睡眠憲章草案(1000字)

「寝る子は育つ」じゃ不十分だ。
大人も子どもも、おじいちゃんもおばあちゃんも、というか頭があって手足のいずれかがついてるなら、もっというと息してるなら眠るべきだ。

睡眠は怠惰の象徴ではない。
「積極的に眠る」と考える。

やり方はいたってシンプル。
夜の10時前、電気を消し、ベッドで8時間寝る。
睡眠を軸として生活を設計すべきだ。

無職が言うな?
働いてる人こそ眠れ、おつかれさまです。

仕事が忙しい?
まず眠れ、残務は早朝に回そう。

悩みがあって眠れない?
あれこれ考えず眠れ、翌朝残った悩みが本当に取り組むべきものだ。

モテたい?
ニベアを塗って眠れ、肌が再生して本来の美しいあなたになる。

マッチョになりたい?
筋トレして眠れ、筋肉は睡眠で作られる。

かしこくなりたい?
本を閉じて眠れ、記憶と思考の強化は眠ることでしかできない。

好きなドラマがある?
録画して眠れ、翌朝の楽しみができる。

友だちづきあい?
キャンセルして眠れ、枕を無二の親友にすべきだ。

華金?
飲むより眠れ、遊ぶなら土曜の早朝はどこもガラ空きだ。

不眠症?
それは本当に辛い状況だと思います。勇気を出して医者に相談してみましょう。
昨今の医薬品は、安価でかつ依存性も低いものになりつつあります、頼れるものは何でも頼ってください。
健康的な睡眠を取り戻せることを心から祈っております。

勤労、教育、納税の三大義務に睡眠を追加すべきだ。
蛍雪を勤勉の証とするのではなく、鶏旦(けいたん)を努力の象徴とすべきだ。電気代も浮く。

睡眠が義務になれば過重労働もうつも自殺も激減する。
酒に酔った故の過ちも撲滅できる。
そして、悩みや不安や恐怖は、そのほとんどが夜にやってくるはずだ。
これはうつと戦う僕が言うから本当だと思う。

眠ることは逃げることではない。
戦うことだ。
来たる明日に備え、頭と体を回復させ、ファイティングポーズを取るための儀式だ。
タフに働くことや、未来に向けた勉強、人との関わり、どれも素晴らしいがその中に積極的な行動としての睡眠を選択肢に入れてほしい。
タイムマネジメントや自己啓発の前に、睡眠を至上命題として確保すべきだ。

遍く国民、いや人類に睡眠が与えられるべきだ。
眠りを妨げる事象を敵と認識し、戦うことが必要なのだ。
全ての人に枕と布団を、そして然るべき支援が届けられるべきなのだ。

眠らない街、不夜城よさらば。
眠る街、眠る国と生まれ変わる時が来た。

全ての国民に睡眠を!
おやすみなさい!


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