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ひらくデザインリサーチ

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株式会社コンセントでは、自分の興味や関心をベースに問いを立ち上げ、探索するための「ひらくデザインリサーチ」というプログラムを実施し、「土着」「工夫」「余裕」という3つのテーマに分…
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なぜ、デザインリサーチをひらくのか?

コンセントでは、2023年度から「ひらくデザインリサーチ」という活動を実施しています。有志メンバーが集まり、自分の興味や関心をベースに問いを立ち上げ、探索するためのデザインリサーチプログラムで、「土着」「工夫」「余裕」という3つのテーマに分かれて活動しています。 マガジンで随時各メンバーの活動内容を発信していきますが、本記事では、全体のイントロダクションとして、そもそもなぜこの活動をしているのか?「デザインリサーチをひらく」とは具体的にどういうことなのか、簡単に解説したいと

土着的なコ・デザイン-ローカルプレーヤーの狭間をみる

コンセントでは、2023年度から「ひらくデザインリサーチ」という活動を実施している。有志メンバーが集まり、自分の興味や関心をベースに問いを立ち上げ、探索するためのデザインリサーチプログラムで、「土着」「工夫」「余裕」という3つのテーマに分かれて活動している。 土着チームは、「土着的なコ・デザインのエコシステムを複眼的に捉える」というテーマで、会津でのフィールドワークを実施した。調査にあたっては、「複眼的」という名の通り、メンバーそれぞれが事前に独自の「問い」を立て、それぞれの

地域で活動するにあたっての戦略やパーパスの持ち方

私が所属するデザイン会社、コンセントでは昨年から有志メンバーで「ひらくデザインリサーチ」という活動を行っています。 「ひらくデザインリサーチ」は普段のクライアントワークから少し離れて、自分の興味や関心をベースに問いを立ち上げ、探索するためのデザインリサーチプログラムです。 2023年度は「土着」「工夫」「余裕」という3つのテーマのチームで活動をしました。 都会っ子が地域と関わりを持つ突然ですが、私は都会っ子です。 生まれも育ちも、現住所も、東京都渋谷区。両親も東京都内出身な

問いを立ち上げ、探索するー「ひらくデザインリサーチ 活動共有会」イベントレポート

こんにちは。 私が所属するデザイン会社、コンセントでは昨年から有志メンバーで「ひらくデザインリサーチ」という活動を行っています。2024年7月8日にこの「ひらくデザインリサーチ」の活動共有会が恵比寿のイベントスペース「amu」で開催されましたので、今回はそのレポートを書きたいと思います。 ひらくデザインリサーチとはコンセントは企業や行政と伴走し活動を支えるデザイン会社です。普段の業務では、クライアントの課題に向き合い、解決に向けてさまざまなデザインを提供しています。 「ひら

AIと人の創造性は共存できるのか(Design Matters Tokyo 24に参加して)

◾️はじめに 初めまして、コンセントでサービスデザイナーをしている岡村です。 コンセントに昨年入社し、それまではコンサルティング会社で働いていました。そんな非デザインバックグラウンドな自分ですが、コンセントの自主活動「ひらくデザインリサーチ」というリサーチ・スルー・デザインを実践す る活動に参加し、デザインリサーチのあり方を探索しています。 このnoteでは、その探索活動で取り組んた内容や、表題の問いに行き着いた経緯についてご紹介します。 1. AIと人の創造性の関係性

日々の工夫から、創造性を考える。

「これからの組織に創造性が大事だ」「産業競争力を高めるために創造的な人材の育成が必要だ」。このようなことがいろいろな場で主張され語られています。そして、創造性の獲得を目的にした様々な書籍や研修などが存在します。 ただそこには、現代社会の経済活動を支えるビジネスの現場そのものが、人間に創造性への苦手意識を持たせてしまうような構造になっている。そんな背景も潜んでいるような気がします。実際、ビジネスの場で重視される傾向にある「生産性」や「効率性」という価値観は、「探究欲」や「好奇

土着的なコ・デザイン-人間とモノのアッサンブラージュ〈後編〉

コンセントでは、2023年度から「ひらくデザインリサーチ」という活動を実施している。有志メンバーが集まり、自分の興味や関心をベースに問いを立ち上げ、探索するためのデザインリサーチプログラムで、「土着」「工夫」「余裕」という3つのテーマに分かれて活動している。 この記事では、前編に引き続き、「土着的なコ・デザイン」に関するフィールドワークの内容を紹介する。 いざ、会津へさて、前置きがだいぶ長くなってしまったが、改めて今回のリサーチにおける私の「問い」をまとめると、大きく下記2

暮らしがある場所でアイディアを紡ぐ

コンセントでは、2023年度から「ひらくデザインリサーチ」という活動を実施している。有志メンバーが集まり、自分の興味や関心をベースに問いを立ち上げ、探索するためのデザインリサーチプログラムで、「土着」「工夫」「余裕」という3つのテーマに分かれて活動している。 土着チームは、「土着的なコ・デザインのエコシステムを複眼的に捉える」というテーマで、会津でのフィールドワークを実施した。調査にあたっては、「複眼的」という名の通り、メンバーそれぞれが事前に独自の「問い」を立て、それぞれ

土着的なコ・デザイン-人間とモノのアッサンブラージュ〈前編〉

コンセントでは、2023年度から「ひらくデザインリサーチ」という活動を実施している。有志メンバーが集まり、自分の興味や関心をベースに問いを立ち上げ、探索するためのデザインリサーチプログラムで、「土着」「工夫」「余裕」という3つのテーマに分かれて活動している。 土着チームは、「土着的なコ・デザインのエコシステムを複眼的に捉える」というテーマで、会津でのフィールドワークを実施した。調査にあたっては、「複眼的」という名の通り、メンバーそれぞれが事前に独自の「問い」を立て、それぞれ

カメを追いかける

なんか、いつも余裕がない。 そんな課題感と関心から、社内の有志メンバーで「余裕」とは何かを探索してきました。 活動を通じて、「余裕」に対する問いは変化してきました。 この記事では、リサーチ・スルー・デザインの活動から学んだことを対話形式で振り返ります。 活動メンバー:石井 宏樹 / 高橋 咲 / 中安 晶 / 成瀬 有莉 「余裕」に対する問いのうつろい中安: 先週、社内に向けてこれまでの活動報告をしてきました。僕以外の3人が業務都合で参加できず、余裕の話をするのに他の

工夫の研究または自分証拠の提示|ひらくデザインリサーチ Vol.3

ぼくは現在、「ひらくデザインリサーチ」というリサーチ・スルー・デザインを実践する活動に取り組んでいる。今回は2024年3月から7月にかけて取り組んだ内容を紹介したい。 まず最初にお断りしておくと、はっきり言ってこれを公開することには気後れしている。内容が薄っぺらいように感じるが、デザインに取り組む際に参照した『リサーチのはじめかた』という書籍の教えに従い、とにかく外部化して公開することにする(タイトルの「自分証拠」とは、自らの興味を大事にしたリサーチを行う際の外部化した思考の

自由なありかたを見つけよ|ひらくデザインリサーチ Vol.2

前回の記事では、リサーチ・スルー・デザインを実践する「ひらくデザインリサーチ」という活動をスタートさせたことを紹介した。この記事では、その活動の経緯を共有する。 7月には、『動きそのもののデザイン』著者の三好賢聖さんをお招きしての中間発表会も行った。中間発表会については、また改めて別の記事で紹介したい。 この指とまれでつながる興味や関心 前回の記事と少し重複するが、時系列順にやってきたことをお話ししてみたい。まず、「ひらくデザインリサーチ」という活動に興味や関心がある人に

「あっ」というフィールドワークをやってみた

あっ何かを発見したり、 思い出した時に、 無意識のうちに発する言葉。 この「あっ」という言葉に注目し、フィールドワークをやってみました。 「あっ」というフィールドワークのコンセプトは、強制的に「あっ」と発することで、新たな発見をつくり出すというものです。 本来は、なにか発見があった時に「あっ」と言うわけですが、先に「あっ」と発することで、無意識の発見を意識化し、言語化に取り組む。それが、『「あっ」というフィールドワーク』です。 「あっ」というフィールドワークの実践この

「余裕」とは何か

私が所属する株式会社コンセントでは、「ひらくデザインリサーチ」という活動に取り組んでいます。この活動は、リサーチ・スルー・デザインを実践し、生活者の視点から課題を掘り起こし、問いを立ち上げ、社会に対して提示することを目的としています。 現在、16名のメンバーが参加し、3つのテーマ「土着的コ・デザイン」「普段づかいの創造性」「加速社会における余裕」を探求しています。 「リサーチ・スルー・デザイン(Research through Design)」は、製品やサービスの最適化を