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記事一覧
【映画批評】#36「本心」 湧き立つ感情ですら本心として表出できない世界
「月」「舟を編む」の石井裕也監督が池松壮亮を主演に迎え、平野啓一郎の同名小説を原作にデジタル化社会の功罪を鋭く描写したヒューマンミステリー「本心」を徹底批評!
AIアバターと人間との関係のあり方がメインテーマかと思いきや、近未来ディストピアに扮した現代社会の問題提起。かつ儚くも物悲しいラブロマンスに大号泣。もうAIとかアバターとかどうでもいい。朔也と彩花の恋愛にフォーカスを当てます!
鑑賞メモタ
【映画批評】#35「ノーヴィス」 ○イザベル・ファーマン(寄り切り)
ローイング(ボート競技)の世界に魅入られた女性の狂気にも似た情熱を描いたドラマ。「セッション」「ヘイトフル・エイト」などの音響を担当したローレン・ハダウェイが、大学時代にローイングに没頭した自身の体験を基に描いた初監督作「ノーヴィス」を徹底批評。
「エスター」シリーズ大好き筆者と主演イザベル・ファーマンとの久しぶりの再会はうれしかったものの作品としては…の結果に。
鑑賞メモタイトル
ノーヴィス
【映画批評】#34「十一人の賊軍」白石和彌のマジメさが裏目に?
江戸幕府から明治政府へと政権が移りかわる中で起こった戊辰戦争を背景に、11人の罪人たちが藩の命令により決死の任に就く姿を描いた時代劇アクション「十一人の賊軍」を徹底批評!
白石和彌×時代劇かつ三池崇史監督の大傑作「十三人の刺客」を彷彿とさせるタイトルに最大限に上げた期待値が裏目に。正直、話の滑り出し、座組、構造からそりゃ盛り上がりに欠けるだろうと思ってしまった。
鑑賞メモタイトル
十一人の賊軍
【映画批評】#33「まる」 こんなに愛くるしい映画だとは!
「かもめ食堂」「彼らが本気で編むときは、」の荻上直子が監督・脚本を手がけ、堂本剛が27年ぶりに映画単独主演を務めた奇想天外なドラマ、「まる」を徹底批評!!
堂本剛が堂本剛であることに不自然さが全くないことそのものが面白い。筆者が大キライでおなじみ某ルックバックのカウンターは東洋哲学をあちらこちらに散りばめた力作!愛くるしい!!
鑑賞メモタイトル
まる(117分)
鑑賞日
10月18日(金)2
【映画批評】#32「憐れみの3章」どう思えと?(ニンマリ)
「女王陛下のお気に入り」「哀れなるものたち」に続いてヨルゴス・ランティモス監督とエマ・ストーンがタッグを組み、愛と支配をめぐる3つの物語で構成したアンソロジー「憐れみの3章」を徹底批評!
デタラメな人物たちのデタラメな話3連発!!なのになぜか彼らに親しみを感じてしまう不思議。
鑑賞メモタイトル
憐れみの3章(165分)
鑑賞日
10月12日(土)9:45
映画館
TOHOシネマズ セブンパ
【映画批評】#31「ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ」 むしろ一貫性を感じて好感
「バットマン」に悪役として登場するジョーカーの誕生秘話を描き、第76回ベネチア国際映画祭で金獅子賞、第92回アカデミー賞で主演男優賞を受賞するなど高い評価を得たサスペンスエンターテインメント「ジョーカー」の続編、「ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ」を徹底批評!!
トッド・フィリップス真面目すぎるだろ!とツッコみたくなる誠実さが賛否を分けるのは納得。筆者は本作めっちゃアリ派です!!
鑑賞メモタイトル
【映画批評】#30「シビル・ウォー アメリカ最後の日」気分はもう内戦
「エクス・マキナ」のアレックス・ガーランドが監督・脚本を手がけ、内戦の勃発により戦場と化した近未来のアメリカを舞台に、最前線を取材するジャーナリストたちを主人公に圧倒的没入感で描いたアクションスリラー「シビル・ウォー アメリカ最後の日」を徹底批評!!
監督、主人公のリーと同じく、ダウナーな気分にやられること必至!
とまどいながらウダウダ言う!!
鑑賞メモタイトル
シビル・ウォー アメリカ最後の
【映画批評】#29「ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ」自らフォーマットを崩す挑戦は大成功!
殺し屋女子2人組のモラトリアムな日常とハードなアクションのギャップで人気を集める、阪元裕吾監督による青春アクションエンタテインメント「ベイビーわるきゅーれ」の第3弾「ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ」を徹底批評!!
プログラムピクチャー化するんだろうなという筆者の平凡な予想を覆す、挑戦的な一作は本シリーズの格上げに大成功。ちさととまひろが成長した!!
鑑賞メモタイトル
ベイビーわるきゅーれ
【映画批評】#28「犯罪都市PUNISHMENT」もうそろそろ新しいギミックを
韓国の人気俳優マ・ドンソクが主演を務める大ヒットクライムアクション「犯罪都市」シリーズ第4弾「犯罪都市 PUNISHMENT」を徹底批評!
というか、もうこんなの批評なんか必要なし!
マ・ドンソクを主役にした、寅さん映画=プログラムピクチャーは観て気持ち良くなればそれでいい!…のか!?
鑑賞メモタイトル
犯罪都市 PUNISHMENT(109分)
鑑賞日
9月28日(土)12:00
映画館
【映画批評】#27「Cloud クラウド」無産者の無産者による空虚な諍い
黒沢清監督が菅田将暉を主演に迎え、憎悪の連鎖から生まれた集団狂気に狙われる男の恐怖を描いたサスペンススリラー「Cloud クラウド」を徹底批評!
何も産まない者たちの未だかつてないカラッとした手触りのサスペンスは、読後感すら何もないからこそ豊潤!
鑑賞メモタイトル
Cloud クラウド(123分)
鑑賞日
9月27日(金)18:20
映画館
あべのアポロシネマ(天王寺)
鑑賞料金
1,3
【映画批評】#26「ナミビアの砂漠」どうせみんな解像度が低いから気にするな
初監督作「あみこ」でベルリン国際映画祭フォーラム部門に史上最年少で招待されるなど高く評価された山中瑶子が監督・脚本を手がけ、「あんのこと」の河合優実を主演に迎えて撮りあげた「ナミビアの砂漠」を徹底批評!
正直気持ちが乗り切れていないのは、カナの気持ちは頭で理解できても、寄り添う度量がないことを悟っているからである。プラスみんなこんなもんやろと思って生きている人間の正直な感想を嫌ごとも含めてさっと書
【映画批評】#25「侍タイムスリッパ-」一世一代の大勝負!その心意気に大あっぱれ!
現代の時代劇撮影所にタイムスリップした幕末の侍が時代劇の斬られ役として奮闘する姿を描いた時代劇コメディ「侍タイムスリッパ-」を徹底批評。
10名たらずのスタッフかつ自主映画で時代劇という向こう見ずな企画でも、優れた脚本が東映京都撮影所を動かした!動画撮影カメラマンを経て、米農家に転身した安田淳一監督と時代劇関係者、崖っぷちの彼らが一致団結した一世一代のアツすぎる大勝負に泣け!!
鑑賞メモタイトル
【映画批評】#24「スオミの話をしよう」令和に三谷とフジはもう要らない【捨て身の公開説教】
三谷幸喜が「記憶にございません!」以来5年ぶりに手がけた映画監督・脚本作品「スオミの話をしよう」をゲンナリしながら振り返る。
批評どころではない、これを世に出して平気なアホの三谷とあの時ホリエモンに買われておけばよかったボンクラ企業・フジテレビを心配しながら、作品以前のものづくりに対するナメた姿勢をひたすら突く、こちらに何のメリットもない捨て身の公開説教!!
鑑賞メモタイトル
スオミの話をしよ
【映画批評】#23「夏目アラタの結婚」堤幸彦"らしさ"は中途半端にケイゾク…
乃木坂太郎の同名ベストセラーコミックを堤幸彦監督のメガホンで実写映画化し、死刑囚との獄中結婚から始まる危険な駆け引きの行方を描いたサスペンス映画「夏目アラタの結婚」を徹底批評!
およそ15年ぶりぐらいの堤作品鑑賞は良い意味でも悪い意味でもガッカリ…。ゼロ年代、あまりにもつまらない堤作品に迷惑をかけられてきた筆者独自の堤幸彦に対するスタンスを中心とした批評を展開。そして、彼の弟子である大根仁との決定