JW614 景行天皇即位
【景行即位編】エピソード3 景行天皇即位
西暦71年、皇紀731年(景行天皇元年)春。
ここは、纏向珠城宮。
日嗣皇子の大足彦忍代別尊(以下、シロ)や、大連、大夫たちは、驚愕するほかなかった。
田道間守(以下、モーリー)が、垂仁天皇の陵にて、自害してしまったのである。
シロ「まさか・・・このようなことになるとは・・・。」
オーカ「大王の陵に、小さな島が有るのですが、それが『モーリー』の墓と伝わっておりますぅ。」
ちね「せやけど、江戸時代の末まで、そないなモンは無かったみたいやで。」
カーケ「それがしは、気にしないんだぜ。ロマンが有って、いいと思うんだぜ・・・(´;ω;`)ウッ…。」
武日「じゃが。要らんこと、言うモンでは無いじ。」
ちね「わ・・・悪かったなぁ。」
くにお「して『モーリー』は、菓子の神になったそうじゃ。また、子孫は、三宅連となったそうじゃ。」
シロ「そうか・・・。神となり、子孫も居るのか・・・。されど、父である、清彦は、何を思うておるのであろうな・・・。」
一方、そのころ、垂仁天皇の陵では・・・。
清彦が、兄弟の多遅摩比多訶(以下、ヒタカ)と、姪っ子の葛城高顙媛(以下、タカヌ)と共に、墓参りに来ていた。
清彦「嗚呼・・・『モーリー』よ・・・。私を置いて、先に逝くとは・・・(´;ω;`)ウッ…。」
ヒタカ「大王に認められたことが、よほど嬉しかったのであろう。」
タカヌ「でも、皮肉よね。」
ヒタカ「何がじゃ?」
タカヌ「殉死を禁じられた大王のために、殉死しちゃうなんて・・・。」
清彦「それが『モーリー』なんだわいや・・・(´;ω;`)ウッ…。」
男「あのう? 『モーリー』殿の御家族ですかな?」
清彦「えっ? 誰だ?」
そこには、若い男を連れた、老人が立っていた。
男「あっ。いきなり、声をかけてしまって、申し訳ない。我は、山代之大筒木真若王と申す。『つつきん』と呼んでくだされ。この子は、我の孫で、息長宿禰王と申す。『息長』と呼んでくだされ。」
息長「お初にお目にかかりまする。我が、息長にござる。父は、まだ、登場しておりませぬが、迦邇米雷王と申します。『メーカヅ』と呼ばれる予定にござりまする。」
ヒタカ「え? つつきん様にござりまするか?」
つつきん「左様。エピソード479以来の登場じゃ。」
息長「ところで、『タカヌ』姫。お屋敷は、どちらかな?」
タカヌ「えっ? 多遅摩(兵庫県北部)ですけど?」
息長「なっ! そ・・・そんな遠くから・・・。辿り着くまでに、何日、掛かるのじゃ・・・。」
つつきん「ん? 息長? 汝は、もしかして・・・。」
息長「ふっ。恋多き男ゆえ・・・。」
タカヌ「お・・・息長様・・・(⋈◍>◡<◍)。✧♡」
息長「遠くとも、気にならぬゆえ・・・。」
清彦「恋が生まれる予感がする・・・。」
そして、同年の7月11日。
ついに「シロ」が大王に即位した。
後の世に、景行天皇と呼ばれる大王である。
シロ「これより、大王として、ヤマトを経綸して参る。皆の者、よろしく頼む!」
一同「ははっ。」×多数
どのような治世が待ち受けているのであろうか?
次回につづく