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JW641 宇奈岐日女

【景行征西編】エピソード12 宇奈岐日女


第十二代天皇、景行けいこう天皇てんのう御世みよ

西暦82年、皇紀こうき742年(景行天皇12)9月。

景行天皇こと、大足彦忍代別尊おおたらしひこおしろわけ・のみこと(以下、シロ)の一行は、国前国くにさき・のくに(今の大分県の国東半島くにさきはんとう)に到着していた。 

筑紫行幸参加者名簿
地図(国前国へ)

シロ「して、国前国くにさき・のくに何処いずこまいっておるのじゃ?」 

ウナ「大分県国東市くにさきし国見町くにみまち伊美いみにござりまする。」 

やぁちゃん「ここに、行宮かりみやもうけた・・・ということですか?」 

ウナ「御意ぎょい。そして、みやの跡地は、やしろりもうした。その名も、伊美別宮社いみべつぐうしゃにござりまする。」 

地図(伊美別宮社)
伊美別宮社(鳥居)
伊美別宮社(拝殿)

いっくん「当然、祭神さいじんは、大王おおきみなんやろ?」 

ウナ「仲哀ちゅうあい天皇てんのう神功じんぐう皇后こうごう応神おうじん天皇てんのう三柱みはしらにござる。」 

シロ「われではないのか?」 

ウナ「これぞ、ロマンにござりまするな。」 

シロ「そうなるか・・・。」 

やぁちゃん「では、創建そうけんされた年は?」 

ウナ「西暦886年、皇紀こうき1546年(仁和にんな2)にござりまする。」 

シロ「どこまでも、われと関わり合いが、ないのじゃな?」 

ウナ「これぞ、ロマンにござりまするな。」 


そして、時は流れ、10月となった。 

シロ「・・・ということで、神事かむわざをおこなうぞ。」 

百足ももたり「は? 祭祀さいしをおこなうと?」 

もち「なにうちょるんや?! 熊襲くまそ討伐とうばつは、どうなったんや?!」 

シロ「あせるでない。国々を鎮撫ちんぶすることもつとめぞ。」 

もち「じゃ・・・じゃっどんしかし・・・。」 

たっちゃん「こうして、宇奈岐日女うなぐひめ神社じんじゃにて、大王おおきみによる神事かむわざが、おこなわれもうした。」 

宇奈岐日女神社(鳥居)
宇奈岐日女神社(拝殿)

百足ももたり宇奈岐日女うなぐひめ神社じんじゃ? 祭神さいじんは、宇奈岐日女うなぐひめにござりまするか?」 

ウナ「当初は、そうであったと思われる。『延喜式えんぎしき』にも、宇奈岐比咩うなぐひめと記載されておるからな・・・。ちなみに、由布岳ゆふだけの神様じゃ。」 

地図(由布岳)
由布岳(近景)

舟木ふなき「当初は・・・ということは、今はちがうと?」 

シロ「六柱むはしらに、なっておるようじゃな。」 

ウナ「それゆえ、六所宮ろくしょぐうという、別名が有りまする。」 

百足ももたり五柱いつはしら、加わったと?」 

たっちゃん「ところが、そうではない。」 

百足ももたり「ん?」 

たっちゃん「六柱むはしらとも、ことなる神なのじゃ。」 

もち「どういうことっちゃ!?」 

シロ「長き時の流れによって、祭神さいじんが、変わったのであろうな・・・。」 

いっくん「ちなみに、六柱むはしらの神様って、なんう神様なんです?」 

たっちゃん「一柱目ひとはしらめ・・・国之常立神くにのとこたちのかみじゃ。『記紀きき』の天地開闢てんちかいびゃくおりに現れる神じゃな。」 

ワオン「二柱目ふたはしらめ・・・国狭槌尊くにさつちのみこと にござる。『日本書紀にほんしょき』の天地開闢てんちかいびゃくにて現れる神様にござる。」 

ナッカ「『日本書紀にほんしょき』って、限定してるってことは『古事記こじき』には、登場しないってことっすか?」 

ワオン「左様さよう。『日本書紀にほんしょき』のみにしるされた神で、これよりのち、まったてこない神にござるぞ。」 

もち「なしてなぜ、そんげな神をまつっちょるんや?」 

ワオン「ロマンにござる。」 

いっくん「そうとしか、言えへんよな・・・(;^_^A」 

影媛かげひめ「では、気を取り直して・・・。三柱目みはしらめ・・・山幸彦やまさちひここと『ヤマピー』にござりまする。」 

ヤヌシ「四柱目よはしらめ・・・彦波瀲武鸕鶿草葺不合尊ひこなぎさたけうがやふきあえず・のみことこと『ウーガ』なり!」 

リトル「うぎゃう。うぎゃ!」 

タケ「ふむふむ・・・。五柱目いつはしらめは、御初代様こと、神武じんむ天皇てんのうもうしておるぞ。」 

夏花なつはな六柱目むはしらめ・・・二代目様こと、綏靖すいぜい天皇てんのうにござりまする。」 

シロ「いつのにか、われ御先祖様ごせんぞさままつるようになったのじゃな?」 

夏花なつはな「ロマンにござりまするな。」 

もち「して、何処どこ鎮座ちんざしちょるんや?」 

えっさん「大分県由布市ゆふし湯布院町ゆふいんちょう川上かわかみにあらしゃいます。」 

地図(宇奈岐日女神社)

野見のみ此度こたび神事かむわざで、やしろが建ったのでござるか?」 

たっちゃん「どうも、そうでは、ないようじゃ。」 

モロキ「では、元々、建っていたと?」 

シロ「うむ。西暦73年、皇紀こうき733年(景行天皇3)に、創建されたようじゃ。」 

ウナ「ちなみに、建てたのは、速津媛はやつひめという、魁帥ひとごのかみ首長しゅちょうのこと)にござる。」 

シロ「速津媛はやつひめ?」 

ウナ「いずれ、出会うことも、ありましょう。」 

一行は、速津媛に出会うのであろうか? 

次回につづく

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