自分の心に映る他人は虚像に過ぎない(『詩経』邶風・柏舟篇)
今回取り上げるのは『詩経』邶風・柏舟篇からの言葉。
私の心は鏡ではないのだから、他人の心を推しはかることはできない、という意味。
「もしかして〇〇さん、私のこと嫌いなのかな・・・」
「ちょっと言い方が悪かったかな。〇〇さん気にしてるかも・・・」
繊細な方であれば、相手や自分の言動を気にして悩んでしまうことがあるのではないでしょうか。
ですが、それは自分がそのように思っているだけにすぎません。
自分の心は鏡ではないので、相手の気持ちを正確に映し出す(把握する)ことはできないのです。
私たちの心に映る相手の姿には、常に何かしらのバイアスがかかっています。
繊細な方の場合は、特にマイナス方向のバイアスが多くなりがちです。
相手が気にしているのではないか?
相手に嫌われているのではないか?
自分はもっとうまくやれたのではないか?
周囲の人も呆れているに違いない
こういったネガティブな心が騒ぎ出し、気づけば自分のメンタルがやられてしまったり、自分の行動に自信が持てなくなってきたりしてしまうのです。
ですが、これらは自分の心が見せる思い込みにすぎません。
私もよくネガティブ思考に陥ってしまうのですが、後ほど相手にそれとなく確認してみると意外と全然気にしてなかった、ということがよくあります。
それ以来、ネガティブ思考に陥りそうになったら「あー、また自分の心が勝手に判断しようとしているな」と意識的に客観視するようにしました。
脳内で騒いでいる思考を少し離れたところから見つめ、そのまま自分の傍に置くイメージです。
しばらくは脳内の声がうるさいのですが、次第に該当広告みたいな感覚となり、ノイズもあまり気にならなくなります。
以下の書籍で学んだ内容なのですが、実践することで仕事や日常生活がしやすくなったので、とても感謝しています。
相手の心を正確に推しはかることはできない、という言葉。
「相手に迷惑をかけたかも・・・」と不安になったとしても、実際にそうとは限りません。
自分の中だけで考えていても、ネガティブ思考の沼にハマるだけです。
相手は全然気にしてなかったということも多いので、気になる場合は実際に確認してみましょう。
脳内の声を切り離して傍に置くのも割と使えるテクニックなので、お困りの際はぜひ一度お試しください。
中国古典が初めてという方には、分かりやすい現代語訳・原文・解説で楽しく読める「ビギナーズ・クラシックス」シリーズがおすすめです。