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とても素敵な創作

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読んで思わず引き込まれる、とても素敵だなと感じた小説、詩、短歌、俳句などを集めています。
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2024年6月の記事一覧

「キツネノテブクロの咲く頃に」第9話(最終話) #ファンタジー小説部門

********* キツネノテブクロの咲く頃に<9>そして、キツネノテブクロの咲く頃に…

ラムネの音 #シロクマ文芸部

 ラムネの音を聞きたくなった。  ポンッ、プシューッ、シュワシュワ、パチパチ、  ラムネ…

もげら
5か月前
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小説「庭」58,933文字

奥さまが庭を散策する。 わたしが手入れをした薔薇の花を愛でている。 後ろ姿なので顔はよく…

まる
5か月前
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【小説】ブレイン・ペット 第1話

『世界を恐怖の渦に陥れた恐るべき感染症、空遊病根絶宣言から今日で十年。本日はその恐ろしさ…

鳥野 小川
5か月前
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【SS】なんでもない日の話

「ラムネの音ってビンごとに違うって知ってた?」 「はあ?何それ。」 「本当だって。今度聞い…

水野明日香
5か月前
39

透明人間の死

「こんにちは。近頃よくそこで聴いてくださってますよね」 ハルは出窓を大きく開けて、昼下が…

ちひろ
5か月前
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【毎週ショートショートnote】一方通行風呂

 サウナは、水風呂に腹を立てていた。  サウナに入ってくる人間たちは「早く水風呂に入りたい」とよく言う。  サウナだけでは不満なのか?  水風呂が憎い。  ある日、サウナはヒトの形になった。  水蒸気でできた体で、水風呂の前に立つ。 「水風呂、でてこい」  低い声で呼びかけると、水風呂もヒトの形になって立ち上がった。 「お前ばかりチヤホヤされやがって今日こそは許さん」 「それはお前だろう!」  水風呂がケロリン洗面器を投げつけてくる。 「毎日サウナのおまけ扱い。もう

詩『鳥』

きょうも朝からいっしょだね いろんな声で鳴いてるね つぶらなお目々でかわいいね 飛んだら…

こぴゅら
5か月前
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色とりどりのメシの種【最終話】 #創作大賞2024

月曜日を憂鬱に思わない人なんていない。 そう思って生きてきたけど、目の前にいる男は月曜日…

二郎丸 大
5か月前
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夏祭り #シロクマ文芸部

ラムネの音がした。 瓶の中のビー玉がころがる「カラン」という音。 この音を聞くと、コウヘイ…

なかひろし
5か月前
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【SS】あの日と同じ青い空

月曜日の午後3時。週明けの慌ただしさがようやくひと段落した頃、ふと空を見上げた。思わず見…

水野明日香
5か月前
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【グロい話】真冬の真紅 [後編]

《前編の冒頭でお伝えしたとおり、本記事は、私がその昔、父から聞いた実話をベースにしていま…

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ラバーなこころ

私の決意は1ミリたりとも動きません? 1ミリだって? そんなみみっちいこと言わずに 100…

西岡泉
5か月前
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致死量の悔恨 第2話 結婚式の前に(上)

一、 真っ白な空を映したかのような花びらが、一斉に開花する。春を待てずに粉雪の中、満開となった。 寵愛を望み、手に入れたために、箱の中に沈んでいった。底なし沼の中に居座ったのが桜子(さくらこ)自身の意思であるのに、空を自由に駆ける桜景色はここから出たいとの希望を掻き立てる。 届いたメッセージが結婚の連絡だったから、桜子は、驚いたとともに、安堵した。こんなに喜ばしい連絡が人から来るのは久しぶりだった。3ヶ月前に会った時には、「37歳彼氏なし」と言っていた芽衣(めい)が、よう