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#短編小説
ずっと好きだった幼馴染が転校をする、高校生の話。【5分ショートショート】
幼馴染の急な転校が決まった。
今朝の、登校中に言われたんだ。
「実は来週、引っ越すことになってさぁ」
いつも通り混んでいる電車の中で、吊革につかまって並んで立っていた私たち。
朝テストの英単語長を見て、必死で頭に英語を詰め込んでいた私を横目に、余裕そうな顔で彼女はそう言った。
最初は、冗談かと思った。
けど、いくらほっぺをつねっても痛いし、体育で転んだひざの擦り傷もヒリヒリする。おまけに帰宅
校長先生の話がなぜ長いのか、本気で考えた中高生の話。【シナリオ】
とある休日のマクドナルドの店内席にて。
学校はバラバラだが、同じミュージカルスタジオに通うという共通点を持つ、ゆうり(中3)、祭(高1)、輝(高2)は、ポテトとバーガーとナゲットを囲み、談義に華を咲かせていた。
ゆうり「…なぁ、」
輝「うん?」
ゆうり「何で校長の話って、あんな長いんだと思う?」
祭、ポテトを一本食べる。
輝「唐突だな。」
祭「唐突だに。」
ゆうり「いや、そう思わん?わたし全
なぜ台風が週末にしか来ないのかを真剣に考える、中学生の話。【シナリオ】
今日は金曜日。明日からは台風の予報。
学校帰り、習っているミュージカルスタジオに向かっている中学生のなずな、ゆうり、深雪。
スタジオの最寄り駅をおり、何となく雲行きが怪しいと思いながらも、のんびり談笑しながら歩いていたら、急に大粒の雨に降られる。
傘を持っていなかった3人は、2、3分ほど雨を避けながら走り、スタジオに駆け込んだ。
なずな「ひゃー!降られたね。」
深雪「ほんと、スタジオまで後少しの
秋の訪れに将来の不安を重ねる、女子大生の話。【ショートショート】
なんだかいつもより肌寒い。
そう思いながらその日は目を覚ました。
いつもかろうじてかけてる薄い夏用の掛け布団がベッドから落ちてしまったかと思ったけれど、そうではなさそう。しっかり私の肌を守るように、首から足先までかけてある。
あと10分は寝れたのに。
私はため息するための息をためようと、鼻から思い切り息を吸った。
…あれ、匂いが違う。
驚いた私は、目をパッと開けて、窓の方をみる。
私は2度寝するの
オンライン授業でひとめぼれをした、女子大生の話【ショートショート】
「うわー、かっこいい…」
…いけない、思わず声に出てしまった。
音声はミュートになっていただろうか。…大丈夫そうだ。
ダークブラウンのベリーショート、いや、ショートウルフなのかな?
前髪は少し短めのセンター分け。
メイクは薄めだが、オレンジ色のアイシャドウをアイホールたっぷり塗っているのが艶っぽい。
顔の輪郭もシュッとしていて、これは間違いなく、美人の類にも、イケメンの類にも入る。
私はこのイ
生きることすべてが面倒臭くなっている大衆派女子高生の話。【ショートショート】
今九州に台風がいることも知らずに、Twitterで「台風どこ」とか呟いちゃう関東のみなさんこんにちは。
ほんと、世間知らずで恥ずかしい。同じ関東に住む者として代わりに謝らせていただきたい。ごめんなさい。
しかしまぁ、今日はよく晴れているな。
明日からひどくなるんだっけ、こっちの方は。
何で今日夜からバイト入れたんだろう。帰り道大丈夫かな、電車とか止まってなきゃいいけど。
学校が休みの日は、正直
午前6時、早起きしてしまった少しセンチメンタルな私と、それに向き合う私の話。
デジタル時計は午前6時13分をさしている。
今日は日曜日。早起きしすぎたな。
昨夜はなんだか眠くもないのに、22時には眠りについてしまったし、
まぁ、そりゃ早起きするか。
わたしはもう一度眠りにつこうと試みたが、カーテンの隙間から入ってくる光、少し蒸し暑い空気、なんか体がむずむずする…みたいな感覚から、もう寝ることをあきらめた。
起きよう。
今日は朝のうちにnoteでも書こうか、あーでも、読書
温泉で、目の前の女の子に一目惚れした話【ショートショート】
一瞬、時が止まったと思う。たぶん、3秒くらい。
目の前に、温泉に浸かった女神がいる。
汗が目に垂れて、ぼやけて、見間違いかとも思った。
いや、そんなことはない。
今日はしっかり、コンタクトを装着したまま温泉に入っている。
あれは本物だ。本物の、女神だ。
ショートカットで、毛先ほんの少しだけ、湯船に入らないように結っている。ほんの少し、絵の具の筆くらいの短さだけ。
目を閉じて、頭の上にタオルを