#276 「ジョブ型」と「ギグエコノミー」が普及したその先にあるのは大失業時代!?
昨日、ジョブ型雇用についての投稿をしました。他にも世の中で近年話題となるものの1つとして、ギグエコノミーがあります。バラバラに見える2つの動きが合わさった先にあるものを考えて、メモ。
1、ジョブ型雇用とギグエコノミーが普及した世界は?
ジョブ型雇用は、ポストや職種ごとに求められる職務内容、能力、勤務地、処遇(報酬)が明示的に定義され、それに適した人材を登用する、あるいは採用するもので、評価はその求めに対する達成度で行われる雇用形態です。
ギグエコノミーは、企業に雇用されるのではなく、業務やプロジェクトごとに仕事を請け負う働き方、もしくは、それら企業、ギグワーカー等で成り立つ経済圏のことです。
この2つ、この1年で話題になる機会が急速に増えているのではないでしょうか?
一見、密接な関係にはなさそうな両者ですが、実は、普及した先には、会社員という今ではポピュラーな存在が珍しい存在になる、つまり、多くの会社員は「失業」する可能性もあるのではないでしょうか?(個人の感想です)
というのも、ジョブ型雇用とギグエコノミーが普及するとそれぞれ以下のような変化が起こります。
☑️ ジョブ型雇用が普及
→これまでモヤッとしていた個々の業務が明確に定義される
→企業内の業務が「パーツ」として分解できる
☑️ ギグエコノミーが普及
→各種業務におけるギクワーカー評価モデルが確立、AI化などが可能になる
→業務内容、業務量に応じたギグワーカーの選定、発注が自動化できる
ジョブ型導入によってパーツ化された業務を、品質、納期、コスト等で最適な相手に発注できるようになります。そして発注する先は、自社の従業員である必要はありません。自社従業員でも、社外のギグワーカーでも構わないのです。
現在は、複数の工程からなるプロジェクトや業務で、一部を社外に委託するなどとなると調整の方が時間がかかったり、信頼度の面で不安があったりしますが、評価モデルを学んだAIによって、そうした複雑な変数も考慮した最適なタスクの割り振り案が瞬時に作成され発注されるのです。
もちろん、この評価モデルは、社内の人材にも適用されるでしょう。
となると、ジョブ型で明確になったその人の業務の達成度なども四半期や年1回という業績評価のタイミングだけでなく、リアルタイムでスコアリングされ、割り振られる仕事の内容や量にも影響が出て、結果、別の仕事(ジョブ)への変更を迫られることも出てくるでしょう。
逆に、スコアが高ければ、より高いポストに推薦されるかもしれません。
ここまでくると、社内に従業員を抱える意味がなくなります。
もちろん、その企業の差別化の源泉となる技術の開発者や、個人情報などセンシティブな情報を扱う場合などには一定の意味があるでしょう。
逆に言えば、それ以外は「替えが効く人材」となって社外のギグワーカーとの競争にさらされ、替えが効くだけに、コスト競争になり、処遇(給与等)が下がっていく、ということが起こるのではないでしょうか?
その先には「大失業時代」=「総個人事業主」が待っているのではないでしょうか?
2、まとめ(?)
いかがでしたでしょうか?
今回の内容は、以下の2つの記事が元になっています。
1つは昨日投稿した「ジョブ型雇用」に関しての記事。
もう1つは今年の始めに投稿した「ギグエコノミー」に関しての記事。
AIで仕事が奪われる、というタイミングよりも、AIによって仕事が割り振られ、評価される(その原案が作られる)という方が早いような気がします。
(ウーバーなどではもう現実のものとなっていますし)
となると、管理職、真っ先にいらなくなりそうですね。
(あ、結局AIに仕事奪われるのか…)
積極的な面を見れば、アイディアとビジネスモデルさえあれば、資金を集めて、会社を作って、従業員を集めて、教育して、というプロセスを経ずに、ギグエコノミーを活用して一気に事業を立ち上げることも可能だ、ということです。
「資本家と労働者」の世界から
「アイディアとギグワーカーと両者が利用するプラットフォーマー」の世界へ。
意外とそう遠くない将来、かもしれませんね。
その時、どんな立場で社会に関わっていたいか?
自問自答しています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
個人的な妄想ですがどこか参考になるところがあれば嬉しいです。