2位じゃダメなんですか?
5/30のニュースで
「富岳」がスパコン世界ランク第2位に陥落した
と知りました。
このニュースをみたとき、
私は、民主党政権当時の「事業仕分け」と言われた
徹底的な予算削減の会議を思い出す。
蓮舫行政刷新担当大臣(当時)の発言
当時、蓮舫行政刷新担当大臣(当時)の発言
「2位じゃダメなんですか?」
これも当時、
世界NO.1の技術開発力を維持するためには
これだけの予算が必要である
という技術者に対して、
蓮舫大臣が一言。
「2位じゃダメなんですか?」
当時のマスコミは、
そこまで切り込んだ蓮舫大臣は素晴らしい!
とする意見が大勢を占めた印象だった。
一方、
一部メディアでは
「技術競争を全然わかっていない」
と発言する技術者たちのコメントを
放映する局もあった。
これについては、
みなさんはどのようにお考えだっただろうか?
私は、当時も今も、
これをマーケティングでとらえていた。
はっきり申し上げて、
「常識」から考えて、
「2位じゃダメに決まっている!」
です。
2位じゃダメです!
簡単な事例で説明します。
今、オフィスにいます。
「のどが渇いた」とする。
どの手段で、この「のどの渇き」を潤すだろうか。
人間の頭は瞬時に、
何らかの計算をして、「ある手段」を取る。
1)ある人は、食堂の自販機から、飲み物を買う
2)ある人は、オフィスから最寄りのコンビニまで歩いていく
3)ある人は、歩いて10分かかるセブンイレブンじゃなきゃダメだという人もいるかもしれない
4)ある人は、トイレの蛇口から水を飲むという人もいるかもしれない
みんなどう判断するの?
上の事例について、
どういう計算をして、
なぜ、取る手段に差が出るかを
書きますね。
1)の人は、
安くなくても構わない。最速でのどを潤せる手段ランキングNO.1として、
食堂の自販機を選んだ。
2)の人は、
3分以内でたどり着ける範囲の中で、豊富な品揃えランキングNO.1として、
から、オフィスから最寄りのコンビニを選んだ。
3)の人は、
どうしても、セブンイレブンでしか手に入らないこの飲み物でなければならない。
最も近いセブンイレブン・ランキングNO.1として、
から歩いて10分かかるセブンイレブンを選んだ。
4)の人は、
今日は財布を忘れた。お金を一時的に借りられる同僚もオフィスにいない。
どうしよう?でも、のどは潤したい。
今すぐ無料で飲めるランキングNO.1として、
トイレの蛇口から水を選んだ。
要は普通はおそらく選ばないと思う。
みんな何かのNO.1が欲しい
言い換えると、どんな人も、
無意識のうちに、
自分の頭の中で、複数の選択肢を思い浮かべ、
その時の一番重視する優先順位を基にして、
NO.1から選んでいるはずなのだ。
今日は、NO.2にしてみよう。
は、ありえない。
だから、NO.2、NO.3じゃダメなのだ。
これに関連する、
USP
ポジショニング
については、
また、どこかで扱わうことにしますね。
いずれも、
いかにして、どの領域でNO.1になるか
を考えるためなのである。
じゃあ、
スーパーコンピュータは何
さて、「スーパーコンピュータ」に話を戻すと、
スーパーコンピュータは、「速さ」を競っている。
逆に言えば、
「速さ」以外には価値の判断基準はない。
したがって、
「2位じゃダメなんですか?」
「即ダメです。」となる。
何故なら、
「スピード1位じゃなきゃ、
市場で活用されるはずがないからだ」
この「事業仕分け時代」の
日本を代表するスーパーコンピュータは、
確か「京」でだったと思うが、
この事業仕分けのあと、
発電設備を徹底的に搭載し、
投下するエネルギーに妥協をしなかった
中国のスーパーコンピュータに
スピードで敗れた。
そこからの日本のスーパーコンピュータの再逆転は、
まず、「一定の発電能力におけるランキングで1位」
に返り咲く。
中国は、一切省エネを考えないスーパーコンピュータ
だったが、
日本はまず、一定エネルギーでの戦いで、NO.1を
奪還し、
その後、完全NO.1を奪還した。
制限なしで、4部門で、
日本のスーパーコンピュータ「富岳」がNO.1で居続けた。
「富岳」が再度NO.1を奪還することを願うとともに、
我々の目の前のビジネス、事業においても、
いかにして、NO.1を構築するかを考えていかなければならない。