。 売上目標が未達の状況が続くと、スキルアップ研修の実施やSFAの導入など、さまざまな対策を講じようとするものです。
もちろん、これらの施策が無駄とは言い切れません。
しかし、根本的な原因を見誤ったままでは、期待した効果は得られないでしょう。そこで今日は、営業成績が伸びない意外な原因をわかりやすく解説します。
トップ営業マンとそうでない営業マンの最大の違いは、訪問先の選び方にあります。成果を上げている営業マンは、潜在的な売上が見込め、受注額が大きくなりそうな顧客を優先的に訪問します。彼らは常に「この顧客にはどれくらいの購買余地があるか」「どの程度の売上が見込めるか」を考えながら行動しています。
一方、成果の上がらない営業マンはどうしても「話しやすい顧客」「すぐにアポが取れる顧客」「仲の良い顧客」「ウェルカムで迎えてくれる顧客」「気が楽な顧客」といった、自分にとって都合の良い顧客を優先しがちです。しかし、これらの要素は必ずしも売上額と直結するものではありません。
もちろん、良好な関係性を築くことは重要です。
しかし、これらの要素と売上額は、必ずしも比例しません。「居心地の良さ」を基準に顧客を選定していると、いつまで経っても売上アップには繋がらないのです。
実は、潜在的な売上が大きい顧客というのは、往々にして苦手意識を感じる相手だったり、ハードルが高いと感じる顧客だったりします。そのため、多くの営業マンはこういった顧客への訪問を避ける傾向にあります。ここに大きなチャンスロスが生まれています。この状況を改善するためには、経営者や営業マネージャーが以下の点に注目し、指導していく必要があります。
■顧客の潜在的な購買力を分析し、優先順位をつける
営業マンの行動分析を行い、訪問先の偏りがないかチェックする。
■苦手意識のある顧客へのアプローチ方法を具体的に指導する
■潜在的な大口顧客へのアプローチに対する褒賞制度を設ける
■営業マンの心理的障壁を取り除くためメンタルトレーニングを実施する
確かに、営業スキルを磨くことは重要です。
しかし、そのスキルを活かす場所が間違っていては意味がありません。正しい顧客選択があってこそ、営業スキルは真価を発揮するのです。
経営者や営業マネージャーは、単に「頑張れ」と声をかけるだけでなく、営業マンの行動を細かく分析し、適切な指導を行うことが求められます。そして、組織全体で「どの顧客に、どれだけの時間とリソースを投入すべきか」という視点を共有することが重要です。
従来の営業改善策は、個々の営業マンのスキルアップや、営業プロセスの効率化に焦点を当てがちでした。しかし、これからは「顧客ポートフォリオ管理」という観点が重要になってきます。つまり、営業部門全体で「どの顧客層に、どれだけのリソースを配分するか」を戦略的に考え、実行することです。
これにより、個々の営業マンの行動を最適化するだけでなく、組織全体の営業効率を劇的に向上させることが可能となります。
さらに、AIやビッグデータを活用した顧客分析を導入することで、より精度の高い潜在顧客の発掘や、最適な営業アプローチの選択が可能になります。これらの先進的な手法を取り入れることで、従来の営業スタイルを根本から変革し、新たな成長の機会を掴むことができるでしょう。
営業の本質は、正しい相手に、正しいタイミングで、正しい提案をすることです。この原則に立ち返り、戦略的な顧客選択と組織的なアプローチを実践することで、多くの企業が直面している営業の課題を解決に導くことができるはずです。