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【朔 #49】霞として身にまとわりつくだけで凝固しないのだけれど
水母こそ飼えないが、こういう詩岸の端緒を眺めているうちに心は松帆の浦の寒々しい岩に座っている。
時々、港を抱いて寝るから港が恋しくなるのか。常に抱くか、もう、手放すか。
最近、夢によく出てくるのは淡路島。しかし、実在のそれとはかけ離れている。海峡を繋ぐロープウェイがあったり、大きな豆腐屋の廃墟があったり、幹線道路沿いの山肌が絵島の肌に似ていたり。それだけ、淡路島が夢幻の土地になってしまったの
【雑文】夢日記(令和四年十一月下旬)
令和四年十一月十八日 ありがとう、と言うと、非常に無礼な物言いをしたかのように皆が私を見る。だから、すみませんね、と言ったら、当然の言葉だというように皆が私から視線を外した。
「すみませんね」
と言って、私は水を一杯もらう。別に喉は乾いていない。
令和四年十月二十日 見えてくるなぁ。うん、見えてくる。
遠いんだ。うん、遠いんだ。
真っ直ぐな道路、これは恐らく国道二号線なのだけれど、その果て
【雑文】夢日記(令和四年十月下旬から十一月上旬まで)
令和四年十月十九日 半島、あるいは岬の映像からその夢は始まった。雲一つない空の下、深い青のインク壺のような大海へニュッと陸地が突き出ている。普通に考えればそれは岬なのだが、どうしても伊豆半島のような土地であるという考えが拭いきれない。
私は先端、最も鋭く海へ突き出ている陸に立っている。一歩踏み出せば断崖で、落下すれば海面に当たると同時に高く水柱を上げるだろう。
恐れることなく崖の下を覗くと、す
【雑文】夢日記 超訳風清書(令和四年九月〜十月)
元記事
令和四年九月十六日 私は映画のような形で、つまりは第三者による視点で夢を見ることが多い。何台も様々な角度からカメラを回して、必要なカットを繋ぎ合わせた映像が私の夢、そのイメージである。
私は母校の小学校に居た。その一室でTと二人っきりで座っている。但し、Tは別の小学校を卒業しているので、彼女からすれば全く知らない学校の教室に座っているわけである。二人横並びの机に座っていて、向かい合うこ