見えない蓄積:クリティカルマスとゴーイングコンサーンの力
これまであれやこれや努力をしたのにぜんぜん売れなかったのが、ある日突然、なぜだか売れはじめる。
これまで眠っていた何かが目覚めたかのように売れはじめる。
そういう分岐点のことを「クリティカルマス」と呼ぶ。
「クリティカルマス」はビジネス以外でも起こる。
たとえば、これまで懸命に勉強したのに成績が上がらなかったのが、あるときから急に成績が伸びる。
これまで毎日練習してきたのに試合にぜんぜん勝てなかったのが、あるときから急に勝ちはじめる。
なぜそうなるのか、正確な理由は分かっていないが、
クリティカルマスとはそんな感じのものだとも言われている。
「101匹目のサル」の話もこれと似ている。
という話だ。
この話は作り話だという説が濃厚だが、いずれにしても、
「なにかが見えないところで蓄積し、あるときそれが突然表面化する」
という現象を表している。
ようするに
やってもやっても結果が出ないと悩んでいても努力は止めるな。
見えないところで努力は蓄積されている。
ということを言いたいわけで。
会社は、方向転換がしやすい。
事業がうまくいかないと思ったら事業を変えることができる。
たとえば MIXI(ミクシィ)という会社は昔はSNSの会社だったが、いまはもっぱらゲーム事業に注力している(SNSは止めてはいないようだが)。
ところが、協会は方向転換をしにくい。
1人でも会員が誕生したら、会員のためにやり続ける責任がある。
そう期待されている。
うまくいかないからといって、昨日までヨガの協会だったのが、今日から食の協会になるわけにはいかない。
昨日までヨガの会員だった人が、協会の都合で今日から食の会員になる、なんてことは、ないからだ。
昨日までヨガの協会だったのなら、今日も明日もヨガの協会であり続けることになる。
苦しくてもやめるわけにはいかない、これを「ゴーイングコンサーン」という。
だから
「やってもやっても結果が出ないと悩んでいても努力は止めるな」
これが協会の場合はとくに重要。
見えないところで努力はかならず蓄積されている。
ある日それがクリティカルマスを生む。
これを信じよう。