致死量の悔恨 第2話 結婚式の前に(上)
一、
真っ白な空を映したかのような花びらが、一斉に開花する。春を待てずに粉雪の中、満開となった。
寵愛を望み、手に入れたために、箱の中に沈んでいった。底なし沼の中に居座ったのが桜子(さくらこ)自身の意思であるのに、空を自由に駆ける桜景色はここから出たいとの希望を掻き立てる。
届いたメッセージが結婚の連絡だったから、桜子は、驚いたとともに、安堵した。こんなに喜ばしい連絡が人から来るのは久しぶりだった。3ヶ月前に会った時には、「37歳彼氏なし」と言っていた芽衣(めい)が、よう