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フォーマットは会員を救う

「フォーマット」が解決する会員の活動のジレンマ

協会は会員に対して
「活発に動いてもらいたい」
と望んでいるが、会員のほうは残念ながら

「何をしていいかわからない」
「どうやっていいかわからない」

という理由で手が止まっていることが多い。
そんなときに「フォーマット」が役に立つ。

読書感想文の苦痛と「フォーマット」の救済

読書感想文は、みんながいやがる宿題のひとつではないかと思う。
大人になったいまでも、読書感想文を書けともしも言われたら、ほとんどの人は手が止まるのではないだろうか。

なぜ手が止まるかといえば、何を書けばいいのかわからないからだ。
読書の感想は、おおかた
「面白かった」「笑った」「泣いた」「考えさせられた」「感動した」
どれかの言葉に集約される。
どれか一言でだいたい終わる。
これをとんでもなく膨らませて原稿用紙3枚くらいに書くなんて、ぶっちゃけ、乾いたタオルから水を絞りだせと言われているようなもの。
絶望的にイヤな宿題だ。

ところが不思議なことに、
「最初に本の紹介を100字くらい、次になぜそれを読もうと思ったかを200字くらい、さらに内容についての説明を200字くらい…」
みたいな「フォーマット」があれば、急に書きやすくなるだろう。
「お手本」があればなおさらだ。

協会における「フォーマット」の実践例

協会が「フォーマット」を使った例をあげてみる。

あるところに
「伝統野菜を一生懸命育てている小規模なこだわり生産者を応援する協会」
があった。
世の中には伝統野菜を育てている小規模なこだわり生産者を応援したいと思っている一般人がけっこういて、協会に入会する。
入会したからには、協会としてはたとえば
「各自が住んでいる近所で、素敵な生産者を取材し、どんどんネットで紹介する」
みたいな活動を会員にやってほしい。

ところが実際には動いてくれない。
協会が産地ツアーみたいな「お膳立て」をすれば参加してくれるのだが、それだってようするに受け身のままだ。
会員がみずから活動していることにはならない。

そこで、「フォーマット」を作ってみた。

  • 素敵な生産者と出会ったときの、良いインタビューのしかた

  • インタビューした内容をレポートに まとめる方法

が分かるように、「フォーマット」を用意してみた。
すると、それまで動かなかった会員の中から、レポートを出す人が現れた。

続けて

  • どうやって素敵な生産者を見つけるか

  • どうやってコンタクトするか

  • 気持ちよく取材に応じてもらう話し方

の説明書を作って配ってみた。
すると、動いてくれる会員が増えた。

さらに、他の会員が取材したネット記事を見て
「なるほど、こうすればいいのか」
と理解した人も、動くようになった。
他の会員がどんな活動をしているかの情報も、じつは「フォーマット」になりうる。

「フォーマット」の限界とその必要性

「フォーマット」は万能なわけではないが、方法が分からないので手が止まっている人の心のブロックを外すツールにはなる。

ま、協会がそこまで手取り足取りするのはどうなの?という意見もわかる。
いい年して、自分で活動の方法を考える事もできないの?と言いたくもなるだろう。

だが、前回も言ったように、
あなたにできるからといって、「彼ら」にできるとは限らない
ことは強調しておく。

世界的な自動車メーカーであるフォード社を創業したヘンリー・フォード氏は、いみじくもこんな言葉を残している。
「考えることは最も過酷な仕事だ。だからやろうとする人が非常に少ない」





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