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はじめに前回にひきつづき「ナッジ」について。 「ナッジ」とは、おおざっぱにいうと、 「人間の心理を利用して行動を促す、さりげない仕掛け・優しいテクニック」 を指す。 「自由を奪われた人間は、誰かを憎む。調理師は給仕を憎み、ともに客を憎む」 という有名な言葉がある。 同じ行動や結論に至ったとしても、そのプロセスに「自由」があるか否かは、人間にとって重要な要素だ。 他人に命令されて動きたくはない。 だからコックはウェイターを憎み、ともに客を憎む。 だが、自由意思を尊重され
~「単なる情報提供ページ」から「会員獲得ツール」へ~ コールセンター ウェブサイトのFAQページ この両者には共通点が多い。 情報提供:コールセンターは電話で、FAQページはウェブ上で、疑問や質問に対応する。 サポート:コールセンターは直接対話を通じ、FAQページは書かれた内容を通じ、サポートを行う。 アクセシビリティ:コールセンターは電話一本で、FAQページはインターネット接続さえあれば誰でもアクセスできる。 コスト削減:両者とも効率的なサービスを提供する手段で
今回はちょっと微妙な話を誤解を恐れずに書く。 勧誘されました昔、地下鉄内で危険なガスをばらまいた宗教団体があった。 その団体が全国的に有名になる少し前、筆者自身がその団体の勧誘を受けたことがある。 古い知り合いから10年ぶりくらいに突然電話がかかってきた。 「ユーに見せたいメチャクチャ素晴らしいものがある、近いうち山梨に遊びに来ないか」 と言われた。 (なんだよユーって…) あとで考えてみれば、その山梨とは、後にその宗教団体の本部があったとされる山梨県のK村のことだったん
日本の社会やビジネスの世界には、さまざまな形態の協会が存在します。 その多種多様な協会の中で、今回は 「特定のメソッドやノウハウを広めることを主要な目的とした協会」 について。 「陰」の協会と「陽」の協会この種の協会は、その働き方や運営のスタイルによって、大きく二つのタイプに分けることができます。 まず一つ目のタイプとして、「オープンな協会」があります。 自由度が高く、参加者に対して特に制約を設けず、メソッドやノウハウを自由に学び、またそれを他者に教えることを奨励する形態
ビブリオバトルという「読書のバトル」をご存じだろうか。 この興味深いバトルは、参加者がそれぞれお勧めの本を持ち寄り、会場でその本をプレゼンする形で行われる。 各参加者が自分のお勧めの本を持って集まり、その本の内容や魅力を紹介する 会場でその本をプレゼンする際には、なぜその本が素晴らしいのか、どうして他の人々にも読んでほしいのかを語る どの本をもっとも読みたくなったか?を最後に投票で決める。この投票は、プレゼンの内容や本の魅力にもとづいて行われる 最多票を集めた「本」が
「心理的安全性」とは最近「心理的安全性」という言葉をよく耳にするようになった。 心理的安全性とは、 喜怒哀楽を出しても非難されない 失敗を恐れなくていい 周囲の反応を気にせず行動できる 少々のことでは人間関係が悪化しない といった状態や環境を指す。 協会は「人の集まり」。 協会が成功するためには、その会員が安心して自己開示ができ、活動に積極的に参加できることが不可欠だ。 それには 「自分は安全してここにいられる」 と感じる環境、つまり「心理的安全性」が求められる
これまであれやこれや努力をしたのにぜんぜん売れなかったのが、ある日突然、なぜだか売れはじめる。 これまで眠っていた何かが目覚めたかのように売れはじめる。 そういう分岐点のことを「クリティカルマス」と呼ぶ。 「クリティカルマス」はビジネス以外でも起こる。 たとえば、これまで懸命に勉強したのに成績が上がらなかったのが、あるときから急に成績が伸びる。 これまで毎日練習してきたのに試合にぜんぜん勝てなかったのが、あるときから急に勝ちはじめる。 なぜそうなるのか、正確な理由は分かっ
はじめに「受講したらこんな知識やスキルが学べる」 「受講したらこんな認定が得られる」 などの「効果効能」しか語っていない認定講座をよく見かける。 その認定講座を作った経緯やプロセスは、語られていない。 「会員になったらこんな良いことがある」 といった「効果効能」しか語っていない協会もよく見かける。 その協会を設立せざるを得なかった経緯やプロセスが語られていない。 わざと語っていないのではなく、気づいていない。 そこを語ろうという発想をしていない。 かなり、もったいない。
「カオス」という、数学の分野がある。 x の値がほんの少し違うだけなのに、y の値がものすごく極端に違ってしまう。 原因はほんの少し違うだけなのに、結果がおそろしく違う。 そんな関数のことをカオスという。 カオスはもともと数学用語だが、自然界にもカオスは存在する。 例えば湯を沸かすとき。 なかなか沸騰しないなと思いながら水面をながめていたら、突然ブクブクと沸騰した。 沸騰直前と沸騰直後の温度の違いは、実はほんの少ししかない。 沸騰直前の水にわずかな熱が加わるだけで、穏やか
協会設立で頭を悩ます「誰に何を頼む」問題協会を作ろうとしたとき、協力を申し出てくれる人が何人も現れてうれしい反面、 「誰に何を頼むか」 「どう関わってもらうか」 を決めるのに悩むことがある。 たとえば、 以前から一緒に教室をしていた先生仲間 その教室に古くから来ている生徒 自分より目上の大先生 日ごろ世話になっている知り合いの社長 そのような方々が 「協会を作るなら、協力するよ」 と言ってくれている。 その申し出はとてもありがたいけれども、さて具体的に何を頼んだ
はじめに動物占いではないが、この記事では協会のリーダーシップとメンバーの性質を動物の比喩を用いて解説する。 協会総研の独自の視点から、異なる性質を持つ個体がどのように協力して機能的な集団を形成するかを探っていこうと思う。 協会総研の独自の世界観エラそうなことをいうようで恥ずかしいのだが、協会総研には独自の世界観がある。 独自の世界観というと、なんだか特殊なひねくれたものに聞こえるかもしれないが、それほどひねくれてはいないと思う。 それは、こうだ。 人間にはオオカミ型とヒ
自覚のない人々前回、 「日本人は強い同調圧力のもとで長く学校生活を送った結果、自己主張を控え、他者の意見や反応を気にする大人に育つ」 という話をした。 むろん、環境に負けない人や、同調圧力を客観視して自分の殻を破れる人もいる。 だが大部分は、自分が同調圧力のもとで育ったという自覚がない。 そうした人々を協会総研では「ヒツジ」と比喩している。 日本人の大多数が「ヒツジ」であることを意識することが、協会運営上、重要だ。 日本の学校では、同調圧力が「無行動」の状況を生む。
はじめに「情けは人のためならず」 本来の意味は、 「人に対して情けを掛けておけば,めぐりめぐって自分によい報いが返ってくる」 が正しいそうだ。 さて、1990年代のアメリカで、ある協会が、「情けは人のためならず」的な方法を使い知名度を上げた。 今回はその話をしたい。 情けは人のためならずの協会知名度を上げたといっても、一般の人々のあいだで有名になったわけではない。 だいいち、その必要もなかった。 芸能人が成功するには広く一般に知られることが大事かもしれないが、協会の場合
「フォーマット」が解決する会員の活動のジレンマ協会は会員に対して 「活発に動いてもらいたい」 と望んでいるが、会員のほうは残念ながら 「何をしていいかわからない」 「どうやっていいかわからない」 という理由で手が止まっていることが多い。 そんなときに「フォーマット」が役に立つ。 読書感想文の苦痛と「フォーマット」の救済読書感想文は、みんながいやがる宿題のひとつではないかと思う。 大人になったいまでも、読書感想文を書けともしも言われたら、ほとんどの人は手が止まるのではない