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超短編集

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自分の投稿した1~3分で読める読切超短編小説集。 黒色は暗めの、白色は明るめの話。 名前のない彼等の1頁。
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#よくある話

もちろん即、帰宅

長期休暇が終わってしまった。 それは仕方のないことだけれど、長期休暇明けの仕事ほど手につ…

SAI
3年前

一律

子供頃、なぜ正月にお年玉を。 つまりお金を貰えるのかよくわかっていなかった。 よくわかっ…

SAI
3年前
1

ブロックカレンダー

私の妹はこまごまとした物を集めるのが好きだ。 気に入ったガシャポンがあれば、全て手に入れ…

SAI
3年前
1

夕飯まで待てない

おなかすいたぁ、と情けない声を出したのは炊事を絶対にさせてはいけないと両親から言われてい…

SAI
3年前

言わないだけマシ

夕飯を食べ終えて寛いでいると、不意に来客を告げる呼び鈴が部屋に鳴り響いた。 こんな時間に…

SAI
3年前

悪ではない

殻の中に閉じこもって過ごしているだけでいいのなら、世界はなんて楽で平和なのだろう。 いつ…

SAI
3年前
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青春ミルクティー

窓を開けて仕事をしていると学校の帰りなのだろうか、学生たちの笑い声や話し声が聞こえてきた。 ああもうそんな時間なのかと、椅子に座ったまま腕を上げて背伸びをしてみせる。 そして首を左右にゆっくりと動かして、ちょっとだけ休憩しようと立ち上がる。 窓の方に近寄り下の道を確認すると、やはり学生たちが歩いているのが見えた。 学生の体格や雰囲気からして恐らく高校生なのだろう。 何人かのグループがぽつぽつと途切れ途切れで歩いている。 どのグループも横に広がって歩いているのを見て

怒りの発生源

バタンと大きな音をたてて扉が閉められた。 またやってしまったと後悔しつつ、こちらも大きな…

SAI
3年前
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白雪

彼女は『脳内お花畑』という言葉が最も似合う人物だと思う。 退屈そうに頬杖をつきながら、そ…

SAI
3年前

夏は終わった

明るい昼間におんぼろの屋敷になぜいるのかと問われれば、小一時間前にあった出来事を話さなけ…

SAI
3年前

夏一番

我が家の夏一番乗りは、毎年三つ下の妹が持って帰ってきていた。 だけど今年はちょっと違う。…

SAI
3年前
1

明日から頑張る

久しぶりに徹夜で話し明かしたのは、いつぶりだろうか。 大学生か、高校の頃か、よく覚えてい…

SAI
3年前
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涼しい場所がいい

彼はいつも眠たそうな顔をしていた。 目がぱっちりと開いていて、やる気全開モードです! と…

SAI
3年前

貰えるのは一度だけ

姉から急ぎの仕事が入ってしまったので、夕方までには戻るからそれまで家に居てほしいと連絡があった。 夫は夫で会社勤めで帰って来れないので、ちょうどいい暇を持て余している大学三年の私に白羽の矢が立った。 そういうことだろうと、私は理解している。 姉には二カ月ほど前に小学生になった息子がいて、その子が午後一時半過ぎに帰宅する。 まだ一人で留守番をさせるには心もとないらしい。 私がそのくらいの頃は姉と二人で留守番をするよう言いつけられていたが、姉は普通に友達のところへ遊びに