自分の畑を耕せ
アラン幸福論「自分の畑を耕せ」
アランの幸福論では、
仕事についての章で、
「自分の畑を耕せ」
という言葉が出てきます。これは、人の仕事を手伝うのではなく、自分で仕事をしろという意味です。
楽しいことも辛いこともあるが、自分の畑を耕すこと、自分のために仕事をすることが重要だと述べられています。
自分の畑というのは、自分の事業という意味です。
つまり、自分の仕事を自分で運営し、酸いも甘いも、自分の責任で受け取ることが幸福のために重要だという意味になります。
今回は自分の畑を耕すことの重要性について仕事や生活に焦点をあて考察していきます。
私たちはつい、誰かの意図に従って生きてしまいます。
例としてわかりやすいのが会社員として働く場合です。
会社員は基本的に、
会社の持ち主の利益を最大化するために働くことになります。
その会社で特定のスキルであったり、
そこでしか得られない経験、情報を得るといった意図がない、ただ賃金のために働くとすれば、それは他人の畑を耕していることになります。
会社員であったとしても、
その会社でしか得られない知見を得るとすれば、それは自分の畑を耕すことになります。
もしくは、将来自分の畑を耕すために必要な技術を学んでいるといったことになります。
では、自分の畑を耕すために何をしたら良いのでしょうか。
まず一番単純なのは、自分で事業を起こすことです。
自分で事業を起こすことは、その事業がうまくいってもうまくいかなくても、
その責任と報酬、損失を全て自分で引き受けることになります。
畑にまいた種が実るか、全て台無しになるかは畑の持ち主次第です。
コントロールしている感覚を持つ
アランは、種が実るか実らないかに関わらず、自分の畑を自分で支配しているということが幸福にとって重要な要素だと述べています。
自分が状況をコントロールしているという感覚が重要になるのです。
自分の行動が正しければ良い結果が出ますし、
悪ければ悪い結果が出ます。
全て自分次第で、他者に責任はありません。
すべて自分次第ということで、
良い結果が出れば、自分の幸福度が上がるというのは理解できます。
そして、悪い結果が出たとしても、長い目で見ると自分の幸福度が上がるということになります。
人間は結果が良い・悪いというよりも、自分の行動が得る結果につながっているかどうかということに重きを置くようです。
一時悪い結果を得たとしても、
それを教訓に良い結果を次に出すことができれば、最初から成功するよりも幸福度は上がります。
高くジャンプするときの、しゃがみ込みのようなものです。
幸福というのは絶対的なものでなく、
ある時点からある時点への変化によって変わります。
例えば、年収100万円の人が150万円になったら幸福を感じますが、
年収1000万の人が900万になると不幸と感じます。
年収がいくらであれば幸福ということではなく、過去の自分と比較してどのように変化したかで幸福度が変化するのです。
自分の畑を耕し、うまくいってもいかなくても自分で全ての結果を受け入れる。
自分の行動と結果が直結しているという感覚こそ、私たちを幸せにするのです。
小さい畑でもいいので自分の畑を耕しましょう。
他人の畑を耕している間、あなたの畑は荒廃していきます。
他人の畑と自分の畑。
あなたはどちらを豊かな畑にしたいですか?
参考
アラン『幸福論』
https://item.rakuten.co.jp/rakutenkobo-ebooks/1a56609f51ba3bc4b7b459b44915d86b/