JW551 詫びた皇女
【伊勢遷宮編】エピソード10 詫びた皇女
第十一代天皇、垂仁天皇の御世。
紀元前4年、皇紀657年(垂仁天皇26)。
天照大神(以下、アマ)の鎮座地を求め、一行は、瀧原宮を創建した。
しかし「アマ」様が、ここではないと申されたので、再び旅立つことになったのであった。
ワッコ「や・・・山越えになるとは・・・。」
カーケ「ワッコ・・・。南へ、南へと進んでおるが、こちらで間違いないのかね?」
ワッコ「間違いかどうかなど、私には分かりませぬ。ただ、南の方にこそ、求めるべき地が有るのではないかと感じる次第にて・・・。」
ちね「直感頼りっちゅうことか?」
ワッコ「分かりやすく申せば、そういうことになりまする。」
武日「じゃっどん、皆も疲れてきちょる。そろそろ休んだ方が、いいじ(いいよ)。」
ワッコ「左様にござりまするな。」
乙若「あっ! あちらに湧水が! 我が汲んで参りまする。」
ワッコ「すまぬな・・・。」
乙若「ささっ。どうぞ、お飲みくだされ。」
くにお「拙者たちも、湧水に与ろうぞ。」
インカ「ふぅぅ。一息、つけましたな。」
おしん「ところでよぉ。この湧水は、二千年後も湧いてるって知ってたか?」
インカ「なっ!? まことか?」
おしん「嘘吐いても、仕方ねぇべ。『倭姫の神水』って呼ばれててよぉ、今でも、利用されてんだ。」
ワッコ「私が飲んだことで、そんなことになるのか?」
おしん「まぁ、仕方ねぇな。なんてったって『ワッコ』様は、この時代の『アイドル』だからなぁ。」
ワッコ「アイドオ?」
アララ「あらら・・・。そういうことになっちゃった。」
市主「ワッコ様!」
ワッコ「ん? 如何致した?」
市主「ここより南の地に、休める処を見つけもうした。そちらで、ゆっくり疲れを取りましょうぞ。」
ワッコ「そうか・・・。では、そう致そうぞ。」
市主「では、紙面の都合で、早速、紹介致しまする。この大きな岩にござる。」
オーカ「大きいだけやのうて、平たい岩にあらしゃいますなぁ。」
カット「大所帯でも、坐ることが能いますな。」
ねな「見晴らしも、いいわよ。」
おしん「そういうことで、この岩は、乙女岩と呼ばれるようになったんだ。」
そのとき、村人たちがやって来た。
村人(い)「ようこそ! 皇女様!」
村人(ろ)「そして、玉串を捧げまする。」
ワッコ「おお・・・。かたじけない。では、皆に『玉串』の姓を授けようぞ。」
村人たち「ありがたきかな!」×多数
おしん「こうして、二千年後も玉串さんが暮らしてるんだべ。」
くにお「ちなみに、この辺の地名は、三重県度会町川上との由。」
カーケ「一之瀬川を下っているんだぜ。」
ワッコ「とにかく、山の向こうに、開けた処が有るようです。鎮座地に相応しき地かもしれませぬ。一休み済んだら、そちらに向かいましょうぞ。」
こうして、休憩を取った一行は、開けた地に向かった。
しかし・・・。
市主「どこにも、良き宮処となる地は有りませぬな。」
インカ「美しい地では有るのじゃが・・・。」
ワッコ「だんだんと侘しい気持ちになってきた・・・(´;ω;`)ウッ…。」
カット「ワッコ様! 挫けてはなりませぬ。」
ワッコ「分かっておる。されど、こうも見つからぬとなると『アマ』様に申し訳ない想いも沸き起こってくる。」
カーケ「ワッコ・・・。」
ワッコ「嗚呼! 『アマ』様! 申し訳ござりませぬ! この地では、良き宮処を探せずにおりまする!」
おしん「こうして『ワッコ』様が詫びられたので、この地は、侘野と呼ばれるようになったんだ。和比野とも書くぞ。」
ねな「二千年後の三重県度会町和井野のことよ。」
ワッコ「解説は、もうよい・・・(´;ω;`)ウッ…。」
一行は、どうするのであろうか?
次回につづく
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