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最近の記事

第22回 「マキシマム ザ ホルモン - ロッキンポ殺し」の思ひ出

 組体操の大技に「五段タワー」というものがあるが、あれは要するに勃起したペニスである。我が母校では、体育祭が近づくと男子生徒たちは強制的に上半身裸にされ、汗と泥と恥辱にまみれた危険な組体操を強要された。すべては教師たちの自己満足のためであり、技の危険度に比例して教師たちのペニスは怒張していった。それは「五段タワー」の完成によって、つまり勃起したペニスの顕現によってクライマックスに達し、万雷の拍手とともに教師たちは一斉に射精をした。  グラウンドに撒き散らされた精子を掃除し終え

    • 第21回 「ASIAN KUNG-FU GENERATION - リライト」の思ひ出

       小学生の頃、おれは『星のカービィ』が大好きだった。どのくらい好きだったかというと、カービィが存在しないというただそれだけの理由で、この世界には生きる価値がないと考えるくらいには、カービィのことが大好きだった。おれは高校生になると、深夜アニメにハマり込んで現実を生きられなくなってしまうのだが、よくよく思い返してみれば、小学生の時点ですでに現実になど興味がなかったのであった。  そんな或る日、小学3年生のぼくちんに朗報が入った。  星のカービィ、アニメ化ッ!!!!!!  

      • 第20回 「桑田佳祐 - 明日晴れるかな」の思ひ出

         突然ですが、なぞなぞです。  中学3年の修学旅行は、2泊3日の九州旅行でした。2日目には長崎のホテルに滞在しましたが、私の学年は6クラス240人程度の規模だったので、だいたい30部屋くらいに分かれて宿泊しました。そして各部屋ごとに記念の集合写真を撮ったのですが、なんと、卒業アルバムには私の部屋の集合写真が「修学旅行の思い出」の代表として掲載されました。30分の1の確率ですから、なかなか運が良いです。しかし、その集合写真には私の姿は写っていませんでした。私の部屋の集合写真な

        • 第19回 「マキシマム ザ ホルモン - What's up, people?!」の思ひ出

           2006年10月4日、『デスノート』のアニメ放映が始まった。実写映画を通じてRed Hot Chili Peppersという存在を知ったことはすでに第15回で書いたが、メディア・ミックスに伴う主題歌のタイアップは、少年少女にとって新たな音楽を知ることのできる貴重な機会である。アニメについても、本編よりもむしろ主題歌を担当したアーティストを知れたことに最大の収穫があった。  第1話から第19話までの主題歌を担当したのは、ナイトメアというヴィジュアル系バンドであり、これには兄

        第22回 「マキシマム ザ ホルモン - ロッキンポ殺し」の思ひ出

          第18回 「ザ・クロマニヨンズ - タリホー」の思ひ出

          「なんや、もう新しいバンド始めたんかいな」 「なに、古い人なん?」 「せや、こないだまでハイロウズっちゅうバンドをやっとったんや。バナナを食ってえ~ゴゴッゴ~♪」 「ほええ」  2006年10月20日のことである。いつも通り「ドラえもん」⇒「クレヨンしんちゃん」⇒「Mステ」の黄金コンボをキメていたら、ひょろっとした細長い男と、頭にバンダナを巻いた男がテレビに現れた。おとん曰く、彼らはこれが三つ目のバンドであり、かなりのベテランであるらしい。  さっそく演奏が始まった。「タ

          第18回 「ザ・クロマニヨンズ - タリホー」の思ひ出

          第17回 「平井堅 - 哀歌 (エレジー)」の思ひ出

           プルルルル……  ガチャッ 「もしもし、山根さんのお宅でしょうか?」 「はい、そうです」 「あのですね、お子さんがですね、風邪を引いてしまったみたいでして」 「あらまあ、またですか……」 「今、保健室で寝ているので、お手数ですが迎えに来ていただけないでしょうか」 「ホントすみませんねえ。すぐに向かいます」  小学生の頃、おれはとても病弱だった。一ヵ月に一度は必ず風邪を引き、学校で体調を崩したときには、いつも母に自転車で迎えに来てもらっていた。  プルルルル……  

          第17回 「平井堅 - 哀歌 (エレジー)」の思ひ出

          第16回 「B'z - 衝動」の思ひ出

           先日、帰省したときの母との会話である。 「岸田さんは本当にダメね~」 「もう日本は終わってるね。平均賃金なんてとっくに韓国に抜かれてるし」 「でも賃金を上げるのが嫌だから、技能実習生って名目で外国人労働者をこき使ってるわけでしょう。本当にひどい話ね~」 「まあ、そのうち他の国のほうが賃金が高くなって、頼んでも誰も来なくなるんじゃないかな」 「一方で、ジャニーズ問題とかも酷いじゃない?」 「所属集団の暗黙のルールに適応できない人間はパージされるのが日本だからね。みんな自分の

          第16回 「B'z - 衝動」の思ひ出

          第15回 「Red Hot Chili Peppers - Dani California」の思ひ出

           2006年とは、どのような年であったか?    正解は……    『DEATH NOTE』の年であるッ!!!!!  2003年に「週刊少年ジャンプ」で連載を開始した本作も、物語はいよいよ佳境に入り、おれの通っていた学習塾では、 「今週のデスノート読んだか!?」 「読んだぜェ……マジヤベェよな……」  と、いつもデスノートの話題で持ち切りであった。そんな話題の漫画も5月には2年半に及ぶ連載を終え、ブームは収束するかに思えたが、6月には実写映画の前編が公開され、む

          第15回 「Red Hot Chili Peppers - Dani California」の思ひ出

          第14回 「YO-KING - 遠い匂い」の思ひ出

          「兄者、なんやそれは」 「MDプレイヤーや」 「はあ、なんじゃそら。そんで、そこから伸びてるその紐はなんや?」 「これはな、イヤホンいうてな、耳につけたら音楽が聴けるねん」 「はあ、そらご苦労なこって」 「つけてみるか?」 「へえへえ……こんな感じでええか?」 「せや、ほな流すで」 「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」  サブスク時代を生きるナウでヤングな若者たちに教えよう。その昔、日本にはMDプレイヤーというものがあった。MD(MiniDisc)とは、1992年にソ

          第14回 「YO-KING - 遠い匂い」の思ひ出

          第13回 「BEAT CRUSADERS - TONIGHT,TONIGHT,TONIGHT」の思ひ出

          「突然託された死神の力……その日から俺の世界が変わった。死神代行・黒崎一護。大切な仲間を守るため、強き思いを爆発させて⸺今、魂の刃を振り下ろす!」  2005年10月4日の夜、新アニメ『BLEACH』が始まった。新アニメとはいっても、もともと夕方に放映していたアニメがゴールデンタイムに昇格したものらしく、すでに52話目ということだった。なので、話の内容はまったく意味不明であったが、なんだかオサレでカッコよかったので、意味不明ながらも視聴を続けることにした。 「やあ、日番谷

          第13回 「BEAT CRUSADERS - TONIGHT,TONIGHT,TONIGHT」の思ひ出

          雑感5「夫不要社会」

          悪魔の遊園地  北米にはアーミッシュと呼ばれるキリスト教の宗派が存在する。この宗派の特徴の一つは、現代文明の徹底的な否定である。テレビやラジオなどの現代的なテクノロジーは、悪しき個人主義を助長し、競争心や虚栄心を駆り立てるものとして排除される。「Amish」で画像検索していただければ、簡素な服を着た馬車で生活する人々の姿がご確認いただけるだろう。つまり、 「テレビも無え、ラジオも無え、車もそれほど走って無え」  というリアル吉幾三の世界で、俗世から切り離された質素な生活

          雑感5「夫不要社会」

          第12回 「湘南乃風 - 純恋歌」の思ひ出

           煉獄杏寿郎の母君は、次のように宣った。  まったくその通りである。自分に才能があるのは、自分だけの手柄ではない。サンデルの言う通り、能力主義は勝者に驕りを、敗者に屈辱と怒りを与えるだけだ。己の才能や幸運の偶然性に思いを巡らすことで、連帯の可能性を探ることこそ肝要である。  では、おれの持つ特別な能力とはなんであろうか。弱き者を助けるため、天より賜った才能とはなんであろうか。  それは歌の才能である。  或る日、小学校へ向かう道中、なんの気なしにアニメの主題歌を口ずさん

          第12回 「湘南乃風 - 純恋歌」の思ひ出

          第11回 「THE BLUE HEARTS - 1001のバイオリン」の思ひ出

           『腐女子のつづ井さん』という漫画に、以下のようなやり取りがある。  2006年、おれは中学2年に進級したが、やはり一向に音楽に目覚める気配はなかった。相変わらず、おれの音楽に対する意識は、唾棄すべきブルジョワジーの堕落した趣味という偏見にまみれており、ギターとベースの区別さえつかない体たらくであった。  腐女子たちにとって「オタクへの目覚め≒自我の芽生え」であるように、おれにとっては「音楽への目覚め≒自我の芽生え」であったので、音楽に未だ目覚めていないこの時期の記憶は、す

          第11回 「THE BLUE HEARTS - 1001のバイオリン」の思ひ出

          第10回 「サンボマスター - 世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」の思ひ出

          「なんかゲームが好きな人たち? のドラマが始まるらしいわよ!」 「ゲーム? ポ、ポケモンとか?」 「うーん、よく分かんないけど、とにかくあんたゲーム好きでしょ。見なさい!!!」 「∩(´;ヮ;`)∩ンヒィ~」  2005年7月7日、こうしてドラマ『電車男』の放送が始まった。中森明夫がコミケに集まるような人々を「おたく」と呼称したのは1983年のことであり、また「おたく」という存在が或る事件を通じて人口に膾炙したのは1989年のことであるが、それでも2005年時点での一般家庭

          第10回 「サンボマスター - 世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」の思ひ出

          雑感4「家事という贈与」

          実力も運のうち  大谷翔平が天才であるためには、大前提として、大谷翔平が持つ技能が評価される社会が必要である。球体を速く正確に投げることができ、飛んできた球体を木の棒で上手に打ち返せるという技術は、野球が人々に愛されている社会だからこそ高く評価される。もし大谷翔平が百年に一度の腕相撲の天才であったり、そもそも野球の存在しない時代に生まれていれば、これほどまでに称賛されることはなかっただろう……。  これはマイケル・サンデルの議論だが、家事についても同様のことが言える。おれ

          雑感4「家事という贈与」

          雑感3「ロマンティック・ラヴの狂信者」

          ASD  近年では、「ADHD」や「ASD」といった言葉も人口に膾炙し、徐々にではあるが発達障害に対する社会の理解も深まってきている。書店には発達障害に関する書物が山のように積まれ、SNSでは発達障害の日常を積極的に発信する者たちも増えてきている。  さて、そのような世相に敏感な意識高い系左翼であるおれは、意識高い系左翼たるもの常に最新の状態へアップデートしておかねばならんということで、さっそくADHDとASDに関する簡単な概説書を手に取った。発達障害などおれとは無縁な事柄

          雑感3「ロマンティック・ラヴの狂信者」