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#301 『現代人は「○○算」が苦手』を読んで。

5月10日(日)日経新聞朝刊26面(サイエンス面)の記事を読んで思ったことを、メモ。


1、どんな記事?

いきなりですが、質問です。

いま、ベッドの4本ある脚のうち、3本が外れてしまいました。ベットが傾き寝心地が悪いです。さてどうしますか?



3本の脚を付け直そうと思ったあなたは、何かを見落としています。
残った1本の脚も外す、という選択肢です
寝心地の改善なら、残る1本を取り除けばベッドは平らになります。


まぁ、確かに…

記事は、この例のように、人間は「足し算」を意識し「引き算」を軽視する傾向があることを、バージニア大学のチーム様々な実験から指摘していることを紹介しています。

実験の内容は、土台から伸びる1本の脚が板を支える模型を用意し、板のぐらつきを抑えると1ドルの報酬をもらえる、というもの。
「脚を1本足すと10セントかかる」とだけ説明した場合、1本の脚を撤去することを思いついた人は、41%(実験者197人中)。
「脚の追加は10セント、脚の撤去は無料」と説明した場合でも、脚の撤去を選択したのは61%。

研究チームが気にかけるのは、コストをかけずに解決できる方法があるにもかかわらず、それが「引き算」だと見落としてしまいがちな点です。

これについて記事では以下のように述べています。

専門家の一人である関西大学の池内裕美教授によると、対処方法は「獲得の抑制」と「モノの処分」に大別できるが、「後者の方が遥かに難しい」
一因として、「獲得場面(足し算)では対象がある程度特定されるが、処分場面(引き算)ではその対象が定まっていない場合が多い」からだという。「何を処分するのかの判断には、相当な認知資源(エネルギー)が必要になることなどが考えられる」
引き算は過去の労力が無駄になる負い目もある。引き算の決断にどれだけの価値があるのか。米チームはペダルがなく足で地面を蹴って進む子供向け二輪車を例に出す。「ペダルを外しただけでブレークスルーが起き、新商品ができた」

これら「引き算」を行う勇気が企業に必要と主張するのは静岡県立大学の岩崎邦彦教授です。

市場の成熟などに焦って新規事業に手を出す誘惑に駆られる企業は多いが、「引き算が革新につながる」。録音機能を外した「ウォークマン」やダイアルボタンを無くした「iPhone」が好例だと指摘する。


2、まとめ(所感)

いかがでしたでしょうか?

確かに、何かを始めることよりも、やめることの方が力が必要だったりしますね。

その原因が、現代人が「引き算」が苦手、ということとは…

この記事を読んで思い出したのですが、簿記があんなにメンドクサイ(個人の感想です)のは、編み出したヨーロッパの人たちは「引き算」が苦手で、なるべく引き算をしたくないのでこうなった、という話を思い出しました(真偽は不明です)。

飛躍しますが、日本食はなるべく素材の味を生かす「引き算」、フランス料理はソースを始めとした工夫がいっぱいの「足し算」、というところも関係あるのかもしれません、なんて思ってしまいました。

もしかして、冒頭の質問に、「脚とりゃいいじゃん」と思った方が多かったら、「現代人は」ではなく、「欧米人は」、なのかもしれませんね。
(あくまで個人の妄想です)


最後までお読みいただきありがとうございました。

どこか参考になるところがあれば嬉しいです。

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