アーティストや作家さんで 「締切があるから製作出来る」 みたいな発言を聞いたことがありますが、 私はこの発言に若干「?」と思っていました。 作りたいものがあるからこそのアーティストなわけですから、締切があろうとなかろうと作りたい気持ちがあれば 「締切は関係ないのでは?」 と思っていたのです。 でも締切があるということは、 「しなければならない!」という状況なのかと思った時、「それによって生まれる力が確かにあるな」と思ったのです。 自分のことで言うと、、、 私は木で作るお
先日YouTubeのRehacQ(リハック)という番組で斎藤幸平さんが村上隆さんと話をしていて 「アートがわからない」 「アートはどう見たらいい?」 という話がありました。 私もわからなかったから“分からないがよく分かる”のですが、、、 でも私は、 「アート分からない問題」を そろそろ終わらせたい! と思うのです。そして、“アート”を考えた結果、村上隆さんがどういう存在であるか?についても整理してみたいのです。 ということで、 まずは「アート分からない問題」から。 ア
逆照射という言葉はあまり日常的には使いませんが、私はこの言葉が好きなのです。 簡単に言うと逆照射という言葉は“物事には反対の要素が内包されている”ということ。 例えば、好きなものがあるということは、“好きではない”ものを決めているということ。 嫌いなものがあるということは“嫌いではない”ものを決めているということ。 つまり、 何かを選んだり何かを決めたりした時に、必ずその“反対”が発生してしまい、“反対側にも視点が照射される”というイメージなのです。それが“逆照射”という言
私は木工作者としてkinomonoというシリーズ名で木製果物のウォールデコレーションを製作しているのですが、今回はそのことについて。 私は果物というものがなんとも魅力的に見えて、 とても好きでした。 だからこそ、木を使ったものづくりをする中で, 「果物で何か作りたいなー」 という思いは強く、 でも…「いいアイデアがないなー」と 考えるばかりで何も出来なかったのです。 そんなある日、私は元美大生で絵画を学んでいたのですが、ふとセザンヌのことを思い出し彼の絵を見ていました。そ
絵を描く最初は 「どうやって描いていこうか?」と悩みながら描いていくので、混沌とした線が多く複雑な状態で、クオリティも高いとは言えません。でも描き進めている内に線が一本にまとまってきたり、整理されてくると見やすくなるし、クオリティも上がってくる感じがします。 例えば私が描くひまわりの絵だと、 これが最初の描き出しの感じ 2枚目は描き進めていきながらクオリティも上がってきたのですが、線が多すぎたり乱雑な状態。 2枚目の状態が“描き過ぎ”の状態だとすると完成形は引き算をしな
昔、「やってみてから考えよう」という言葉があって、そこには、 「行動しないより、まずはやってみることが大事」という肯定的な意見、と 「目的を見据えずにやるのは、生産性が低い」という否定的な意見、がありました。 そこで私は、 やってみてから考えようの前に、1つ“考えて”を入れて、 「考えて、やってみてから、考えよう」 なら良いじゃん!と思ったことがあるのです。 ちょっと馬鹿馬鹿しく聞こえますがw そのことをブリコラージュとデザインということから考えてみたというお話。 私は
カーネーションは、大学生の頃に花屋でアルバイトをしていた時の思い出深い花なのです。 その理由は、やっぱり母の日。 母の日になると花屋はカーネーションでいっぱいになって、沢山の人が買いに来ます。その中に「小学生の低学年かな?」というくらいの子がお金を握りしめて、「これ下さい!」とカーネーションを一輪買いに来たのです。 こちらは沢山のお客さんの対応をしているので、わちゃわちゃとしていますが、その子が何故この花を買いに来たのかは明らか。 そこで、 一輪のカーネーションの裾に水で濡
ジブリで有名な久石譲さんがNHKアカデミアで音楽の歴史などの話をされていたのがめちゃくちゃ面白かったのです! 内容はネット上で無料公開されているので、見ていただければと思いますが、私としては「メモを取らねば!」ということで、バリバリ簡単なメモですが、まとめたのでせっかくですしnoteに書いておこうと思いました。 簡単にいうと、 音楽の三要素 リズム ハーモニー メロディ についてと、 そこから ざっくりとした音楽の歴史についてのお話でした。 以下はそのメモです。 あくま
もともと美大で絵を描いてたこともあり、絵画の歴史の流れは最低限おさえていたつもりですが、歳をとってもう少し理解が深まったので、少しまとめてみようと思います。 で、絵画の歴史を見る時に注目するところを「絵画空間」にしてみると分かりやすいと思うのです。 絵画空間とはつまり、「絵の中に描かれている世界」のことなのですが、最初にその流れを簡単に書いておくと、 ◯絵画空間(絵の中に描かれた世界) →神(神話)の世界 →人(現実)の世界 →個人が見た世界 →絵画独自の世界
子育てをしている時に “辛い時の乗り越え方” みたいなことをどう伝えたらいいだろう?と思うことがあります。 そんな時、“振り子”を例えにしてみたらどうだろう?と考えたのですが、そんなことをつらつら書いてみることにしました。 まずここでいう振り子とは、“ある方向に振れた分だけ反対にも同じだけ振れる”というもので、その動き方に注目してみました。つまり、振れ幅が大きければ反対にも大きく振れるし、振れ幅が小さいと反対にも小さく振れるということをイメージしています。 ◯まずは感情を
あるアート作品に対してこんな評価があります。 「これはクラフトであってアートではない」 これはアート作品に対してある種“批判的”に言われるものですが、この言葉にはどこか「クラフトよりもアートの方が素晴らしい!」というニュアンスがあって、私には疑問でした。 なので、アートとクラフトについて少し考えておきたいと思い書いてみることにします。 アートとクラフトを考えてみる時、私にとっては大学時代に学んだ、バレエダンスのクラシックとコンテンポラリーという分野の違いがとても重要でした
自分の考えを持つのが大事。 自分の意志を持とう。 自分の価値観を大切に。 そんなことを一度は聞いたことがあるように思うのですが、 「意志を持つってどう言うことなんだ?」 「価値観を大切にって言うけど、価値観はどうやったら身につけられるんだ?」 ということを改めて整理しておこうと思ったのです。 そうして考えていくと、 意識 意志 覚悟 価値観 というような流れが見えてきました。 意識と意志については過去の記事で書いたことがありますが「別の見方をするとこんな風にも見えるな
意識と意志について、自分なりの考えをまとめておこうと思います。そのために考えたのが“遺伝子”について。 生物は遺伝子の乗り物なんていう話があります。遺伝子は自らをコピーし受け継いで行こうとするプログラムが組み込まれていて、そのプログラムを実行するために生物という乗り物を作った。みたいなこと。 それは生物にとっては、子孫を残すことであったり、生きようとする力みたいなことかも知れないですが、同時にそれは遺伝子によって運命付けられた“遺伝子の命令”みたいなものだと思うのです。 そ
私にとってとても学びの多い橋爪大三郎さん。 a scopeというポッドキャストで再び深井さんと登場されて、資本主義についてのお話を聞きました。第一回目の話を聞いただけですが、面白い面白い! これは自分のためにも整理しようと、以下自分なりに整理してみた文章です。殴り書き的なものでもあるので、言葉使いもざっくばらんです。 資本主義を考えるためには、 経済 商品 資本 について理解しておかなければならない。 “経済”とは人間における物質的基礎。食糧や土木建築など、生活の始まり
私の思春期の頃の考え方として、相手のことを好きになって付き合い始めると、今まで見えていなかったことも見えてきて、「嫌だなー」と思うところが見つかったりしても「いや、嫌いなところも好きにならなきゃ!だって彼女のことが好きなんだから!」みたいな脅迫観念みたいなものがあったことを記憶しています。 そんな時タイトルのような質問が浮かんでくるのです。 「好きな人の嫌いなところは好きにならなきゃいけないのか?」 ですが、早速質問の答えを言ってしまうと“好きにならなくていい”と思うので
ドラマのsilentがとても好きだったのですが、ある場面でこんなセリフがありました。 「花は音がなくて言葉があって、 気持ちがのせられるんだよ。」 ドラマは、聴者とろう者の話で“音”というものがとても重要だったわけですが、花は音を介した言葉はないけれど、花言葉という意味としての言葉を持つから、意味を通して花に気持ちをのせて伝えられるんだよ、というように私は捉えたわけです。 そう考えた時、花にとって大切なことは、言葉や意味ではなくて、“気持ち”なのかもなーという当たり前の