JW449 大彦、喜ぶ
【崇神経綸編】エピソード24 大彦、喜ぶ
第十代天皇、崇神天皇(すじんてんのう)の御世。
紀元前36年、皇紀625年(崇神天皇62)。
ここは、磯城瑞籬宮(しきのみずかき・のみや)。
崇神天皇こと、御間城入彦五十瓊殖尊(みまきいりひこいにえ・のみこと)(以下、ミマキ)は勅命(ちょくめい)を下した。
すなわち、出雲(いずも)にて、大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)が再び祀(まつ)られることになったのである。
そして「ミマキ」は、日嗣皇子(ひつぎのみこ:皇太子のこと)の活目入彦五十狭茅尊(いくめいりひこいさち・のみこと)(以下、イク)に、あることを尋ねるのであった。
ミマキ「ところで『イク』ちゃん。エピソード276は、知っておるか?」
イク「たしか・・・。二千年後の大阪府に位置する、川内(かわち)で、大蛇が暴れていたんだけど、実は、大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)の荒魂(あらみたま)だったんだよね?」
ミマキ「その通りじゃ。それを鎮(しず)めんがため、美具久留御魂神社(みぐくるみたまじんじゃ)が創建されたという話じゃ。ちなみに、鎮座地(ちんざち)は、知っておるか?」
イク「大阪府富田林市宮町(とんだばやしし・みやちょう)だよ。でも、それが何なの?」
するとそこに、大后(おおきさき)で「イク」の母である、御間城姫(みまきひめ)(以下、みぃ)がやって来た。
また、その父であり、「イク」の義理の祖父にあたる、大彦(おおひこ)もやって来た。
更に「みぃ」が産んだ子供たちもやって来た。
すなわち、彦五十狭茅(ひこいさち)(以下、のまお)。
国方姫(くにかたひめ)(以下、ニカ)。
千千衝倭姫(ちちつくやまとひめ)(以下、チック)。
五十日鶴彦(いかつるひこ)(以下、イカッピ)。
倭彦(やまとひこ)である。
みぃ「此度(こたび)、その社(やしろ)に『イク』ちゃんが、派遣されるのです。」
大彦「そして、美具久留御魂神社(みぐくるみたまじんじゃ)の名を贈ったんだな。」
イク「おじいさま? それは、おかしいんじゃないですか? それまでの名前は?」
ミマキ「これがロマンじゃ。ちなみに、前回の氷香戸辺(ひかとべ)の一件が、今年というのも、美具久留御魂神社の社伝によるモノじゃ。」
イク「これが、ロマン・・・。と・・・とにかく、今回の一件で、名前が贈られるんだね?」
大彦「そういうことなんだな。ちなみに、美具久留御魂は、水泳御魂(みくくるみたま)に由来する、水の神とも言われているんだな。」
のまお「おじいさま? 大国主様なのに、水の神様でもあると?」
大彦「そうなんだな。下水分社(しものすいぶんのやしろ)という別名も有るんだな。」
ニカ「おじいさま? ちなみに、上水分社(かみのすいぶんのやしろ)も有りますよ!」
大彦「建水分神社(たけみくまりじんじゃ)のことなんだな。」
チック「さすがは、おじいさま!」
大彦「これくらい、当然なんだな。なぜなら、エピソード249で紹介されてるんだな。」
イカッピ「では、鎮座地も御存知なの?」
大彦「当たり前なんだな。大阪府千早赤阪村(ちはやあかさかむら)の水分(すいぶん)に鎮座しているんだな。」
倭彦「さすがは、おじいさまじゃ!」
大彦「孫たちと共演出来て、感無量なんだな!」
満面の笑みを浮かべる「大彦」なのであった。
つづく
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