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頭の中が酸っぱくなるぞ
レオナルド・ディカプリオさんが主演し、大御所のマーティン・スコセッシ氏が監督をつとめた映画『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(これは実話に基づいて作られたと聴きます)の話から始めたいと思います。なぜスコセッシ氏が?と思うようなイカれた映画ですが、エンタメとしてはかなり好いものだと私は思っています。
主人公のジョーダン・ベルフォートが、株の世界に飛び込んだ初日に、後にメンターとなるマーク・ハンナに誘われたランチの席で表題のような教えを受けます。詳細についてネタバラシになり野暮なのと少々問題が無きにしも非ずなので、ここでは触れません。
趣旨としては、頭ばかりつかっていると人間おかしくなるので、心身のバランスをとりなさい、ということだとしても差し支えないと思います。
このたとえでいうと、今の日本人のほとんどは頭の中が酸っぱくなってしまっているように思います。身体を動かす仕事をしようという若年層が減り、人手不足を高齢者や外国人といった方々の力で補っているという現状がありますよね。
国家安全保障という文脈において、これはかなり危険な状態です。なぜなら食料自給率が非常に際どい状況、すなわち、身体を動かす仕事の最たるものである農業や漁業といった食を支える業種がどんどん弱ってきているからです。
頭を使うためには栄養が必要です。
いま、そのその足元の氷が溶けかかっていると言ってもいいでしょう。
この現状について、政府はもとより国民も真剣に考えなければならないと思います。少子高齢化についての所見は色々とデリケートな問題に触れる可能性があるので述べませんが、食を支える業種を担う若い人が(母集団が減少していく中で何とか)増えるとか、思い切って機械化するとかいうことが実現しなければ本当にヤバいことになるということは断言できます。
車の自動運転に関心を示す人は多いのに、農業や漁業のオートメ化に関心を示す人は多くない。これは大きな問題です。
もし私に資金に裏付けられた実行力があるとするならば、まず人や物(特にお金)が農業や漁業、そしてそれが行われている「地方」に流れるようなことに取り組みます。
それをバラマキという人たちには何日断食に耐えられるか試してみろといいたいですね。そこまで言わないと分からないと思います。脳が超酸っぱくなっているのです。ただ、そうした人たちはジムに通っていて進まない自転車をこいだり、登れない山に登ったりしていたりします。農作業をやれば、お金と身体の健全を保つことができるのに。
中学入試の問題を解いていて思ったのは、小学校の高学年という時期に頭の中が酸っぱくなるような入試対策に明け暮れていることは、時間と労力の使い方を誤っているのではないかということです。
この進学塾の学費に投資することができるなら、色々な所に旅行したり、児童が本当にやりたいと思うことに集中できるような環境を整備したりすることに投資した方がずっと有意義だと思います。
教室やオンラインで扇状地やら河岸段丘について学ぶよりも、谷あいから平野へと線路が続くローカル線で旅をしながら風景をみて実感するのとでは大違いです。後者の方がはるかに多くのそしてvividな情報を得ることができると思いませんか?
折しも、政府の半導体・AI支援というニュースが流れてきましたが、正直にいって、この分野について東大の松尾教授(どこへ行ってもこのお名前が出ます、てか他には誰がいるの?って感じです)の研究室が頑張っておられますが、日本企業に期待するのはもはや遅きに失すると思います。
今さら何やってんの?
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